患者さんがときめく治療をやらせてあげるのも大事【頭の中の治療】
http://youjo-labo.com/treatment-in-the-head-5396.html より
『難病といわれてもあきらめない』をモットーに、ホリスティックな医療カウンセリングや断食指導などを取り入れられているみうらクリニック院長 三浦直樹さんにお話を伺っています。
前回の記事はこちらから⇒ミネラルバランスを超えたエネルギーの高いお水『月のしずく』
ーーークリニックは何年くらいやられているんですか?
ここのクリニックはやり始めてから8年目です。医師になってからは、約20年くらいです。
ウチは全部の診察をまず、この応接室のようなカウンセリング・ルームでやるんです。パソコンもないので、検査データばかり見てはいないです。
多い時は患者さんのご家族含めて、8人くらい入られる時もあります。
お持ちされた検査データは見ますけど、基本的にはここでずっとお話しています。
今の病院は訴訟も多いので、起こりうる最悪のことを医者が淡々と説明しているので、患者さんにそのイメージをまず書き換えてもらうこと。
みなさんも無意識に映画とかテレビで見ているがん患者さんのイメージを演じだす。何か悲しく死んでいかないといけないとなってしまうんです。
ウチではそれをアカデミー症と呼んでいます。どんどんその深みにはまっている人には、『今のままでは、主演女優症の候補になってるからやめてね』ってお話させていただきます。(笑)
でもこれは本当にあるんです。がんになったら悲しく生きていかないといけないみたいなことになるんですが、そうではないと思います。
なんでこの病気を治したいんですか?とまず問いかけるんです。
病気というのは医者が言っているように、必ず悪くなっていくものではないよ、必ずしも医者の言うとおりになるわけではないよということを最初に言います。
この一回目のカウンセリングをうちのクリニックでは頭の中の治療と言っていまして、そこをクリーニングしてから、じゃあなんで長生きしたいの? なんでこの病気を治さないといけないの?と未来の目的を感じていただいて、
それからでは現実的にどうしていくの?と三段階のアドバイスをしていく感じです。
ウチは大それた治療器具も検査器具もないんで、僕の口から発する言葉が大切なんです。
まあビタミンCとかもやっていますけど、基本的には自分でも口ばっかりクリニックと命名しています。
自分の取り扱い説明書
ーーー本にも書いてありますが自分の取り扱い説明書をつくるのがやはり大事になってきますね。
自分の機嫌を自分でとっていくことがすごく大事で、今の日本人はみんな人に認めて欲しいとか、そういう欲求がすごく強いんです。
でもみんな自分のことで精一杯で、中々、他人の事までしっかり認めている余裕がない。しかも人に認めてもらおうとしてもキリがないですよ。
うちのカウンセリングの中で、セルフトークという手法をオススメするんですけど、日本人は真面目なのでこの仕事をいついつまでに完璧にしないといけないと思うと、プレッシャーを感じます。
でも、そんな時は自分自身に『そんなのは誰が決めたの? そもそも完璧って何?人によって違うよね』って自分に突っ込んでくださいって言うんです。
『この人は私のことを嫌っているかもしれない?』などと、悲しい思いが出てきたら、『そんなのは聞いてみないとわからへんやん!』と自分に突っ込んでみてください。
人によって違うので、人と比べずに自分の中でけりをつける。ということをオススメしています。
人の評価で生きてしまうと本当にキリがないし、人の人生の価値は長ければ良いのかといったらまた別の話です。
病気が本当に悪いことなのかと言う事も含めて。
長年、真面目にマクロビオティックや糖質制限、ゲルソン療法などをやってこられた方が、ご病気になられると『今までやっていた私のやり方が間違っていたんですか?』などと良く聞かれます。
しかし、どんなに節制しようと、生きている以上病気にはなります。別に罰が当たったわけでもありません。
みんな過去の原因を探し出すんですが、それはあまり意味がなく、結論が出ないケースもあります。
それよりは今から出来ることを考えましょうねってことです。
ーーーなんでもそうですがこの方法(断食、マクロビ、糖質制限など)しかないと思っている人の価値観はどのようにして変えたりするのですか?
