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免疫システム 《免疫細胞の種類・免疫食材》

2020.08.09 01:57

https://www.rikenmedical.com/%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%AE%E4%BA%88%E9%98%B2%E5%AF%BE%E7%AD%96/%E5%85%8D%E7%96%AB%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%EF%BC%88%E5%85%8D%E7%96%AB%E7%B4%B0%E8%83%9E%E3%83%BB%E5%85%8D%E7%96%AB%E9%A3%9F%E6%9D%90%EF%BC%89/  より

■ 免疫のシステムとは?

免疫学的に言うと「自己と非自己を区別して、自己以外のものを異物(抗原)として認識して排除する仕組み」です。

言い換えれば「体内に入った細菌やウイルスなどの外敵(非自己)から身を守る生体防衛機能」のことです。

免疫システムによって私たちの体は健康に保たれているのです。

■ 自己と非自己は何のこと?

「自分の体の成分」と「自分の体の成分でないもの」を、免疫学ではそれぞれ「自己」、「非自己」という用語で表現しています。

「非自己」は自分以外のもの全て、ウイルスや細菌、花粉、塵などの異物なども含まれています。

※最初の生体防衛(初期防衛)

皮膚、眉毛、鼻毛、まつげや粘膜(気管支・消化器官・鼻・口・のど・膀胱・尿道など)、唾液、鼻水、涙などの分泌液が、異物の侵入を防いでいます。

吸気に混じって侵入した微生物を気道の繊毛が殺菌し、感染から防衛しています。くしゃみや咳は異物を外に追い出しているのです。

汗や尿は異物を外に流し出します。 分泌液や粘液に「殺菌物質リゾチーム」が含まれています。また、胃で分泌される酸も食物中の細菌を殺菌します。

● 免疫細胞について

人間の体を構成する約60兆個の細胞のうち約2兆個、重さにして約1kgが免疫細胞です。

全細胞の内、毎日3000億個以上の細胞が死に、同じ数だけ新しい細胞が生まれています。免疫細胞も1日に100億個が入れ替わっています。

このような膨大な数の細胞が、一生懸命に働いて私たちの体を守っています。

免疫細胞とは、いったいどのようなものなのでしょうか?

■ 免疫細胞はどこで生まれるの?

免疫器官でそれぞれの免疫細胞に形成されていきます。

免疫器官には骨髄、胸腺、リンパ節、血管、膵臓、腸などがあります。

一番重要なのは『骨髄』で、リンパ球や赤血球の元になる造血幹細胞が存在しています。骨髄で造血幹細胞の分裂から生まれたリンパ球のうち、胸腺に行ったリンパ球はここで教育されてT細胞になり、全身に供給されます。

それ以外のリンパ球はB細胞になります。

■ 免疫細胞は白血球です。

免疫細胞は造血幹細胞から分化して生まれてきます。

分裂した細胞はリンパ系幹細胞とマルチ系幹細胞になります。

最終的に生まれる細胞はリンパ系がT細胞、B細胞、NK細胞。マルチ系がマクロファージ、顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、赤血球、血小板です。

赤血球、血小板、以外は白血球です。赤血球は栄養や酸素を運びます。

■ 免疫細胞は何で出来ているの?

アミノ酸が免疫細胞を構成しています。

アミノ酸は、私達の体を作り上げている重要な物質であるタンパク質を構成している成分です。

アミノ酸は20種類有り、その組み合わせによって、体のほとんどの部分が作られています。

【免疫細胞の種類と役割】

免疫には役割分担があり、互いに連絡を取り合って動いています。

・掃除屋のマクロファージ

マクロファージは原始的でアメーバ状の細胞です。 体内に侵入してきた異物を発見すると直ちに急行し、自分の中に細菌でもウイルスでもホコリで次々と取り込んで(貪食)処理しようとします。 しかし強力な細菌は内部でどんどん増殖するので処理し切れません。そこで、異物(抗原)を表面に提示して「外敵が来た!」と、ヘルパーT細胞に情報をへ伝え、助けを求めます。 マクロファージはウイルスの死骸や殺傷している感染細胞やガン細胞を掃除します。また、寿命がきた赤血球や白血球なども片づけます。

・好中球

好中球は顆粒球の90%以上占めています。 主に細菌やカビを貪食します。炎症を起こし、その結果、傷口から膿が出てきますが、これは好中球と細菌の死骸です。

・T細胞

T細胞は主に感染した細胞を見つけて排除します。

T細胞は3種類あり、それぞれ司令塔、殺し屋、ストッパーの役目をしています。

【ヘルパーT細胞】は免疫の司令塔であり、助っ人です。マクロファージから病原菌(抗原)の情報を受け取り、B細胞に抗体を作るよう指令を出し、抗体を作るのを助けます。インターロイキンというサイトカインを分泌し、キラーT細胞を活性化させます。

