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NPO法人 東海つばめ学習会(無料塾)

シンポジウムレポート 木戸

2022.12.27 05:18

● 自己紹介

はじめまして、インターン生の木戸日向です。

金城学院大学生活環境学部の2年生で、家族生活・消費生活について学んでいます。

中学生の頃は、目標もなくただ楽しく毎日を過ごしていただけでした。将来のために勉強が必要と感じたのは高校に入ってからです。今思えばもっと将来のことを考えて行動するべきだったと後悔する所もあるため、そういったことも子どもたちに伝えたいと思います。

インターンに参加したきっかけは、高校の友人の家庭の経済的理由により大学進学を諦めた子がいたことです。彼女のように周りの環境により学ぶ機会を奪われた子たちに何かできることはないかと思い参加しました。

● シンポジウムを聞いて感じたこと

シンポジウムに参加する前は、無料塾は戦後、日本の経済発展の時代から続いているものと想像していましたが、今回お話を聞いて、最初の無料塾ができたのは、今から10年ほど前で、設立からまだ間もない団体が多いことを知り、大変驚きました。今年は新たに4つの団体が設立され、年々設立する団体が増えていますが、今はまだ全国に少しずつ支援が広がっている段階なのだと知りました。


● 印象に残った団体 

進学型無料塾Arkさんです。

この団体は、主催者自身が、元中野よもぎ塾という無料塾出身の生徒であり、大学進学後に団体を立ち上げたことを知りました。当事者であった彼だからこそ、子ども達の立場や目線に立つ事ができ、そして指導者として子ども達に伝え、導く事ができるのだと思います。

支援を受けた人が、支援を与える事のできる人になるまで育ち、次の世代へと繋がっていくことこそが、無料塾のある理想の形だと感じました。

また、無料塾は有料塾とは違い、進学のためにただ勉強を学ぶだけの場ではなく、人として成長できる環境を整え、社会に貢献できる人間性を育む場所であり、出会いの場であると思いました。


● シンポジウムに参加して、自分の考えに生じた変化

以前、私はNPOやボランティア団体をイメージする時の感覚として、社会人の大人の方々が運営する、堅苦しく、敷居の高いものだと感じていました。

しかし、シンポジウムに参加した団体の主催者の方々の肩書きは、会社員・学生・主婦など様々でした。そして、その中で皆共通していたのが、自分たちの周りにいる困っている子ども達の為に、少しでも何かしたいという想いでした。NPOやボランティア活動に必要なものは、スキルや経験、学歴ではなく、人を思いやる気持ちと行動力なのだと知りました。

そしてまた、NPOに参加するには志が高く、熱くやる気に満ち溢れている人でないといけないと思っていましたが、実際はそうではなく、皆が自分自身にできる事を、少しずつ行動に起こして成り立っているという事も知りました。


● 無料塾の課題について

シンポジウムで、多くの団体が抱える課題として、講師・運営ボランティアの不足や資金不足が挙げられました。これを解決するためには、まず無料塾の知名度を上げる必要があると考えます。無料塾の存在を知らない人、知っていても活動まで理解していない人は多くいると思います。私自身、インターンとして活動するまで無料塾の内容を詳しくは知りませんでした。そのため、SNSなどで活動内容や情報を発信することで、いくつもの窓口が開かれ、多くの人に無料塾が認知され、そして地域社会や人々の生活に密接に、より身近なものになっていけばと願います。

その結果、ボランティアの人員不足の解消や、引いては、支援を求める子ども達に対し、取りこぼすことなく救いの手を差しのべることにも繋がると思います。


● 無料塾の今後について

経済格差が失く、学力格差の存在しない将来が実現したとしても、無料塾はこの先も続くと思います。それは、無料塾には経済的貧困だけでなく、社会との繋がりや、助けを必要とする子ども達への支援をするという役割もあるからです。例えば、不登校な生徒に対し、学習面で学校や塾に復帰するまでの支援を行う事や、また両親共働き等の理由で、家に一人でいることの多い子ども達に対しては、多様な年齢・職業の人達と関わる機会を与える事で、人との繋がりや社会を学ぶ事ができ、また地域のコミュニティーとして必要な場ともなります。

この様に、社会の変化やニーズに対応し、形を変えながらも、無料塾はこの先も必要とされ、存在し続けていくと思います。


インターン1期生

木戸 日向