咎人
【咎人 トガビト】
・【呪い】を受けた者の末路の姿。
・咎人は人であった頃の名前を忘れているので、
契約者から便宜上、仮の名前を貰う。
・バルムンクは、
中央に大きな一つ目を持つ咎人を『ヤナギ』
左右に四つずつ目を持つ咎人を『タチバナ』と呼んでいた。
・通常、魔獣を殺すと
その血肉に宿った 大量の【妖素】を浴びることになり、
【妖素中毒死】する。
これを『呪いで死ぬ=呪死』といわれる。
・しかし、ある【特殊な魔獣】を殺してしまうと
『呪死』では済まされない、強力な呪いにかかることになる。
・【特殊な魔獣】とは、【魔境】の深部に住む上位魔獣のことで、
【守り人】
【番人】
【狩人】
という上位三席の魔獣種を差す。
・特に【守り人】は、【魔境の主】とも言われ
大魔境の深部に必ず一体ずつ存在し、
魔境内の魔獣全ての長であるといわれている。
・その【守り人】への殺傷は、
ドラグーンにとってもハーディンにとっても 【最大の禁忌】とされ、
【絶対に傷つけてはいけない魔獣】として、交戦を禁じている。
・【守り人】を殺害してしまうと、
【守り人】に内包された恐ろしい濃度の妖素が溢れ出し、
新たな魔境がひとつ生まれると言われている。
・さらに、直接【守り人】に手を下した者には、
異形の者に変化してしまうという【呪い】が降りかかる。
そうして異形に変化してしまった者は
【咎人】と呼ばれる。
・【守り人】を殺し、【咎人】となった人間は
おぞましい醜悪な姿へと変貌する。例外は無い。
・眠ることも食べることも必要となくなり、
【呪い】が解かれるその日まで
永久に近い時を生きる運命にある。
・そして【咎人】となった者にとって、最大の苦痛となるのが
人であった頃の知性を、そのまま有し続けることである。
・ 死ぬことも、正気を失うことも出来ない【咎人】は
【呪い】の代償として得た膨大な魔法の知識と魔力を
時の権力者・あるいは優秀な魔法使いたちに提供することによって
【呪い】を解く者が現れるのを待ち続けている。
・【咎人】はその醜悪な姿と、底なしの魔力を有することから
うってつけの戦争兵器であった。
・ その為、過去の戦争にも多くの国が【咎人】を投入したが
【咎人】の力を利用するだけで 【呪い】を解く技量無し、
と判断された国は
逆に【咎人】によって滅ぼされた。
・【咎人】と契約出来れば強力な助っ人となるが、
信頼を失えば破滅が待っている。
そのリスクの高さから次第に 【咎人】を使役する魔法使いはいなくなっていった。
・ 近年では、もたらされる災厄の大きさから
【咎人】との契約は国際法で禁止となっている。
・ 【咎人】は、【十王】や【鬼神】の力をもってすれば
殺害できることが実証されている。
しかし、【咎人】が葬られた場は強力な瘴気を残し、
【魔境】へと変貌する。
・【咎人】は、【呪い】から解放されると 瘴気を残すことなく、
光となって消滅する。
・ しかし過去の歴史をさかのぼっても、
【呪い】を解くことに成功した魔法使いはわずかであり
バルムンクもその内の一人である。