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デジタル時代の基礎知識『PR思考』 人やメディアが「伝えたくなる」新しいルール

2018.04.08 10:53

こんばんは!

本日は、PR参考図書シリーズです!!

デジタル時代の基礎知識『PR思考』 人やメディアが「伝えたくなる」新しいルール』(根本 陽平 (著), 伊澤 佑美 (著))

電通PRのお二人による共著。


<どんな本か>

PRを「思考」と「手法」に分けて考え、まずは根本となる「PR思考」についてどのように考えていくのがよいか具体的メソッドと合わせて説明してくれる一冊。


PR思考とは

本書では、ひとによって定義がまちまちになっている「PR」に対して、「思考」と「手法」で分けて考えてすすんでいく。

「PR思考」とは、

【自社・自ブランドの発言や行動に対して、世の中がどのような「反応」を起こすのか考えること】と定義。


PR思考で考えるーまず最初にすべきこととは

企業が「PR思考したい」と思ったときにまずやるべきことは、「私(自社・自ブランド)」と「世の中(コミュニティや属性)」が、どのような「関心」「問題」でつながっているか、その「接点」を発見すること。

PRの出発点として、PRしたいと考えているものと、世の中の「接点」を探すことが大事。

たしかに、社会的な文脈が無いと、メディア側としても取り上げる理由が無いのでスルーしてしまう。

「どうして取り上げないといけないのか」ということを明確にしてあげることがまず第一歩。


思わずシェアしたくなる設計とは?

ここで紹介されているのが「感情トリガーマップ」というもの。

(感情トリガーマップについて詳細はこちら

ひとは、「感動」「胸熱」「信じられない」と思うコンテンツを思わずシェアしたくなるそう。


情報流通の構造

可視化すると、図のようになっていると。わかりやすい↓


◇紹介されていたおもしろい事例

①サクラパックス「熊本城組み立て募金」

▶取り組みの背景

熊本大震災を受けて、何かできないかと考え、自社で製造していた手のひらサイズの組み立て式熊本城の売上を全額寄付。

「長く熊本のことを想い、支援したくなる仕組み」をつくろうと設計。

 ∟「組み立てる時間」を「熊本のことを想う時間」と定義。

お金を出すということだけでなく、組み立てるという体験もセットにした点がポイント。

▶ポイント:アイデアの名前の付け方

耳に馴染みのある「積立貯金」をもじり、「組み立て募金」としたこと。

PR IMPAKTの「Keyword」にあたる


②正装白T

▶取り組みの背景

ワークスタイルの多様化とともに、ビジネスシーンのファッションにも変化が起きている「ノームコア(Normcore=究極の普通)」という言葉がトレンド化しているように、「シンプルでベーシックな服装」が人気を博すようになってきた。これに伴い、オフィシャルなシーンでも「無地の白Tシャツを着用したい」と願う男性が急増。一方で「白いTシャツは乳首が透ける」という悩みを抱える男性も少なくなかった

▶ポイント:「あるあるネタ」の根拠を数字として可視化

乳首透け問題をどれくらいの人が気にしているかを調査で「可視化」した点が秀逸。

根拠を持って説明されると、「あるあるネタ」が、立派な「社会ネタ」になり、メディアも「報道したくなる」というわけ。


<まとめ>

個人的に、とても参考になった部分が、事例の紹介の部分。

やはり、取り組み背景が世の中と接点を持ったものでないと、なかなかPRは難しい。

その接点をいかにつくるかが広報担当として求められていることだな、と。

手法に走らず、まずはきちんと「思考」して、「接点」を探し、戦略PRを企てられるようになる。