入社時に求める要件/入社後、鍛えられる要件。
ちょっと前に、話題になっている記事がありました。
「エクセルを使ったお仕事」の入社試験問題を作ってみました デスクワークラボ
デスクワークラボさんが採用選考で使用しているエクセルのスキルチェックテストを公開されています。基本的な入力、計算、グラフの作成、初歩的な関数、ピボットテーブル、中級編の関数と多岐にわたっています。
応募要項に「エクセルが使えること」と書いてあって、面接で「ハイ、使えます」と言っていても、実際に採用してみたら実は全く使えなかったという笑えない話もあります。
という事態を避けるためというだけあって、非常に具体的です。ほとんどの企業が面接での問答か簡単なスキルチェックで済ませるところを、ここまで具体的な問題をつくるという点に採用の本気度を感じますし、こうやって公開して共有してくれるのも嬉しいですね。
この記事へのはてなブックマークの反応は主に以下の4つに大別できます。
(1)すごい、うちでもやってみよう
(2)細かいExcelのテクニックを知っていることよりも、このようなことを検索して調べて習得できるスキルや姿勢こそが重要では
(3)これくらいのExcelのスキルは教えればわかるはずだから、それ以外の資質を重視すべきでは
(4)Excel方眼紙とセル結合はクソ
で、思ったのが、この議論って、入社時の人材要件というものを考える上で非常に参考になるということ。別にデスクワークラボさんも(2)や(3)の採用への考え方も間違っているわけではないですよね。時と場合によるねというだけで。恐らくデスクワークラボさんでは、このようなExcelスキルを使用した業務のボリュームが多く、即戦力でないと困るからこのようなテストを恐らく行っているでしょう。
一方で以前、ヒトフレでも紹介した「採用学」には人材要件を考える時に自社で教育可能な要件の優先度は下げて、教育不可能な要件の優先度を上げるのがセオリーとあり、また一般的に入社後の教育で向上できない要件として「知的資質」「クリエイティビティ」「情熱」など先天的なものが挙げられています。「教えれば分かる」とか「検索できる」というのはこっちに近い気もします。
ただ「この程度、教えればわかる」程度の資質があるかをどう見分けるのか。「検索して分かればOK」というのを見極めるのに、何か一つのExcelの関数を調べることができれば、それでOKなのか、求めているのは、もっと総合的なITやなんやかんやへのリテラシーとそれを支える知識群なのでは。では、それをどう見分けるのか。というのは別の課題としてある気がします。そう考えると、やはりデスクワークラボさんの対応は現実路線で有効かなと思います。
いずれにしてもこの議論から見えてくる、入社時に求める人材要件として優先度が高いのは以下の2つということですね。
・自社で教育可能だけど即戦力として必要な人材要件
・自社で教育不可能でかつ必要な人材要件
ということで、自社の採用を見直す時に参考にしてみてください。
ただ、自社で教育可能なスキルや資質って、以外とわかってないというか、中にいると見えづらいですよね、、、。