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Waiiha Picturesque

最終バス

2022.12.26 12:15

星空に手が届きそうな バス停あたりで

ポケットの中の辞書を強く握りしめている。

僕は、英雄達の残した言葉を心の中で

何度も、何度も繰り返す。


飛行機の赤いサインだけ 星屑を縫って 

オリオン座の近くを横切って消えていく。

僕は、すぐそばにある幸せの意味を知った。


僕は、粒子のような ちっぽけな存在だけど

僕は、水曜日生まれで悲しみいっぱいだけれど

今夜は、声にならないメッセージを送りたい。


あの人に会いたい。みんな元気ならうれしいな。

今は会えない友達だって、明日を見失わなければ

いずれ笑顔で再会できる。その日を待っている。


あの人に会いたい。記憶の中の昔に戻りたい。

お星さまになった愛おしい、みんなに会えるなら

僕は、銀河鉄道の改札口を探し出してみせる。


星空に手が届きそうな バス停あたりで

ジャケットの袖には、腕時計が月のように輝いている。

街灯の明かりを頼りに、時刻を確認する。

そろそろ「最終バス」が到着する。


赤いライトの最終バスに乗ると、僕の介護元年の

1年が終わる。

それでも、このまま僕が笑顔で過ごしていければ、

来年こそは、いいことあるかな。