「宇田川源流」【現代陰謀説】 ドイツクーデター未遂と二つの集団
「宇田川源流」【現代陰謀説】 ドイツクーデター未遂と二つの集団
今年も毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしてゆくことにしたい。まあ、実際の所毎日のブログも陰謀論に近いようなところにある場合も少なくないのであるが、しかし、まあ、この金曜日には、その専門の内容にしたいと思っている。それにしても、1月も「松の内」と言われる時期にすでに陰謀論をするとは思わなかった。
さて、様々な陰謀に関することをいつもは書いているが、今回はまさに「陰謀」と言われる部分を体現したかのような事件であったことから、その辺のことは無くしておこう。今回の事件は、12月初旬に、ハインリヒ13世なる人物が中心になったドイツのライヒスビュルガーと言われると言われる集団が「ドイツはディープステートという影の政府に支配されているために、正常な状況に戻さなければならない」ということを主張し、そして現在の政権を転覆させるということを目指したのである。
このことはすでに、12月のブログで書いている。その書いた内容には「陰謀論に騙された陰謀論者」ということを書いたと思う。まあ、私自身は「ディープステート」なるものを全く信じていないというか、その存在を見たことはないので信じることはない。また新z似ている人々は、なぜか「その出先機関」というようなものを攻める事ばかりであり、そのディープステートなるものを直接何かするというようなことは全くない。アクセスもしていないあたりがなかなか特徴的である。
キリスト教やイスラム教というような、一神教は「二元論」を使い、善悪に分類する。しかし、その代わりに「陰謀論」というか「神に代わるもの」というような存在として「ディープステート」なるものを使っているということになる。そのために、妖怪や幽霊と同じように「ディープステート」なるものが出てくると、その場で思考停止になり、神のお告げのようにいつの間にかそれに従わなければならないような状況になってしまっている。もっと言えば、「信じるか信じないか」というような二元論が出来上がってしまうということになるのである。
この「二元論的な陰謀論」がそのまま今回の事件を作るということになる。では「そのような「クーデターを起こさせる陰謀」は誰がしかけたのであろうか。
ドイツのクーデター未遂事件、当局が名指しした二つのグループ
ドイツで12月初旬、極右勢力のメンバーらによるクーデター計画が明らかになり、世界に衝撃を与えた。
捜査はなお継続中だが、事件に関連して、これまでに捜査当局が名指ししたグループ、あるいはムーブメント(運動・現象)が二つある。極右勢力の「ライヒスビュルガー(帝国市民)」と、英語圏発の陰謀論集団「Qアノン」だ。
「彼らは暴力によって、死に至らしめるリスクをとってでも『ディープステート』(影の政府=DS)たる(ドイツ)連邦共和国を転覆させ、自分たちが権力を掌握しようとしていた。彼らの計画の一つには、連邦議会を襲撃するというものもあった」
12月7日、ドイツのブッシュマン法相は、ツイッターにそう書き込んだ。投稿はさらに続く。
「アルコールを飲んだ後で、ばかげた話をするうるさ型はもちろんいる。ただ、今回の場合は違う。集団が暴力的な行動を取るという相当に強い疑いがあった」
連邦検察によると、逮捕されたのは25人で、12月15日時点でほかに29人が捜査対象になっている。ドイツ国内のほか、オーストリアとイタリアでも逮捕がなされた。
7日の家宅捜索の対象になったのは、ドイツの全16州のうち11州の130カ所以上。ドイツ連邦検察のトップ、フランク検事総長によると、3千人ほどの捜査員が動員されたという。
2022年12月27日 9時0分 朝日新聞デジタル
https://news.livedoor.com/article/detail/23447095/
さて、ドイツの中に出てくるのは「ライヒスビュルガー」と「Qアノン」である。
ライヒスビュルガーとは、帝国市民と訳されることがある内容である。彼らは「ドイツ第三帝国の崩壊を信じず、現在の連邦政府の正当性を認めない」と主張する集団である。この集団を「極右団体」というように言われることがあるが、そもそも「右翼」とか「左翼」というようなことをいう場合があるが、これは相対的な内容でありなおかつ、その国における主張の保守ということになるのであるから、そのような相対的な内容を言うこと自体が判断を誤ることになる。ちなみに、「中華人民共和国」の中において「保守」とか「右翼」ということを主張すれば、「毛沢東主義」ということにな「原始共産主義」のことをさす。そのようなことを考えれば、ここにある「極右勢力」という言葉を使うこと自体が、なんらかの印象操作であるということは見てゆかなければならない。
このライヒスビュルガーは不法に武器を所有しているとされ、ドイツ連邦憲法擁護庁は、約1万9,000人が加盟していると見ている。今回、この団体に参加する約50人のメンバーが、現在のドイツ連邦共和国を転覆させ、1871年のドイツ帝国に模した新国家「第二帝国」を樹立しようとしていたとしている。
一方Qアノンは、「Qクリアランスの愛国者」というハンドルネームのユーザーが、2017年から2020年にかけて、米国の匿名画像掲示板・4chanと8chanで行った一連の投稿したことから始まっていて、米国内の機密情報にアクセスできる「Qクリアランス」の権限を持つ政府高官であることを暗示するものとなっている。「Q」の投稿は、「世界規模の児童売春組織を運営している悪魔崇拝者・小児性愛者・人肉嗜食者による秘密結社が世界を裏で支配しており、ドナルド・トランプはこれと密かに戦っている」ということを示唆する内容となっている。
さて、今回は、もともとQアノンはもともと「ディープステート」というようにしており、そのディープステートに支配されているバイデン大統領に対してトランプ大統領がたたかっているということを主張している。そしてその主張が、そのままロシアのウクライナ侵攻にまで援用されている。ここで疑問は、ゼレンスキー大統領がディープステート側で、プーチン大統領が抵抗側ということになる。これらの場合は、ディープステート側が一つの集団になっており、それに反対する勢力が必ずしも一致しているというものではない。
さて、まさに陰謀論者二つが連携して起こしたということになる。ではなぜこのような内容がなぜ、このタイミングで起きたのか。そのことを解明していればよくなる。