ココロ の球
https://minamiyoko3734.amebaownd.com/posts/40393353?fbclid=IwAR2Gb5gSShX_lik3-WWGasUv_HT-Pmcy-afoIn_MdqDkK3mfEp_itC0WWPg_aem_AZzK8s4EdOcI7HlP4xHGJf77c3rBK0qLPeTvkvIyUmGc6VxlBTZKyElO_uHRuliN-lOQtsjB2nF_V5GKrmXUxTOU 【平和のモニュメント】
http://fukuejima.la.coocan.jp/hukue-zakkicho/19-kokoro-no-tama.html 【これだったのか…「ココロの球」…】より
以前から知りたいと思っていたことがありました。それは…。福江港・空港などに置かれている五島市の観光ガイドブックがあります。無料でもらえる小冊子で毎年改訂され、私も来島時にいつも入手しているものです。この中に福江島の地図がありまして、「鬼岳」のそばに「ココロの球」というものが表記されているのです。冊子にはそれ以上の情報は書かれていませんし、私が福江に住んでいた頃に聞いた記憶はありません
。福江在住の親戚もわからないといいます。はて、鬼岳の近くにそういったものがあったろうか?ということで、それが何かわからないまま数年が過ぎて2010年の春。私は鬼岳に来ていました。上の写真は、鬼岳の駐車場前にある建物です。私が子どもの頃にはなかったもので、「鬼岳インフォメーションセンター」という名で作られたようですが、それは名ばかりで実際はトイレと自販機、看板があるだけの無人施設です。鬼岳に登る時はこの前を通っていくのですが…そういえばこの建物の脇に、変わったオブジェ?のようなものがあるのです。
一部が切り取られた球体のようなものが向かい合っています。このオブジェのようなものについては、いつの頃からか知ってはいました。ただ、あたりに説明書きらしきものは見当たらないので、これが何なのかはずっと知りませんでした。特に関心も高まらないまま、きっと無駄なハコモノづくりの一部なのだろうな、と思うばかりだったのですが…そう、実はこれが「ココロの球」だったのです。
私はこの春、なぜか、このオブジェを初めて写真に撮りました。上の一枚だけ。そして、東京に帰ってから、これまたなぜか、「まさか、あれがココロの球では?」と考えてネットで調べた結果、そうであることがわかったのでした。そうかあ、これだったのか、「ココロの球」…。その正体は何なのかと言いますと、福江が市政40周年を迎えた年(1994年)に平和都市宣言が行われ、その記念としてつくられたモニュメントだったのです。
制作は造形作家の今井祝雄/いまいのりお氏。福江島出身の作家であり「めだかの列島」などの作品で知られる今井美沙子氏の夫でもある方とのことです(Wikipediaより)。
直径2mのブロンズ製、作家自身のコメントによれば、球体に空いた穴は遠方の島が見えるように作られていたり、球体の間で音が反響するようにしてあるなど様々な思考を凝らして制作されたもののようです。
全然、知りませんでした。今度行った時には、ぜひ試してみようと思います。しかし…知らなかったのは私だけではないでしょう。今のままでは観光客にも何一つわからないでしょうし、島民でもこれが何か知っている人は少ないのでは?
せっかく作ってもらったのですから、もっと大事にしたらどうかと思うのですけども。お金だってそれなりにかかっているのでしょう?その時に作ることだけが目的で、あとは野となれ山となれでは、あまりにも無責任だと思います。第一、アーティストに対して失礼もいいところではないでしょうか?
次回なにか頼んでも、これではやってもらえないですよ。せめてそれが何であるか、わかるように表示すべきです。球体表面には落書きがたくさんありますが、それが何かわからないから、一層助長されるのではないでしょうか。少し前、五島市は五島市歌をさだまさし氏に依頼してつくってもらいました。一説には1000万?払ったとかいう話も聞きましたけど、そんなにして作った歌がどれだけ大事にされているでしょうか?「ココロの球」と五島市歌、何か共通項があるような気がするのですが、いかがでしょうか。
http://www.hayakawayukio.jp/volcanology/c4.html 【4章 火山のかたち】より
火山は周囲より高まっているものが多い.その高まり(火山体)は噴火のときに噴出物が火口のまわりに積み重なってできる.爆発力が強いと,噴出物が広範囲に薄くまき散らされて,爆発源のくぼんだ火口だけが目立つことになる.きわめて多量の噴出物が放出されると,火口のまわりが大規模に陥没して巨大な凹地がつくられる.これをカルデラという.カルデラは山ではないが火山の一形態である.日本語の「火山」には山という文字が含まれているが,英語の
"volcano" に山の意味は本来含まれていない.火山の中には,同じ火道を使って何回も噴火する複成火山(polygeneticvolcano)と,それまで何もなかったところに新しく火道をあけて噴火を始め,噴火が終了するとその火道がすぐに閉塞してしまい,そこから再び噴火することがない単成火山(monogenetic volcano)とがある(表4.1).複成火山は大きくて複雑な火山体をつくるが,単成火山の火山体は小さくて単純である.単成火山はふつう群れをなす.複成火山の山腹や山麓に寄生して生じたもの(たとえば富士山の山腹に多数見られるスコリア丘)を従属単成火山群とよび,複成火山とは無関係に生じたもの(たとえば伊豆半島東部にみられる大室山スコリア丘・岩ノ山溶岩ドームなどの小火山群)を独立単成火山群とよんで区別する.独立単成火山群は,ひとつの複成火山に対応する単位である.
