設計事務所の役割
今日は建物を建築する際、設計事務所はどのような役割となるのか?を書いてみようと思います。特に日本において、住宅の新築・改修などでは設計事務所を入れることはまだまだ少なく、大工さん(工務店)やハウスメーカーなどに依頼、直接やりとりすることが多いのではないでしょうか。
今回は私達のような意匠設計事務所が入った場合のお話を。
上の図は施主・設計事務所・工務店の三者の関係を表した図です。設計事務所が建物の設計を行うことは当然の話しなのですが、施主と工務店(施工者)二者だけの場合とどのように違ってくるか、簡単ではありますが書いてみようと思います。
A:まずは施主と工務店二者だけの場合、全ての打ち合わせは施主と工務店が行います。建物を建てる際、なかなか見えづらいですが、この場合でも建築士は必ず関わっており、確認申請や設計業務を行っています。(この場合、建築士は施工者の立場で存在していることが多いように思います)
B:では図のように設計事務所が入った場合、この関係がどうなるか。建物を建築する際に必要な専門知識を活かし、建物の計画、見積り査定・金額調整、工事監理、全てを施主の立場(施主の代理人)に立って業務を遂行することになります。簡単に書くと専門的な知識が無い施主とタッグを組み、施工者と対等に話し合える関係をつくります。図のように三位一体の関係ができます。
この三位一体(三者が対等)の関係が建物を建てる上で健全な状態と言えます。
このように設計事務所は、施主が建物を建てる上で必要な専門知識を有する総合窓口となります。この総合窓口が機能することで施工者にとっても工事を円滑に行う上で大切な指示系統が出来上がります。工事期間中に発生する追加や減額などのお金の管理・調整なども設計者が窓口となり、施主と工務店との間に問題が起こらないように機能します。
その上で、洗練された空気感やデザイン性を追求していきます。
施主、設計者、施工者がそれぞれ対等な立場でやり取りが出来る状態をつくること。住まいづくりを考える上で、一番始めに考えなければならない大切なこと。それはこのチームづくりではないでしょうか。