Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

「宇田川源流」 年初放談 昨年完全に外れて「国際社会の今年」を占う

2023.01.02 23:00

「宇田川源流」 年初放談 昨年完全に外れて「国際社会の今年」を占う


 年初放談二日目は「国際社会」について考えてみよう。

 この国際社会に関しても、やはりしっかりと外している。昨年の12月29日・30日に「令和4年の10大ニュース」を行った。昨年は日本のニュースでは「安倍元首相の暗殺」が、そして国際社会のニュースにおいては「ロシアのウクライナ侵攻」と「エリザベス女王の崩御」が予想通り大きな内容になった。

 逆に言えばば、このように多くの人がニュースとして選んでいるということは、それだけ「意外性が高い」「ニュース価値が高い」ということを思っているということになるのである。それはそのまま「起きるとは思わなかった」とか「まさか」ということが中心になる。つまり、予想しにくいということになるし、予想している人はそれだけ何か持っているということになるのであろう。

昨年の国際社会で言えば、2月24日のロシアのウクライナ侵攻ということは、全く予想できなかった。エリザベス女王の崩御に関しては、そろそろお年も召していたし、また、即位70年いわゆるプラチナジュビリーにおいても、一日出ただけで、ほとんどの内容を欠席していたことを見れば、「そろそろ」とは思っていたが、それでも「まさか即位70年の後のすぐに」とは思わなかった。特にトラス首相(当時)の任命を行いその訪問を受けた数日後に崩御の報せが来るとは思わなかった。準備ができていたとしても、やはり実際に起きるとなかなか大変なのである。

人間であるから寿命がある。しかし、女王に限ってというような非科学的な妄想もあったと思う。そのことから、やはり信じられないというようなことが大きいのではないか。しかし、イギリスだけに、エリザベス女王に対する「殉死」はなかったのではないか。あったのかなかったのかはわからないが、しかし、少なくとも報道はされていない。キリスト教というのは、自殺を戒めているので、なかなか殉死にはならないのではないか。

さて、この二つの事件によって、世界のパワーバランスは大きく狂った。

いいわけではあるが、このパワーバランスが崩れたことによって予想とは異なる内容になったのではないか。

 <令和四年の世界情勢の予想>

・ アメリカのバイデン政権も日本の岸田政権も「優柔不断」で決められない政治を行い、どんどんと決めてゆく中国の習近平やロシアのプーチンの思うように世界情勢が動いて行く。そのことに不満を感じるヨーロッパが、徐々に「対ロシア」(ウクライナ情勢やベラルーシ情勢)で人権問題を強く行い対立を強める。将来的にはその人権問題が中国に移されてロシアが妥協するようになるのだが、まだその段階ではない。

・ 中国は台湾進攻を予定した外交や軍事的ない圧力を強めるが、残念ながらアメリカは及び腰である。韓国は中国や北朝鮮に余った大統領が選ばれ、そのことによって東アジア情勢は、中国有利につながることになり、まずはアメリカと韓国や北朝鮮の間における問題がクローズアップされる。

・ 中東は、イスラエルの政権交代からイランとイスラエル・イエメンとサウジアラビアの対立が顕在化する。その中に世界の様々なところで「アメリカ型」「中国型」という対立が顕在化する。

 これが昨年の予想である。

 基本的にバイデン大統領と岸田首相が何も決められないということは当たっているし中国とロシア主導で世界が回るということはその通りであるかもしれない。同時に、「対ロシア」などで対立が強まったが、その前に、ロシアがウクライナに侵攻を始めてしまった。ロシアは、ある意味で「ウクライナを侵攻してしまったことによって世界と対立することになった」と言って過言ではない。しかし、「世界」といってもそうではない国も少なくない。国連の非難決議では、棄権した国などは少なくない。ロシアを支援してくる国は、中国・インド・トルコなどや旧ソ連、それに南米の国など様々な国が出た。つまり、ロシア側と、ロシアを非難する側、そして中立と三つのパターンに世界が分断されたことになる。特に経済制裁になったら、そのような状況になる。これが今回の内容になる。文案は進んだが、三つになるとは思わなかった。二分されたのではなく、三分されたのだ。はずれである