【キラーT細胞】は殺し屋です。普段は静かにしていますが、ヘルパーT細胞から指令があると、感染した細胞にとりついて、その細胞を殺してしまいます。

【サプレッサーT細胞】はストッパー役です。過剰に攻撃したり、武器を作ったりしないように抑制したり、免疫反応を終了に導きます。

・抗体という武器を作って攻撃するB細胞

B細胞はT細胞の指令により、病原体(抗原)に応じた抗体を産生し、病原体に向かって攻撃していきます。 B細胞はあらかじめ表面にレセプターをアンテナのように掲げ、病原体(抗原)と結合し、どんな抗原か察知しておきます。 同時にB細胞は抗原を提示します。

・ナチュラルキラー(NK)細胞

文字通り生まれついての殺し屋です。殺傷力が高く、常に体内をパトロールし、ガン細胞やウイルス感染細胞を見つけると、直接殺します。

※ 細胞の画像はイメージです。役割によっても呼び分けられています

・貪食細胞

マクロファージ、好中球は、体内に侵入した抗原を自分の体の中に取り込んで食べて無害化します。

・抗原提示細胞

マクロファージ、B細胞、樹状細胞が抗原を提示します。 細胞が抗原を内に取り込み分解し、その性質を読みとります。非自己(自分以外の成分)と分かった場合は、細胞自らの先端に付着して「抗原が来た」ことを提示して知らせます。

・抗体産生細胞

抗体を作るB細胞のことです。免疫物質。免疫細胞以外にも免疫システムに関わっている物質があります。

・細胞間の伝達物質、サイトカイン

サイトカインは免疫系が正常に働くように、細胞間の情報の交換・伝達、細胞の分化、増殖、抑制などに関わり、生体の恒常性維持に重要な役割を果たす物質です。 サイトカインはタンパク質の一つで、T細胞やB細胞、マクロファージなどから合成され、インターフェロン、インターロイキンなどの種類があります。 風邪を引いたときに発熱したり、運動した時に発汗するのは、インターロイキンが脳の発熱中枢に働いて誘導しているからです。インターフェロンは、ガン細胞やウイルスが増殖するのを押さえたり、T細胞の働き過ぎを押さえたりします。

・補体

補体はタンパク質分子で、普段は血液中にバラバラと存在して、何もしていません。細菌などの異物が侵入してくると、マクロファージなどから産生され、貪食細胞を呼び寄せたり、異物を食べやすくするように協力したり、細菌を破壊する働きをします。

・抗体

抗体はY字型をした攻撃ミサイルです。体内に侵入した異物を抗原として認識すると、その抗原を撃退するために抗体をつくります。これを抗原抗体反応と言います。 抗体は抗原を分解することができません。抗原と結合して除去したり、無害化します。 細胞の先端に作られ、抗原(異物)を見分けるレーダーの役目もします。 抗体を作らせるような物質を抗原と言って、ウィルス・細菌・カビ・寄生虫、チリ、花粉などほとんどのものが抗原になり得ます。

【抗体のしくみ】

・抗体を形成しているのは免疫グロブリンと呼ばれているタンパク質です。B細胞で作られ役割に応じて体内に散らばっています。

・抗体があらゆる種類の抗原の形に、ピタッと結合できるようになっているのは、抗体の遺伝子が1兆以上の種類があるからです。このような抗体のしくみについて解明したのが、ノーベル賞を受賞した利根川進博士です。抗体を最初に発見したのは北里柴三郎博士とベーリング博士です。

・抗原抗体反応による免疫システムが過剰に反応すると、花粉症や食物アレルギーを引き起こします。

【抗体が作られるまで】

抗体は色々な働きをします。

細菌を発見したら結合し塊にして、マクロファージなどの貪食細胞が食べやすいようにします。

補体と協力して細菌に穴をあけて破壊します。

ウイルスが細胞に侵入しないように結合して中和させます。

※中和とは毒性を無くしたり、無害化すること。

血管の外にいて、病原菌の侵入を防いだり、病原菌から粘膜の表面を守っています。

消化管の寄生虫感染を防いでいます。

■ 自己抗体

抗体は異物が侵入したときに反応して作られますが、正常に機能していれば、自己の成分に対しては反応しません。しかし、T細胞の非自己の認識過程が狂うと、体を構成する自己細胞を攻撃するT細胞や抗体が出現するようになります。この抗体を自己抗体と言います。このように自己抗体が自分自身を攻撃して、疾病を引き起こすことを自己免疫疾患と言います。

【免疫マメ知識 1】 ガンを未然に防ぐ免疫細胞

ガン細胞は、通常の細胞にガンという抗原が発生し増殖していきます。しかし、免疫の監視システムはガン抗原を認識すると、主にキラーT細胞やNK細胞が攻撃して破壊してしまいます。

この監視システムがうまく機能している間はガンを防いでくれます。しかし、このシステムが崩壊するとガン細胞が増殖してしまいます。

【免疫マメ知識 2】 細胞の死には自殺と他殺がある?