複成火山の中心火道は煙突状であるが,単成火山の火道は板状である.単成火山がひとつ地表でつくられたことは,地下で一枚のダイクが貫入したことを意味する.単成火山は,ダイクと地表面との交線である噴火割れ目に沿って火山体が並んだものである.このために単成火山は一方向に伸張していることが多い.二子山は溶岩ドームがこうして並んだものであり,箱根火山にその典型例がある.ただし噴火が長い時間継続した場合には,噴火割れ目の一ケ所に噴火口が集中してそこから多量のマグマが放出されることになるから,結果としては点対称に近い火山体がつくられる.
(1)マール・タフリング・タフコーン
マグマが地下水と接触して強い水蒸気マグマ爆発を起こすと,放出物が広範囲に薄くまき散らされる.爆発源には大きな(< 2km)火口がつくられるが,まわりの高まりは目立たない.このような火山をマール(maar)という.火口底が地下水面より低い位置にできると,火口の中には水たまりが生じる.秋田県男鹿半島の目潟はこの典型である(図4.1).マールの噴出物中には,マグマが地下深所から運び上げた超塩基性岩片がみつかることがある.
マグマと地下水の接触が非効率的だと爆発力が弱まって,できあがる火口の直径が小さくなり,また噴出物が火口のまわりにつくる高まりが目立つようになる.比高がやや大きいものをタフリング(tuff-ring),十分大きいものをタフコーン(tuff-cone)とよぶ(図4.2).タフリングとタフコーンは主として火山灰からなるから,表面に雨裂が生じやすく浸食されやすい.ハワイでは,玄武岩溶岩流が海岸に流れ込んだ場所で高温溶岩が海水と相互作用することによって,しばしば二次爆発が起こってリトラルコーン(littoral cone) がつくられる.
(2)スコリア丘
スコリア丘の表面は平滑な斜面で囲まれている.その斜面は傾斜を変えることなく直線的に大地まで達していて裾野を引かない.これは,粒子が斜面を転がり落ちてつくる崖錐斜面の特徴である.ストロンボリ式噴火でスコリアが空中高く放出されると,火口から一定距離はなれた円周上にもっとも多量のスコリアが着地し,それより火口に近くても遠くても単位面積あたりに着地するスコリアの量は少ない(図4.3).噴火が継続すると,その円周はしだいにドーナツ状の高まりとなり,ついにその傾斜は安息角(約30゚)を超える.これからあとに着地したスコリアは下方へ転動を開始して崖錐斜面の形成が始まる.噴火が数か月あるいは数年続いた場合には,スコリアの着弾域のすべてをのみ込んで崖錐斜面が成長する.静岡県伊東市の大室山や阿蘇カルデラ内の米塚(図4.4)はこうしてつくられた均整の取れたスコリア丘の典型例である.崖錐斜面は火口の外側だけでなく内側にも形成される.噴火中に内側斜面でときおり発生する斜面崩壊はすでに冷却したスコリアを大量に火口内に供給して,ときには火口を一時閉塞する.一般に,スコリア丘は玄武岩マグマの噴火でつくられる.
大室山はスコリア丘としては最大級であるが,それでも底径1000m,火口径300m,比高280mの小さな火山である.スコリア丘の火口径/底径比は複成火山である大円錐火山のそれより大きい.
スコリア丘形成の末期には揮発性成分を失ったマグマが火道を上昇してくる.マグマの密度はスコリア丘の山体の密度より大きいから,すり鉢状の火口内をマグマが満たして火口縁から溢れだすことはなく,スコリア丘と大地の境界面に沿って最大傾斜方向へ移動して,その裾から地表に湧き出して溶岩流となる(図4.5).そのとき,湧き出し口の上のスコリアの一部は溶岩流にのって浮かんで運び去られて,最大傾斜方向に開いた馬蹄形凹地が生じる.溶岩流に浮
かんで運ばれたこのようなスコリア丘の断片はスコリアラフト(scoria raft)とよばれる.
