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出産直前猫の手術に関する大事なお知らせ

2018.04.07 14:09

先日の暖かさは何処へやら、

この数日は雨続きで寒い新潟です☂️


そんな中でも着実に季節は春に突入しており、

明日にも出産しそうなお腹パンパンのメス猫が毎日いらっしゃいます💦


そんな出産直前のメス猫さんの手術に関する

大事なお知らせがあります🙇‍♀️


出産直前の猫さんの子宮は、

育ちきった子猫と多量の血液を含んでおり、

お腹の中の3分の1ほどを占める大きな臓器となっています。


この血液がパンパンに含まれた大きな臓器を手術で一気に取り出すことは、

大きな血圧変動や貧血を招きます。

そのため、出産直前の猫さんの不妊手術は、

妊娠していない猫さんに比べてリスクがとても高いです。


そのため、通常は術後日帰りでお返ししておりますが、

そのような状態でリスクが高いと判断した猫さんに関しては、1泊お預かりさせていただきます。


お迎えの都合等々あるかと思いますが、

出来るだけ猫さんの体調を優先したいと思っております。

どうぞご理解の程よろしくお願いいたします。

(HPのトップページにも同様のお知らせを記載させていただきます。)



アメリカでのあるデータによると、

TNR病院での死亡率は0.4%だそうです。

(クリニック内での死亡0.2%+安楽死0.2%)


残念ながら、当院でも同じくらいの死亡率となっています。


十分に静脈点滴をして術中もしっかりモニタリングして…とすれば、リスクを下げることは出来ます。

しかしそうすると、今の値段・今のペースで手術をし続けることはできません。


また、こうした出産間近の猫さんの堕胎をすること自体にも、賛否両論はあると思います。

こうした猫さんの手術を断る病院様もあり、それも一つの選択肢だと思います。

何が正解なのか、それは私にもわかりません。

ただ、自分が正しいのではと思うことを精一杯やっていきたいと思っております。


設備面などで劣るTNR病院では、死亡率をゼロにすることは難しいと思います。

しかし、出来る限りゼロに近づける努力はし続けたいと思っております。

今回の1泊お預かりの措置も、そうした努力の一つと受け止めていただけると幸いです。


ご理解の程、どうぞよろしくお願いいたします🙇‍♀️


※参考論文

J Feline Med Surg. 2006 Aug;8(4):279-84.

Population characteristics of feral cats admitted to seven trap-neuter-return programs in the United States.

Wallace JL1, Levy JK.


先週の暖かった日の信濃川🌸

身近に癒してくれる自然がある新潟は、素敵な街です✨


この街で、そしてこの日本で、殺処分がゼロになることを心より望みます🙏