【Column】イヤホン選びで、ランと音楽がさらに良好な関係に
走っている間、イヤホンが外れてしまったり、ケーブルの引っかかりが気になってしまったことがあるひとは多いはず。今回は、その煩わしさが解消されるようなおすすめのイヤホンをご紹介する。
ランニングにおすすめのイヤホン
多くのイヤホンメーカーがスポーツ向けの製品をリリースしているが、家電量販店で簡単に手に取ることが可能な商品といえば、SONYかオーディオテクニカだろう。おすすめでいうとSONYは有線で「MDR-AS400」「MDR-AS400IP(MDR-AS400のiPhone/iPad/iPod用)」「MDR-AS200」、Bluetoothの無線接続で「MDR-AS800BT」「MDR-AS600BT」をリリースしている。SONYのスポーツ対応イヤホンは早くから、コードを耳の後ろに回すタイプの「耳かけ型」を採用している。耳かけ型は動いても外れにくく、ランにはもってこいだ。独自のブランドセンスによるビビットなカラーバリエーションも魅力的。
オーディオテクニカは「SONICSPORT」というラインナップで、Biuetooth対応機種である「ATH-SPORT4」、有線では「ATH-SPORT3」「ATH-SPORT2」「ATH-SPORT1」「ATH-SPORT1iS(スマートフォン用)」をリリースしている。
こちらも多くが耳かけモデルとなっている。注目すべきは、耳に入れる樹脂部分であるイヤーピース。オーディオテクニカのスポーツ向けイヤホンには通常のイヤーピースのほかに、「アクティブフィットイヤーピース」という外部音が聞き取りやすいよう表面に凹凸をつけたイヤーピースがついている。これを使えば、ランの間も周囲の音を程よく聞き取ることができ、街中を走る際も安心だ。
汗や水に強いイヤホンとは?
内部が細かい金属で構成されているイヤホンにとって、汗は大敵。それに、外を走っている最中に急な雨に見舞われることもある。
汗や雨にも強いイヤホンを探すのであれば、スポーツ向けのものを選択するのがベター。
汗や雨に強いひとつの基準にしてもらいたいのが、スポーツ向けとしてリリースされているイヤホンに表記されていることの多い「IPX5」「IPX4」といったもの。頭のアルファベット2文字「IP」は国際的な防水・防塵の保護規格で、「IPX」は防水のみを規格判定し、防塵についてはテストをしていないときに使用される。そこで「IPX5」は“防水のみ5級”を表していることになる。では具体的に「IPX5」「IPX4」はどれくらいの防水機能を備えているのだろうか? 「IPX5」は日本のJIS規格では“防噴流形”に当てはまり、“あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない”という防水の程度になる。「IPX4」はJIS規格では“防沫形”と表現され、“あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない”とされる。噴流や飛沫と言われてもピンとこないが、おおむね「IPX5」が一般的に言われる「完全防水」、「IPX4」が「生活防水」と考えられている。
また、素材選びややコーティングの方法といったメーカー独自の手法で汗や水への耐久性を高めているイヤホンもあり、スペックを見ただけでは推し量ることのできない部分がある。ほかにも、IPX表記がなくても汗や雨に耐久性があり、イヤーピースが水洗いできることを特徴としているイヤホンもある。ランニング用にイヤホンを探しているひとのなかにも、イヤーピースさえ水洗いができれば十分というひともいれば、できるだけ全体の防水を考えたいひともいるだろう。
自分がそのイヤホンをどのような状況下で使用するかを思い浮かべてみて、汗や雨に対して大きな不安があり、それなりの価格の物を購入しようと考えているならば、必ず店頭で詳しい説明を聞いてみるか、もしくはメーカーに直接問い合わせてみるのが、後悔しない汗や雨に強いヘッドホン選びの一番の方法だろう。
今回はおすすめのイヤホンや機能をご紹介したが、ここで挙げた以外にもランに適したイヤホンはまだまだたくさんある。ぜひ、実際に目で見て触って確かめて、あなたに最適なものを見つけ出してほしい。そうやってぴったりなイヤホンに出会うことができれば、ランと音楽の関係性はより良いものになっていくはずだ。
Illustration: Fujii Tomoko