ダブルデッカー運行開始40年
はとバスが都内定期観光用にドレクメーラー・メテオール ダブルデッカーバスを3台導入したのは1982年の12月でした。1983年元日の定期観光コース運行開始に先駆けて、習熟運転や乗務員研修の為に都内で真新しいダブルデッカーが運行されているのを目にする機会もありましたが、とにかく角張った車両のスタイリングと、黄色ベースのボディに赤と黒のダイナミックなストライプが相まって格好良く見えました。特に順光の時はボディの艶がひときわ目立っていたように感じました。
いざはとバスのダブルデッカーによるドライブコースの運行が開始されると、3台のバスがフル回転したにもかかわらず、2階席のみでは間に合わず、1階席も含めて満員で運行される便が続出しました。当初はなかなか乗る機会が少ないダブルデッカーを手軽に利用できるように短時間のドライブコースが中心でしたが、人気が落ち着くと、降車観光を含むダブルデッカー使用コースが設定されるようになりました。
以来、はとバスは輸入車・国産車問わず各種ダブルデッカーを導入し、常に定期観光の看板車両として活躍してきました。この間、定期観光の看板車として異なるタイプの車両を導入した時期もありましたが、ダブルデッカーの人気は根強く、現在も定期観光用にバンホール製の最新型ダブルデッカー5台が看板車として活躍しています。また、通常のダブルデッカーの他に、ご存知の通りオープントップ仕様のダブルデッカー車両も5台在籍していますが、2021年には初の新型車両が登場し話題となりました。
実は、同じく1983年元日に京都でも京阪バスがダブルデッカーを使用した定期観光コースの運行を開始しました。同じ日に、はとバスと京阪バスが東西で「日本初のダブルデッカーによる定期観光コース」を運行開始しましたが、待望の気楽に乗れるダブルデッカー観光バスの登場として大いに注目を集めました。
【写真解説】
写真①
1982年に3台導入されたドレクメーラー・メテオールの1台。満席になる便も多く、大活躍しました。
写真②~④
1983年元旦から運行開始した「東京パノラマ(ドライブ)コース」ご乗車のお客さまに配布したマップ。表紙(写真②)と裏表紙(写真③)にはコース並びに車両解説が日本語のみならず英語、中国語、ハングル語で記されています。中面は運行ルートとなっていますが、当時のほとんどの都内人気スポットを車窓から楽しむことが出来ました。(写真④)
写真⑤、⑥
「東京パノラマ(ドライブ)コース」を子供運賃でご乗車のお客さまには下敷きが付きました。当初は当然ながら当時のダブルデッカーの写真が採用されていましたが、それ以降はいくつかのバリエーションがあり、一時期はバンホールの写真が使用されていました。(写真⑤)裏面は、制作時のはとバス車両のラインナップが紹介されていました。(写真⑥)やがて、この下敷きは他のお食事の付いていないコースに子供料金でご利用のお客さまにも配られようになり、2000年代まで続きました。