旅の始末 2 ~宿 篇~
旅の始末。2回目です。
モタモタモタモタしつつも広州で飛行機乗り換え、日付が変わる頃にバリ島のデンパサール ングラライ空港に到着です。
もうこの時点で、暑い!!!
この空港からウブドという街の宿までは30km。でもホントに真夜中なんで、これがインドだったら
『真夜中→適当にタクシー選んで宿までと告げる→適当なとこ連れて行かれてボラれる』
という魔のゴールデンコースが待っています。待っていることが、あります。
まぁインドネシアですしそんなことはないだろうと思うんですが油断はせず。
今回はもう事前に宿の方にタクシーをお願いして迎えに来てもらいました。
ホントに待っててくれてたしありがたいことです。
子供いるとね。もうここらへんは冒険しないのよ。
で、またここから真っ暗な道やら異様に人がいるところやらを繰り返し進み、なんとかウブドの街の宿に。
でも宿の人みんな寝てたよ夜中2時。。そりゃ当然か。中も真っ暗。なんにもわからん。
どういう宿なのかもわからん。
今回の宿はbooking.comというサイトで妻と娘がいろんな希望盛り込んだ上で探し出してくれたとこ。
ほんとにあの画像みたいなとこなんかなぁ?とこの時点では思ってましたわ。
寝てる人起こして「宿の予約取ってた者だけど部屋教えて」と伝える。
で、フラフラの人に付いてくと
「ごめん・・。予約の部屋、誰か使ってて、もう寝てる・・。」
ナ、ナヌダト?!
でも僕も大人になりました。
ここで昔なら怒り独楽のように怒ったのですが、
『ちょっとまって。予約入れてるんだからおかしいでしょ?他の部屋はある?』
と少しだけ(妻と娘もいるんだし大変な事になったらオマエの2年分くらいの寿命ムッちぎったるぞ)成分を匂わせながら交渉。
朝になったら予約した部屋と同じタイプのに変えてもらえる事になり、なんとかその晩は部屋の中で寝る事ができました。
僕は外のベンチがあったので番犬、いや、番熊のように外のベンチで寝ましたけど。
あ〜、チェックインとかまだしてないや〜とか思いながら気がつくと朝。。
朝、起きたらこんな感じでした。
敷地広くて、なんか高層階多し。。
バリ的装飾の多い建築です。しかもどう見ても手作業。
これ、絶対モノスゴい手間かかってんなぁ。。
植物にも溢れ、軒がそれぞれ空を切り取るような形になってて、陰影のコントラストが
なかなかいいですな。
朝になって、部屋は本当にあっさりとチェンジしてくれました。
あぁ、空いてて、よかった。
僕はこの旅の中でいったい何回『ようできてんなぁ・・』という言葉をつぶやいたのだろう。
部屋、この、入り口。
嘘だ。これ、セメントでの型起こしでしょう?とか思ったけど、やはり自然石の手彫り。
もちろん電動工具も使ってるけど。スゲェな。ホント凄いわ。
いろんな場所が、こうやって作ったヨ〜、ここはこうやって組んだヨ〜って聞こえてくる
くらい、アカラサマに手作り。うん、見たらわかる。
見たらわかるくらい誠実に作ってある。
日本の表面だけキレイで中が何使ってあるかよくわかんないポコポコした建築とは大きく
違う。
僕は、こういうのが好きだな。
窓もね、アルミサッシとかじゃないからちょっと劣化とか始まっててギシ〜とかいうんですけどね。
いいやん?直したら。直す人もきっといるだろうし。
それよりもやっぱりこの手作業の暖かさだよ。
部屋の中がなんか、いろんな呼吸が読み取れて楽しいもん。
いろんなとこに入ってる彫刻も、すごい。
きっと作ったのってこの国の国宝的存在の人、なわけないんだよ。
きっとそこらへんの人。そこらへんの職人さんが当然のような顔で
こんくらいできて当然だろう?みたいな顔して彫り物彫ってるんだと想像する。
日本だときっとそうはいかないだろうに。
部屋の洗面台。高さ800mmくらいで作ってある。
少し高め。でもなんかこれくらい高くていい感じもしたね。
ここは、なんとお湯が出るんだよ!!←意味がわかる人だけ分かってね笑
家具は観察するにほぼ釘による仕上げ。
釘隠しのダボを打つのが定番らしい。
釘でできてるのによく締まってるのはホゾ組みがしっかりしてるからなのかな?