●ネクローシス《細胞他殺》

外部からの刺激や生存に必要な物質が欠乏して起こる細胞死です。血流が停止し酸素が欠乏したり、火傷(やけど)や大量の放射線などによって、タンパク質が変質し死に至ります。

●アポトーシス《細胞自殺》

プログラムされた中で、身体にとって不要になった細胞や、有害な細胞を排除する細胞死の機構です。よく言われているのが、落葉や両生類の尾が消えていく課程です。細胞が自ら死ぬという遺伝子の情報に基づいて行われているのです。 ガン細胞やウイルスに感染した細胞をT細胞などが攻撃し、マクロファージや好中球などの貪食細胞によって、速やかに処理されます。この一連の動きは、遺伝子に組み込まれたプログラム通りにスムーズに行われているのです。アポトーシスが過ぎたり、逆に少なすぎたりすると、さまざまな病気になります。自己免疫疾患は、本来死ぬべき細胞が死なずに残っているために起きます。

【免疫マメ知識 3】 ワクチン(予防接種)

・ワクチンは、病原体を記憶し、再度侵入してきた病源体に対して速やかに抗体が作られて、身体を防衛する免疫のメカニズムを応用したものです。

・あらかじめ毒性を弱めた病原菌や死んでしまった病原菌を体内に接種して抗体を作らせておいて、感染症を疑似体験させて、免疫を獲得させるものです。本物の病原菌に感染しても、素早く大量に抗体を作ることができて、病原菌の毒性を中和して排除してしまいます。

【免疫マメ知識 4】 アレルギー

・免疫がうまく機能していると、体内に花粉、ダニ、ほこり、食べ物等のアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が入っても、免疫応対が作動して速やかに排除しようとします。ところが免疫に異常があると、アレルギーを起こすIgEという抗体を分泌します。このIgEは抗体が体内に入ったアレルゲンと結合すると、化学物質であるヒスタミンを放出し、気管喘息や鼻炎の症状を引き起こします。アレルギーを起こす人は血液中のIgE抗体の値が高くなっています。

・このIgE抗体は、元々寄生虫を排除する働きをする抗体です。

【免疫マメ知識 5】 免疫システムを破壊するエイズウイルス

エイズウイルスは免疫システムの中枢であるヘルパーT細胞を破壊するので、免疫システムは動かなくなります。エイズ(後天性免疫不全症候群)はウイルスが原因で死亡するのではなく、通常ならほとんど害の無いような細菌、ウイルス、カビなどに感染しても死に至ります。

【免疫マメ知識 6】 免疫療法には何がある?

細胞免疫療法……免疫細胞を人工的に強くして抵抗力をつける

免疫細胞療法……ガンを抑えるTリンパ球を体外で培養・活性化させて患者の体内に戻す方法。

サイトカイン療法… ガンの治療などにサイトカインの一種であるインターフェロンなどを投与する。

【免疫作用、抗酸化作用のある成分と食品】

下表のように続々と野菜や果物の成分が発見されています。ここに書いているのはほんの一部です。

成分名称と解説

◎カロテン(カロチン)

緑黄野菜。体内でビタミンに変わり、粘膜を強化することで免疫力を高めます。特にβカロテンはガン細胞の原因となる活性酸素を抑えます。ガン予防にも効果があります。

◎アリシン

にんにくやネギ等の鼻にツンとする成分。殺菌作用と抗ウィルス作用があり、細胞を活性化させる成分も含んでいます。

◎イソチオシアネート

大根などアブラナ科の野菜の辛味の成分。ガンの元になる傷ついた細胞の増殖を押えます。人間の体に害を及ぼす細菌を殺したり、細菌の力を弱める働きがあります。

※大根、ブロッコリー、キャベツ、小松菜、白菜、ワサビなど。女性ホルモンと同様の作用を持っており、更年期障害などに効果的です。また、コレステロールをコントロールすると言われています。

◎硫化アリル

玉ねぎやねぎ、にら、にんにく、らっきょ等の香りの成分。食欲増進し、ビタミンB1の吸収を助け、疲労回復やイライラを防ぎます。玉ねぎは血液をサラサラにし、生活習慣病に効果を発揮します。生で食べた方が効果があります。

