キュッパのびじゅつかん
上野の東京都美術館で開催中の「キュッパのびじゅつかん-みつめて、あつめて、しらべて、ならべて」に行ってきました。
キュッパとはノルウェーの絵本「キュッパのはくぶつかん」や「キュッパのおんがくかい」に出てくる好奇心旺盛な丸太の男の子です。子供向けの絵本ですが、キュッパのようにいいなぁと思ったり、これは何だろうと興味を持ったりしたものは家に持ち帰ってきて机の中にコレクションを、といったことは多かれ少なかれ誰にでもある経験ではないでしょうか。
会場には専門的な収集の展示もありキノコのはく製などもずらりと並んでいたりするのですが、まるで100色色鉛筆のように色順で日本各地の砂を並べた展示は、今まであった砂の色の概念を崩すほどの多彩な色の展開にまず驚かされました。砂の採取場所も書いてあるのでついつい自分の出身地に近い場所を探しては「へぇ~こんな色なんだ!」と何重にも驚きがあって興味深かったです。
さてメインイベントは自分もキュッパのようにみつめて、あつめて、ならべてみようというコーナー。広い場内には沢山のモノがあちらこちらに置いてあり、ここから自分の収集箱に自由に集めて並べてゆきます。
子供の頃にはすぐに収集出来たと思うのですが、さぁどうぞお好きにと言われると何をどう集めていいのかちょっと戸惑いじっと箱をみつめてしまいます。
しかしながら自由に好きなもの、心の動いたものを集めることは理由もなく楽しいもので、初めは刺繍の物、カラフルな物、銀色の物などいろいろと箱に入れていたのですが、そのうち銀色と鉛色と氷のようなものが集まるようになり、そうなって来るともっとそれに似たものを、と夢中になること3,40分。ふと見るとすでに自分のコレクションを完成させた夫がぼんやり座っているのが見え、これ以上放置したら申し訳ない気がして、私のコレクションは「鈍い光色→銀色→透明」で完成にしました。
集めるだけでなく、小さな箱の中でもいろいろ並べ替えてみるのも楽しい作業です。 収集箱置き場には色んな人がそれぞれの感性で完成させた収集箱が並びます。箱それぞれについている集めた理由を読むとこれも楽しいです。ただ単純に自分が「良いな」と思う感性は大事にしたいものですね。
他の展示では一般客が「不要になった陶器」を展示してゆくコーナーもあり、私が観たときにはまだ4,5個くらいしかなかったと思うのですが、熊の置物的な陶器や大人っぽ過ぎて飾ることもできない陶器みたいなシロモノが並んでいくのかしら?と思ったらこれもかなり面白く発展するのではと期待を膨らませてしまいました。
<似合いの夫婦・・・?>
ちなみに夫の収集箱はこちら。
緑・・・それよりモアイ像みたいなフィギュア。私も一瞬コレクションしそうになったのですがやめていたのと、棚の下で比較的奥まったところに置いてあったので、夫婦してあれに気がついたんだと思うと少し可笑しかったです。