そんなにぐらぐらしてない。まぁ、彫れる人たくさんいるんだからできて当然なのかな。
軽く書いてるけどけっこうもう、コワイコワイ。
己の技のなさに驚くばかりだ。
部屋の間にはコテージみたいな場所があって、そこには大きなソファー?ベンチ?みたいなのが置いてある。
ここが僕の毎夜の寝床となる。
このベンチも良い出来。眼でスキャンして、ブツ自体の形を脳内にコピーする。
すごくいい。IKEAに行ってもこういう感情は起きない。
ただし、これもIKEAと同じく、デカい笑
この宿は先述したけど高層型。
ちょっと登って宿の兄ちゃんにいろいろ聞いてみる。
このホテルはこの辺りで一番高い。まわりを見下ろせるから眺望もいい。いいホテルなんだ。
石はバリの天然石を使ってる。そして僕は木を彫る者だ
と言っていた。ここにいる人たちはスマートフォンを当然のように持っているので、作品の写真を見せてもらう。
若い宿の兄ちゃんかと思ってたけど、なんだよ!彫り師じゃん!
すごいな。。こういう感じで作り手がゴロゴロしてやがんぞこの国。。
兄ちゃん曰く
最近ウブドではどんどん木を切って建物を建ててる。
え?なに?民家もあるの?
いや、みんな、みんなホテルだ
そうなんかぁ。。
でも京都やイタリアで思う「景観」は守られてるね。
見た景色は安定してたもんな。
そしてプールにはクールな女の子来るしな!!
と兄ちゃんは言ってました。
新婚2ヶ月目だそうです。メチャ幸せそうでした。
いろいろ教えてくれてありがとさん。
そしてクールな女の子はいつもプールにいるのでした笑
今回は娘の旅の練習という意味もあるのです。
まずは割と難易度の低いバリから、と思ってやって来ました。
でもまぁ、いろんな難関はあるものです。
それを帳消しにしてくれたのがこのプール。
ほんと、プールあって、よかった。。。
そうそう、メモメモ。
バリのホテルは宿泊に朝ご飯込みのところがほとんどみたいです。
こんな感じの朝ご飯が毎回出ます。コーヒーか紅茶か、玉子の焼き方は目玉焼きか、
オムレツか、スクランブルエッグか?だけ伝えます。
ほとんど果物だけで腹一杯になるのがすごいな朝食!!と思うとこでしたね。
夜は、とても静か。
ホテルの人もすごく温和。
今までそんなこと考えもしなかったのだけど、宿に引きこもってる旅も悪くないよな、と。
なんで旅に来てまでまた忙しく動かなくてはならぬ?
そんなことを学べた旅のような気が今はしているなぁ。
肺にちょうどいい 湿度が満ちる。
妻ともいつもの様に話したり、笑ったり、相談したり。
裏庭にはバナナが実っている。
裏の家は、ゴッホ調みたいな壁が美しいのだった。
さて、最終日。
チェックインはまだしてなかった笑
大丈夫か?と思ってたけど、宿のホワイトボードには
「kousi tahara」
って書いてあって、一応認識してもらってたみたいだ。
名前は違ってるけど。
多分booking.comから宿に情報来てるからそれで管理してるのかもね。
今回は大人2人、子供1人の3名分x6泊で計算。
¥22,833 が宿代でした。(カード払いにしたので3%増しで¥23,517がラストプライス)
この設備、サービス含めてありがたい価格。
これくらいの感じの宿はウブドにはたくさんあるみたい。
またここにも来てみたいな。
ま、そんな感じで今回は宿のお話でした〜。。