◎シンゲロン

ショウガの辛味成分。殺菌効果、発汗解熱、鎮咳、吐き気止め、血行促進、体を温めるなどの効果があります。

◎モモルデシチン

チャランチンゴーヤの苦味の成分。インシュリンと同じ働きをして血糖値の上昇を防いだり、血圧安定させる効果があります。血液中の中性脂肪やコレステロールを下げる作用もあり、ドロドロの血液をサラサラにしてくれます。またゴーヤはガン細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞を活性化させ、ガン細胞の増殖を抑えるといわれています。

◎リモネン

柑橘類の皮に多く含まれる香りの成分。ガン細胞の増殖を抑制します。

◎カロテノイド類、フラボノイド類、オーラプテン

柑橘類に含まれる抗酸化作用や抗炎症作用があります。

◎ペクチン類、オリゴ糖

柑橘類に含まれる。ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やして、腸内環境を改善し免疫機能を高めます。

◎βグルカン

きのこ類に含まれる。タンパク質と結びつくことで免疫力を高めます。ガン予防にもなります。

◎イオウ化合物

淡色野菜に含まれる。免疫システムを活性化させます。ガン予防効果もあります。

◎ポリフェノール

赤ワインで最近話題。ポリフェノールとは、光合成によってできた植物の成分です。色素成分や色の変化に関する物質が多いのが特微です。

色が鮮やかなもの、渋み、苦味のある食物に多く含まれています。 皮をむいて放置しておくと、リンゴやゴボウなどが茶褐色に変化するのも、ポリフェノール類が自身を守るために化学変化した結果です。 ポリフエノールには動脈硬化、糖尿病、がんなどの一因となっている活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があります。約4000種類あるポリフェノールですが、1種類を多くとるのでなく、色々な種類の食物からバランスよくとった方が良いそうです。

〈ポリフェノールの主な種類〉

・フラボノール(ブロッコリーに多く含まれる)

・カテキン(お茶、ワイン)

・クロロゲン酸(ナスに含まれる渋み成分)

・プロシアニジン(リンゴに含まれる)

プロシアニジンはガン細胞を死なせる効果がある。と弘前大で研究されています。

・ムチン(レンコンやオクラ、そば等の“ぬめり”成分)消化酵素の一つで、胃の粘膜を保護し、胃炎や潰瘍を治します。

さらに、便秘や疲労も改善します。糖尿病改善にも重要な成分です。

・セサミン(ごまに含まれる)ごまは薬効効果が高く、血液中の中性脂肪などを減らします。

・ムチンとサポニン(山芋のヌルヌル成分)

滋養強壮効果、夏バテ防止効果、老化防止など。縄文時代以前から食べられていた。

・その他ポリフェノールを多く含む食物

バナナ、柿、リンゴ、ゴボウ、春菊、ほうれん草、みつば、さやいんげん、玉ねぎ、ししとう、さつまいも

・ジアスターゼ(アミラーゼ)

タンパク質の働きで細胞は維持される。

アミノ酸・タンパク質は細胞や免疫物質の構成成分です。また、タンパク質は細胞の構造維持、増殖、運動、情報伝達、物質の輸送などに関与しています。 このようにタンパク質は免疫の働きを維持し、免疫力を高めるのに大きな役割を果たしています。また筋肉の成分でもあります。毎日の食事で、良質のタンパク質を取ることが大切です。

しかし、現代ではタンパク質や脂質の取り過ぎが数々の病気を引き起こしています。中高年の方は摂取量には充分に注意して下さい。

【タンパク質が含まれる食品】

豆類、大豆製品(豆腐、納豆,みそ)、卵、魚類、肉類

腸内の細菌のバランスを保つと免疫力が高まる。

腸内には数多くの細菌がいます。体調を整える善玉菌の乳酸菌やビフィジス菌、腐敗や発癌物質を作るウエルシュ菌や大腸菌がいます。善玉菌を増やして腸内のバランスを良くすると抗体が多く作られ、免疫を活性化します。 また、食物繊維は腸内の有害物を排泄してくれますので、腸内がきれいになって、善玉菌が増えてきます。食物繊維には血液中のコレステロールが増えないよう調整する働きもあります。

【乳酸菌を含む食物】

 ヨーグルト、乳製品、納豆、味噌、醤油、漬物

【食物繊維を含む食物】

ごぼう、イモ類(特にさつま芋)、豆類

・免疫系を刺激する多糖類

NK細胞の数を増やし、マクロファージを活性化させて免疫力を高めます。多糖類とは果糖やブドウ糖などが結びついたものです

【多糖類を含む食物】

きのこ(しいたけ、えのき、しめじ、まいたけ)、海藻

※タンポポエキスにも免疫に有効な多糖類が含まれています。