スコリア丘の内部は例外なく赤い.スコリア丘内部には空隙がたくさんあるから大気が奥まで入り込み,高温のスコリアがよく酸化されて赤くなる.大気あるいは大地に急速放熱した黒いスコリアで上下を薄く包まれた赤いスコリア丘はひとつの冷却単位を構成している.
(3)溶岩ドーム
一回の噴火の末期に,揮発性成分をほとんど失ったデイサイトあるいは流紋岩マグマがゆっくりと火道を上昇してくると,溶岩が火口から盛り上がってドーム状の高まりをつくる.これを溶岩ドームという(図4.6).玄武岩あるいは安山岩マグマの場合は,火道が閉塞しないかぎり,噴火終了後マグマはふたたび地下深所へ戻ってしまうから溶岩ドームはつくられず,火口が開口する.揮発性成分を保持したままのマグマが半固結状態で上昇してくると,できたばか
りの溶岩ドームが重力崩壊してプレー式熱雲が生じやすい.とくに噴火初期には警戒が必要である.
溶岩ドームの急斜面は不安定であるから,冷却に伴って少しずつ崩れ落ち,スコリア丘と同様の崖錐斜面を四周につくる.溶岩ドームの内部には,内側へ次々にマグマが供給されたことを示すタマネギのような縞模様がみられることがある.このような内成ドームに対して,マグマが上へ上へと積み重なってできたものを外成ドームという(図4.7).外成ドームの中には,長い休止期を挟んだ複数回の噴火でつくられた複成火山もある.雲仙岳1991-1994年噴火で観察されたように,溶岩ドーム形成の過程でマグマ噴出率が減少して,外成から内成に変化することもある.大地を押し上げながら上昇して,地表にマグマが露出しなかったものを潜在ドームという.一枚の岩盤が天を突いて高く成長すると溶岩塔(spine)とよぶ.
(4)大円錐火山
富士山のような大きな円錐形の火山を成層火山ということがあるが,すべての火山は成層した内部構造をもっているのでこの呼び名は好ましくない.ここでは大円錐火山とよぼう.大円錐火山は島弧にみられる複成火山の一典型である(図4.8).その底径は5~30km,海抜標高はしばしば3000mを超える.
しかしほとんどの大円錐火山は高い山を土台として生じているから,火山体自身の高さが1500mを超えることはまれである.中部アンデス山脈には,世界最高のネバド・オホス・デル・サラド(6885m)をはじめ,海抜6000mを超える火山が32もある.これらはすべて隆起した山脈の上に築かれた広大な流紋岩質火砕流台地の上にそびえていて,火山体自身の高さは1000m程度である.
大円錐火山では,中心火道に近づくほど堅牢な溶岩が占める割合が増すから,山頂に向かって傾斜がしだいに急になる.安息角を超えた山頂ふきんの急斜面はしばしば大規模に崩壊して山麓に岩なだれ堆積面をつくる.岩なだれ堆積面には流れ山が点在することが特徴である.大雨が降ると,土石流が放射谷を下って火山麓扇状地をつくる.ときには火砕流が麓まで達する.こうして,大円錐火山の山麓には緩傾斜面がつくられ,中心部の急傾斜面と合わさって下に凸
のなめらかな美しい山のかたちがあらわれる.関東平野の北端にある赤城山の長い裾野はこれら三者(岩なだれ・土石流・火砕流)によって構成されている.
ほとんどの大円錐火山には,山腹あるいは山麓に複数の寄生火山がみられる.玄武岩火山の場合はスコリア丘またはマール,安山岩火山の場合は溶岩ドームの形態をとることが多く,しばしば広域あるいは局所応力場の影響を受けて一定方向に配列している.大円錐火山が浸食されて山体内部が露出すると,そのような寄生火山をつくった噴火のときに地下でマグマの通路となったダイクがみられる.赤城山の西隣にある子持山では,そのようなダイクが中心火道の大
黒岩から放射状に何枚も広がっている.
