自分の頭で考える。
頭っていうのは本当に不思議なものです。
どう考えぬいても出来なかったことが、
時間が経つと分かるようになっていたり、
自然と知識として習得されていたり、
そういうことが平気で起こります。
多くの問題に触れていると、
関連する事柄の習得を機に、かつて
解いた問題との関連がつかめるようになって
自然と解けるようになっていた、という
そういうことが起こるのです。
何かが分かれば、何かが解けるという、
学習はそんな単純な方程式的なものでなく、
もっと複雑な知識のやりとりが脳内で
行われるようになって習得されて行くので、
それはかけてきた、考えてきた時間の量・密度が
ものをいうものなのだと思います。
塾は、決してコンビニエンスなものではなく、
学習もそう容易いものではありません。
”長い年月にわたって、人が考えないようなことを
熱心に好んで学べるような習性を持った、
そういう人間のものになる”ものです。
もう自分でも捉えられないほどの意味のつながりの中で
なぜかひょいと必要なものを拾い上げることが
できるようになり、賢くものを考えられる
ようになってくるのです。
うちは、小学生においてその点を完成させていくのが
目標となっており、”世界を取り込んでいく力を”を
コアメッセージとして発信していますが、
まさに、いろんな意味の連関の中に世界を取り込み、
思考のきっかけにしていけるような、
そういう賢さを追い求めて指導を続けています。
たった数回の定期テストで結果を出したくらいで、
本質的な思考力が変わるわけではありません。
定期テストの過去問を配って結果を出す塾も
あるようですが、そんなので本当の力が
ついたと生徒が錯覚するくらいなら、
猛勉強させても結果が出ない数ヶ月を経て
一気に実力がついたと実感できる結果が
出るまで粘ったほうが良いと思っています。
小6の子はベン図をたやすく使いこなしますが、
小3の時に、指定された範囲の内部にある
条件に合う図形を選択する、ベン図の理解への
橋渡しになるような領域がありました。
その領域ですごく苦戦をしていた小3時代を
過ごしてきた彼が、今は高度に整数の領域で
ベン図を使って容易に問題を解いています。
まさに2年、3年越しの成果だと言えます。
その時にどうであったかということは関係なく、
取り組み続けて達観できるくらいになってしまえば
次元の高い思考をもっと楽しめるようになり、
人はさらに成長を遂げていくのです。
自分で考える力を持つという意味で、
その習性を身につけていく意味では、
小学生期という重要性は計り知れません。