作曲の流れ
個人的な作曲の流れについてまとめてみました。メロディーを先に作るイメージでまとめました。たくさん出てくる図は、左が五度圏で、右が鍵盤を1オクターブでぐるっと円状にしたものです。
まずはメロディを決めたいので、好きなスケールを選びます。順番に音を上がり下がりして(ド↑を1オクターブ高いドとしてドレミファソラシド↑シラソファミレドのようにして)、好きな雰囲気のスケールを選んでください。安定したメロディを作るコツとしては、一気に音を上下する時に安定した音に着地した方がメロディが安定しやすいです。(ドレミファソラシのスケールならドミソなど。)
迷ったら、右上のペンタトニックスケールがおすすめです。五度圏上でのまとまりが良いのでメロディが安定しやすく、五音しかないので自由度が高すぎず、黒鍵だけで弾けるのでわかりやすいです。後で白鍵にしたければ半音6つ分ずらして転調すれば全部白鍵のドレミソラになります。
大体のメロディが決まったら、伴奏を作っていきましょう。伴奏では、ドラムやベースなどでリズムや低音部分を支え、和音をつけていきます。ここでは主な和音を取り上げながら、特に和音について見ていきます。ドラムやベースもとても大事なので、基本的にはドラムはしっかりとリズムを刻むように、ベースはメロディを邪魔しないように曲の中心となる音を鳴らすように気をつけてください。(ウォーキングベースのようにあえてベースの音を細かく動かして遊ぶ技法などもありますが、基本的には和音の一番低い音をリズムに合わせて鳴らしていくのが無難です。)
和音についてですが、基本の和音は1音飛ばしの三和音であるドミソ、レファラ、ミソシ、ファラド、ソシレ、ラドミです。シレファ等、トライトーン(半音6個分ずれた和音)を含む和音は別で考えた方がわかりやすいのであとで説明します。五度圏上で、和音の中で一番左の音を中心の音とすると、ドを中心とした和音(ドミソ、ラドミ)がトニック、ファを中心とした和音(ファラド、レミファ)がサブドミナント、ソを中心とした和音(ソシレ、ミソシ)がドミナントとなります。トニックを中心に置き、サブドミナントやドミナントを経由していかにトニックに落ち着くかがコード進行の基本となります。特に、ドミナントからトニックへの解決感が強いことは覚えておきましょう。ドミナント(今はソが中心の和音)からトニック(今はドが中心の和音)への流れに関しては、ドミナントのドミナント(今はレが中心の和音)を先に挟むことでより強い解決感が得られることも覚えておいて良いでしょう。ただし、それ以上前の(五度圏上で2つ以上離れた)ドミナントを使っても遠すぎて分かりにくいので、それ以上は気にしなくて良いと思います。
また、ドミソ、ファラド、ソシレは明るいメジャーコード、レファラ、ミソシ、ラドミは暗いマイナーコードであることを意識し、上手く使い分けましょう。場合によっては、更に1音飛ばしで音を足して四和音のセブンスや五和音のナインスを作るとおしゃれな響きになっていいかもしれません。(ミとシは次の音のドとファが半音しか離れていないためナインスが使いづらいことに注意。)サスフォー系のコードを使って綺麗な響きを入れてもいいですし、オーギュメントを使って緊張感を出してもいいです。
ここで、トライトーンを含む和音についても話しておきます。トライトーンは強い不協和音なので、トライトーンを含む和音はトライトーンの音の半音隣にずれようとします。なので、進行を考える時は五度圏上ではなく、元々の鍵盤上で考えた方が分かりやすいです。また、既に強い不協和音であるトライトーンを含む和音なので、五度圏上でのまとまりが悪かろうが、他の音どうしで半音ずれてぶつかってようがそこまで気にしなくても大丈夫です。好きな響きの和音を使いましょう。例えば、ソのセブンスであるソシレファはシとファがトライトーンとなっているため、そこから半音ずれたドとミを含むドミソやラドミなどの和音に進行しやすいですが、五度圏上で向かいにあるため裏コードと呼ばれるド#のセブンスであるド#ファソ#シもシとファのトライトーンを含んでいるため、ソシレファの代用として使うことができます。
そして、曲の構成に関してですが、最初(Aメロ)のコード進行はサブドミナントかトニックから始めた方が無難です。(ファラド→ソシレ→ラドミ→ラドミなど。)ドミナントから始めるとそのドミナントをトニックと勘違いしてしまう可能性があるからです。
次(Bメロ)は、雰囲気を変えるために最初(Aメロ)と違う和音の始まりにした方がいいのと、安定感がありすぎると次に展開しにくいのでメジャーのトニック(ドミソなど)以外で始めた方がいいです。(ソシレ→ファラド→ソシレ→ファラドなど。)
そして盛り上がり(サビ)は自分の伝えたいことがしっかり伝わるように、好きなコード進行で作りましょう。一番自分の伝えたいことが伝わるコードから進行すればいいと思います。
今回は作曲の流れについてまとめてみました。和音は同時に鳴らさなくても、分散和音(アルペジオ)といってバラバラに弾いてもいいですし、そもそも和音無しでアカペラで歌うのも趣があっていいと思います。もちろん、基本を知っていた方がより楽しめるとは思いますが、その上で自由に楽しみながら音楽に向き合っていきたいです。