僕は価値観を変える必要はないと思っていて、例えば糖質制限が良いと思っている人にはデータ見ながらですが、いいですよと言います。
効いている間は良いですよって言ってあげます。これは当然病気や症状にもよります。
糖質制限が嫌だと言う人にはこっちの方がいいですよと、だから人によって言うことが違ってきます。
これは有名な帯津先生式のやり方なんですが、患者さんがときめく治療をやらせてあげなさいというもので
その患者さんがこれをやったら良くなるんじゃないかと思っているんだったら、余程おかしなことでないかぎり患者さんの選択に従ってやらしてあげる。
抗がん剤も効くんではないかと思っている患者さんには、この抗がん剤は効くらしいですよと僕は言います。
抗がん剤が嫌なんですって言う人には、やめた方がいいですよ、副作用が多いですからねと言います。
だからウチは患者が集まると言うことが全然違うので怒られると思いますね。
その帯津先生曰く『三浦式治療法』を押し付ける必要は全くない。
患者さんが選んでこれが効くんではないかと思っているなら、ある程度の一定期間ですが、そのときめいていることが大事なので、その治るかもしれないと思っているワクワク感を大事にしてあげることが大事かなと思います。
なので患者さんによって言うことが全然ちがいますので、文章にすると全然一貫性がなくなってしまうんです。
ーーーそれはそうですね。難しいところですね、でもそれが本当なんですよね。
まあ現場ではそんな感じですね。家族が一生懸命調べて良かれと思ってやっていることもありますので。
ウチは町医者なので85歳の一人暮らしのお年寄りの料理が自分でできなくて、ヘルパーさんが料理を持ってきている方に、玄米菜食をしなさいとか言えないわけです。
そしたらその人の生活に合わせて、『それなら、ここの通販サイトで宅配をお願いしてね』など、状況に応じて個別に対応していかないといけない。
一人ずつ環境がどうしても違ってきますので、お金がないって言われた時など、他の先生たちが言われる理論が本当は理想かもしれないけど、現実的には出来ないですから。
その人にとってベストはそれぞれちがう
理想をいう先生達は言えばいいのでそれでいいんですが僕らのような町医者は家族ぐるみで仲良くなってしまうので、
時には僕も家に行ってこの人なら何が作れるのかな?と考えながらレシピを考えてあげることもあります。
その人にとってベストはそれぞれちがいますので、ここは町医者の役割かなと思ってやっています。
僕は、以前は患者さんの家に往診に行くと、4時間くらい滞在して、料理やお手当を指導しながら、家庭環境をチェックしているという嫌な医者だったんです(笑)
治療用ベッドと圧力釜を車に積んで、治療をしながら料理も教えるということをやっていました。
若いときですけどね。
現在、当院には西は一番遠いところだと、奄美大島から来られる人もおられますし、札幌からも患者さんが来られます。
全国から来院していただくと、短期間に何度も来院していただけないので、診察も一期一会となります。
ですので、その短期間でどれだけのことを伝えられるかが勝負になってきます。
お一人ずつ一応30分のカウンセリングの枠をとっているんですけど、結局1時間弱くらいにはなってしまいます。
その1時間を同じようなことを5人も6人も1日中しゃべりますので、ちょっと効率が悪いかなと思い、何人か集まっていただきながら、より詳細な情報をお伝えできるように現在はセミナー形式にしてお話もさせていただいています。
お一人ずつに短時間のみお話させていただくより、何人か集まっていただき、1日中喋ってもっと色んなことを知ってもらった方がいいかなと思います。
ーーーQ&Aなどもしたりするんですか?
はい、Q&Aが一番大事だと思います。抱えているもの、環境がちがいますので。月~金は普通に診察して週末はだいたい講演やセミナーをしています。
やはり関西が多いですね。
それで色々場所を借りてやるのも会場代が馬鹿らしいなということで、クリニックと
同じビルの3階にサロンを作って行っています
家内もオラソーマやクリスタル、気功などのワークショップを行っているので、共同で運営しています。
家内も元々は、社会福祉士で、精神障害者や路上生活者のお世話をする仕事をしており、その中で現状の医療や福祉では十分ではないという考え方が一致して、共に活動しています。
我々夫婦の的は同じで、『自分が幸せになっていいんだよ』と許可を自分に与える気付きをみなさんに持って欲しいなと。
ガンや病気があるから幸せになってはいけないとか、そういうことではなくてどんな状況でも自分が幸せになろうと思えば幸せになれるよと伝えたいなと思い活動しています。
日本人は特にそれが苦手なんですね。