(5)盾状火山
ハワイやガラパゴスにみられるような,上に凸の緩い斜面からなる大型の火山を盾状火山という.これらは,ホットスポットの活動によって海洋地殻の上に形成された玄武岩火山である.溶岩トンネルによって大量の溶岩が火山体の周縁部まで運ばれることが,盾状火山のかたちをつくる重要なメカニズムらしい.ハワイの盾状火山は,ひとつ一つが1万km3程度の体積をもつ.マウナロアは海抜4170mであるが,水深5000mの海底からそびえ立っているから,海底から測った高さは9000mを超える地球最大の火山である.ハワイの盾状火山は例外なく,山頂火口から2または3方向に伸びるリフトゾーン(rift zone)をもっている(図4.9).リフトゾーンとは,山腹割れ目噴火が集中する地帯のことである.このため,ハワイの火山の平面形は長円または角の落ちた三角形をしている.
一方,ガラパゴスの盾状火山は,山腹割れ目噴火が特定の方向に集中することがなくリフトゾーンをもたない.それだけでなく,山頂カルデラの周囲には環状割れ目群が顕著に発達するものが多い.火山の平面形は円に近い.その体積はハワイより一桁小さい1000km3程度である.このようなハワイとガラパゴスの違いは,ハワイの盾状火山をのせる海底が,高速拡大で生じたために起伏が少なく,また古いために厚い堆積物に覆われていて,その上にのった大き
な火山体が大地震のたびに滑って側方移動しやすいからであるらしい.アイスランドには,ハワイやガラパゴスの盾状火山を小型にしたような火山がいくつかある.その代表であるスキャルドブレイザーは直径10km,比高550m,体積16km3の,一回の噴火でできた単成火山である.
(6)カルデラ
どんなに激しい爆発でも,その結果として生じる火口の直径が5kmを超えることは考えにくい.しかし,これより大きい凹地形が火山地域の中心部に存在する.これをカルデラという.世界最大のカルデラはインドネシア・スマトラ島のトバ(100km × 30km)である.カルデラのまわりには大量の珪長質マグマが噴出してつくった火砕流台地が広がっている.カルデラは,大量のマグマを一気に地表に噴出したときにマグマだまりの天井が陥没してできたと考
えられている.このような陥没カルデラには,地下浅所での質量欠損を示す負の重力異常が観測される(図4.10).カルデラの地下は空隙が多い低密度の地層で充填されているらしい.屈斜路・支笏・洞爺・十和田・阿蘇・姶良などは最近数万年のあいだに生じたカルデラである.(それぞれの形成年代は6章のテフラの表参照)
カルデラ壁は急峻なために崩壊が生じやすく,年月の経過とともに後退して拡大する.阿蘇谷の北壁の大観峰ふきんの馬蹄型地形はこの好例である.谷頭浸食や崩壊によって拡大した火口を浸食カルデラと呼ぶことがあるが,噴火と無関係にできた凹地までカルデラとよぶのは好ましくない.榛名山や赤城山の山頂にある直径3km程度のくぼみをカルデラとよぶことがあるが,これらは激しい爆発によって大きく拡大した火口とみたほうがよいだろう.陥没が起こっ
たかどうか疑わしい.
玄武岩火山である伊豆大島とハワイのキラウエアのカルデラでは正の重力異常が観測される.カルデラ床を溶岩流が厚く埋めていることがその原因らしい.リング状の噴火割れ目が生じて,そこから大量のマグマが火砕流として噴出したあと,内部の地塊がほとんど壊れずにマグマだまりの中に落ち込んでできたカルデラがあり,バイアス型カルデラとよばれている(図4.11).北アメリカで多くの事例が知られているが,日本では,九州の大崩山カルデラが第三紀中新世につくられたこのタイプのカルデラである.
(7)洪水玄武岩台地
インドのデカン高原は,白亜紀から第三紀へ移り変わる6500万年前の一時期に100万km3の玄武岩マグマが流出したことによってつくられた広大な台地である.このような洪水玄武岩台地は,ほかにもシベリア・エチオピア・南米パタゴニアなどにある(表4.2).北米のコロンビア川流域の溶岩台地は,中新世につくられた地球上でもっとも若い洪水玄武岩台地である.その噴出源には,噴火割れ目を充填した平行ダイク群が残されている.洪水玄武岩の流出に要した時間は,本当のところ,まだよくわかっていない.大量のマグマが短い時間内に一気に流れ出たのだろうか,それとも休止をはさんで何度も流れ出たのだろうか.12km3の溶岩を流出したアイスランドのラカギガル1783年噴火を洪水玄武岩噴火の歴史時代における実例だと考える人もいるが,この1万倍以上のマグマを流出した洪水玄武岩の噴火はこれとは本質的に異なる性質だった可能性もある.
大洋底で新しいプレートを生産している海嶺玄武岩は,地球上の火山噴出量のほとんどを占めている.深海底で起こっているこの活動は洪水玄武岩の噴出と類似したものであると想像する人もいる.