Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

RNP8380とRNC1773

2018.04.17 12:38

この手のサイトのブログは機材やプラグインについて書くのが定番のようで、私もよくプラグインレビューの記事を読んでいます。


そこで私も何か書こうと思い立ったのですが、定番の1176やPultecタイプEQの記事は世界中に山ほどあるので比較的レビュー記事が少ないFMR Audioのお気に入り2台について書きます。


1つ目はプリアンプRNP8380(上)


FMR Audio│RNP8380


公式サイトでは「倍音が豊かで太さやパンチ感のある」と書いてありますが、最近人気なゴリゴリ音を太くするプリアンプと比較するとそうでもなく、どちらかというと原音に忠実寄りな印象を受けます。


私がこれを選んだのはなんと言っても費用対効果、つまりコスパです。それと次に紹介するRNC1773との相性です。(相性についてはRNC1773のところで書きます)


まずコスパですが、市場で人気のある6~10万円くらいのプリアンプはモノラル1ch仕様であることが多いですが、RNP8380は2ch仕様です。

そもそもFMR Audioの思想が「20万円以上相当のハイスペック機を10万円以内で」ということもあり、クオリティは間違いなく確かなものです。


とはいえこの「10万以内で20万以上の質を」というのはRNC1773のレビューでグラミー賞を受賞したエンジニアLarry Seyerが「RNC1773は今までの$2,000のコンプレッサーも吹き飛ばしてしまうだろう!」と評したことが始まりで、それを逆にFMR Audioが思想として取り入れた感があります。

(引用元は公式ページで、下のRNC1773のところにリンクを貼っています)


なにはともあれ、この価格帯でこの質、更に2ch仕様というのは大きなアドバンテージです。

ファンタム電源はもちろん位相反転スイッチもしっかり備わっています。

Hi-Z入力もあるのでギターやベースを直接挿すこともできます。(私は使いませんが…)

ちなみにこのファンタム電源ですが、マイクやスピーカーなど周りの機材に負荷をかけないようゆっくり入るやさしい設計になっています。


ただ、難点もあります。まずXLR入力部が背面にあること、そしてメーターがないことです。

前者はまだ我慢できるとしても後者は残念です。「Sig +18 Clip」という3つのシグナルLEDがついていますが、それだけではレベル監視に心許ないです。


それからGAINが6dBずつのステップコントロールになっていることをデメリットとして挙げる方もいらっしゃいます。確かに2ch使ってステレオで録音するときに左右のレベルを揃えたくても微調整ができないという難点はありますが、それ以外では毎回確実に同じレベルでGAIN調整できるメリットもあるので何とも微妙なところです。


さて、次はRNC1773です。


FMR Audio│RNC1773


私が持っているのはEバージョンで、通常版よりオペアンプがグレードアップされています。


RNC1773は大ヒットしたのでレビュー記事も世にたくさんあり、今更私が書くべきこともないように思えますが、RNP8380とセットで使った時のことについてレビューしたいと思います。


まず先に画像を貼ります。(写真が見づらくてすみません)


下に挿してある2本はOUTPUTでインターフェイスに行っています。

上の2本はInsertですが、RNC1773をインサートする場合はY字のインサートケーブルではなくTRSフォンケーブルが使えます。


通常はY字のインサートケーブルでプリアンプのInsetからコンプの各チャンネルのIN/OUTに挿すところ、RNP8380とRNC1773の組み合わせですとこのようにTRSフォンケーブルで済むので結線が楽ですし、何よりとっ散らからなくてよいです。ちなみにYケーブルでも接続可能のようです。


この組み合わせは本当に素晴らしいですね。音がとても活き活きして迫力もでます。


レコーディング後にDAWでプラグインのコンプをかけたりするのでアウトボードのコンプは必要ないのではないか、と思われがちですが録音時に薄くかけ録りしておくと後の処理が楽です。モニタリングする音も聴きやすくなるので歌も歌いやすくなります。

録る時点で軽く均しておく程度で、素材にもよりますが通常2~3dB、ピーク時に4~6dBのリダクションがある設定をします。


このコンプは「Super Nice」モードというのがあり(若干名前があれですが)、余程の理由がない限り私はこれを必ずオンにしてレコーディングします。すると結構深めのリダクションをかけても劣化が少なく自然に圧縮がかかります。


であればレコーディングに深めにかけてもいいのでは、という疑問が出るかも知れませんがそれはお勧めできません。後戻りできませんからね。あくまでレコーディング時は軽く均す程度です。


こちらもRNP8380同様、機材による音の色付けはありません。そういうものを求めるのであれば断然1176ですね。FMR AudioではRNLA7239やPBC-6Aがあります。


FMR Audio│RNLA7239

FMR Audio│PBC-6A


色付けによりグッと前に出るボーカルや力強い太いベースが欲しい場合はPBC-6Aが良さそうですが、私は使ったことがありません。機会があれば導入したいとは思っています。


さて、以上になりますが、初めてのレビュー記事いかがだったでしょうか。


RNC1773は3万円前後で買える非常に安いステレオ仕様コンプですが、その実力の高さに大ヒットしました。初めてのアウトボードに悩まれている方には強く推せます。


プリアンプは歌ってみたなどのボーカルの録音だけならFOCUSRITEのISA One Analogueなどの人気プリアンプがよいかも知れませんが、楽器も録る(特にステレオ録音)予定があるのであればRNP8380もお勧めします。

ちなみに歌の録音であればプリアンプにこだわるのもいいですが、マイクにも強くこだわってみてください。これは良い悪いというより声に合う合わないがありますので試用できるお店に行くことをお勧めします。


最後にサウンドハウスさんのURLを貼っておきます。

RNP8380 | サウンドハウス:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/38579/ 

1176LN | サウンドハウス:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/80674/ 

RNC1773 | サウンドハウス:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/38576/ 

RNC1773E | サウンドハウス:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/152260/ 

RNLA7239 | サウンドハウス:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/38578/ 

PBC-6A | サウンドハウス:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/135927/ 

ISA One Analogue | サウンドハウス:https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/127102/