才能と苦悩
2023.01.01 15:08
きっとわたしには 悲しむ資格すらない
わたしが剣を抜いた時
いつも必ず 誰かが死んだ
さっさとわたしが死ねばいいのに
殺される勇気も無かったわたしは
いつも必ず 誰かを殺した
わたしが作り出す死体の数で
賭けに興じる人々の声
断末魔の叫び
泣き声
泥と血の生臭さ
全てが嫌で 全てを無視した
その時 決まって降りてくる
頭の中の 恐ろしいほどの静寂と
凍えるような冥い沈黙が
全ての雑念を攫ってくれた
再び音が戻った時
そこは決まって
血の海だった