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美的なるものを求めて Pursuit For Eternal Beauty

手のひらの光と色の宇宙 奇跡の茶碗「曜変天目」(12〜3世紀 南宋時代 作者不詳)

2018.04.12 14:09

 中国で「曜変天目」(ようへんてんもく)は、不吉の前兆として忌み嫌われ、すぐに破棄されたために、陶片以外は現存していない。わずかに破壊の手を逃れたものが、密かに日本に伝来したとする説もある。
 中国での陶片の出土状況から、南宋時代の最上層の人々に「曜変天目」が使われていたことが示唆されている。特に、漢民族の間では、「虹」を良く不吉なものとみなす伝統があった。このため、虹のように映る曜変天目は、忌み嫌われたようである。
 一方の日本においては、「虹」を大変美しいもの、やがて消えてしまう「儚いもの」に対する美を尊いと思っていた。年月を経て、今でも誰をも虜にしてしまうその深遠な青の輝き。
 「奇跡を生み出した神秘の宇宙」として、番組(テレビ東京放映 2017.10.21放映)は、
「曜変天目」を尊いものとして結んでいる。極上の茶碗とされているこの「曜変天目」であるが、来る4/24〜6/17にかけて「酒器の美に酔う」をテーマに一般公開が予定されているようだ。実物をとくと拝見し、その上での印象をまた綴ってみたい。