 二つ目、アメリカが及び腰であるから、中国が有利になるということはなかった。アメリカは及び腰ではあったが、同時に、中国も「ゼロコロナ」とその後の「ゼロコロナデモ」そして「ゼロコロナ廃止後の爆発的感染」によって、中国も動けなかったということになる。そのことから、中国有利の東アジア情勢にはなっていない。しかし、習近平の三選目によって、李克強など中国の中の良識派(習近平よりも良識があるという程度ではあるが)であまり戦争をしたくないというような人々がいなくなり、中国から完全に合議はなくなったということになる。つまり、中国は今後戦争に突き進む可能性があるということになる。もっと言えば、ロシアのプーチンと同じような立場に習近平がおかれたということになるのであろう。プーチン大統領のウクライナでの失敗を教訓に、自分たちは失敗しないようにするということになるのであろう。

 三つ目は中東についてである。この内容に関しては当たっているように見えるが、しかし、この対立は、ロシアのウクライナ侵攻によって全く異なる内容になったといえよう。まずは中東は、例えばトルコのように「ロシアには近しい関係だが中国とは対立関係」などがあり、サウジアラビアも「ジャーナリストのカショギ氏暗殺事件でアメリカと対立し、イエメンの件で中国とも対立している」というような感じになるのである。このような状況で、様々な対立関係があり、関係を問うことによってその状況が変わってくるということになる。対立は顕在化しているが、しかし、一方でその関係は複雑化するということになっている。

 ロシアがウクライナに侵攻したことによって、様々な力のバランスが変わった。ロシアとウクライナの戦争を鎮めるということと、どちらが正当化ということが中心になって行われ絵うことになる。そのことが最も大きな内容になる。このことは、まだ戦争が終わっていない状態では、今までと同じような関係になる。その上え、中国は台湾の軍事侵攻をする可能性があるということになる。このことは2020年からずっと習近平が主張していることであり、同時に、その習近平を止める勢力が三期目の人事でいなくなったということになる。

 さて、この流れで今年がある。間違いなく今年はまずは「ロシアのウクライナ侵攻がいつ終わるか」「中国の台湾への軍事侵攻があるのか」そして「中東はどのようになるのか」ということが中心になる。それにEUや、エリザベス亡き後のイギリスがどのように動くのかということになる。もちろん、その周辺のインドがどのようになるのかということもある。

 はっきり言ってしまうと、私は中国は2024年のアメリカ大統領選挙に合わせて台湾侵攻をすると考えている。もちろんそこに機会を合わせるというのではなく、もっとも影響力を行使できるようにするということになろう。間違いなく、一つの軸はアメリカ、一つの軸は中国である。ロシアはウクライナ侵攻がうまくゆかなかったことと、その経済制裁によって、大国から滑り落ちる可能性がある。そのロシアはプーチン大統領体制が続くが、それは「湾岸戦争とイラク戦争の間のイラクのフセイン政権」のような状況で非常に不安定で、なおかつ次の外征の準備段階のような形になるのではないか。問題はイラク戦争はアメリカとイラクであったが、ロシアはアメリカと戦うのかヨーロッパと戦うのか、あるいは中国と戦うのかということが非常に大きな内容になる。その分岐点が来年であろう。

 一方でこの流れをもう一つ大きく左右するのが「コロナウイルス」やそれ以外の中国発のウイルスということになる。あえて「中国発」と書いたが、中国が故意または過失で撒いた者ばかりとは限らない。ロシアや他の国(アメリカはないと思うが)が盗んでばら撒くことはありうる。

 これらの事から、今年の予想を考えてみよう。

 

<2023年の国際社会の予想>

・ 中国は台湾に対してだけでなく、アメリカ・日本に対しても工作を行いながら、サウジアラビアなど中東に大きな影響を及ぼし、徐々に支配を広める。アメリカは消極的な対抗しかしない状態で、徐々にアメリカが求心力を失う。

・ 中国・ロシア・イランが混乱状態にあり「雨降って地固まる」でより独裁的な政権がこれらの国でできる。問題はその独裁政権がどのように動くかということになるが、その分岐点がそれぞれの国で異なる。

・ エリザベス女王崩御の後のイギリスは、混乱はしないがしかし、それまでの「コモンウエルス」各国への求心力は失われる。このことが様々な旧大英帝国の崩壊と、そのはぐれた国々の中国への親近感につながる。

 ある意味で、コモンウエルスや民主主義と市場経済を行っている全体主義国の中で民主主義が徐々に「金属疲労」を興しているというような感じなのかもしれない。それをアメリカやイギリスの国民はどのように克服するのか、そして日本はどうするのか。資本主義原則で営利主義に動くマスコミをどのようにするのかということが大きな問題になってくるのではないか。実はそのような大きな問題ではないかと考えているのだが、その動きの中で、2023年にどのような動きになるのかが見えない。そしてコロナウイルスのような変更要件がどこにあるのかということになる。そこまではさすがに予想はできない。