[宇宙と人類3]JAXAとNASA
みなさん, こんにちは.
前回の連載が滞っていました...><
今回の連載は「JAXAとNASA」です.
今までの記事で散々JAXAとNASAの名前が出てきていたのに何も解説していませんでしたw
本記事では, JAXAとNASAの成り立ちとそれぞれの機関でイケてる人工衛星をご紹介します^^/
Outline
1 JAXA
2 JAXAのイケてる人工衛星
3 NASA
4 NASAのイケてる人工衛星
5 まとめ
1 JAXA
JAXAとは, 日本の宇宙の研究開発拠点です.
2003年に合併し, 現在のJAXAができました.
統合した理由は, 宇宙を探るために3つの組織が独立して動いていると連携が取れず, 分野によっては同じテーマをやっていても二度手間になってしまうことがあり, そのような状況を打破し, さらなる高みを目指すためでした.
ISS(国際宇宙ステーション)の計画がスタートしたのが1980年で, 建設が始まったのが1999年であることを考慮すると, なんとも絶妙な時期に合併したことがわかります.
しかし, 最初は難しいものがありました.
合併当時, ロケットの発射に失敗するなど, 成功に恵まれず, 三団体の足並みが揃いませんでした.
それから15年経った現在, JAXAの功績は目を見張るものがあります.
ロケット打ち上げや人工衛星だけでなく深宇宙探査など, JAXAがもともと三組織から合併したという過去を感じさせません.
これからの日本の元祖宇宙研究開発機関であるJAXAに大きく期待です.
2 JAXAのイケてる人工衛星
前章ではJAXAが三組織を統合してできた組織であることを述べました.
本章では, これまでJAXAが宇宙へ送り込んだ数多の人工衛星の中から, 厳選した2つをご紹介します.
はやぶさ1号/2号
数年前, 書籍化映画化された人気衛星ですね.
はやぶさをご存知の方も多いのではないでしょうか.
ここではやぶさのプロフィールを^^
目的: 小惑星イトカワから地表のサンプルを回収し, 地球に持ち帰ること
動機:
サンプルを地球に持って帰るのは月以外成功していない.
→もしサンプルをイトカワから持ち帰ることに成功すればたくさんの発見があるかもしれない→やってみよう!
難しかったところ:
技術の限界と計画の乖離. はやぶさは最新技術が詰まった人工衛星でした. しかし, はやぶさを宇宙まで運ぶロケットの性能のために, 当初予定していた小惑星を止め, イトカワに変更しました.
私が推しているワケ:
はやぶさは書籍化されたり, 映画化されているように, ドラマ性のある人工衛星です. 全ての人工衛星およびロケットにはたくさんの人が関わり, それぞれに濃ゆいドラマが隠されていますが, 何よりも, はやぶさは一度操縦不能になっていました. そこから地球にいる関係者が諦めずにはやぶさに呼びかけ続け, よようやくミッションを遂行することができたのです. さらに, 以前宇宙が大好きで 宇宙飛行士になりたいという男の子が言っていました.
「ぼくは, はやぶさみたいな人工衛星を作るんだ」
(宇宙飛行士はその応募条件に理系であり, 勤務経験があることが条件なのでどちらも実現可能!!頑張れ!!)
素敵なドラマとSuper Coolな最新技術の掛け算!!
最高です></
かぐや
かぐやは2007年に打ち上げられた月を探査するための人工衛星です.
かぐやという名前は公募によって選ばれました.
竹取物語からとっているそうで, いい名前ですね^^
かぐやはどんなことを探査したのか:
月の表面の元素組成や地形, 地下構造, 磁場, 重力場
私がかぐやを推すワケ:
月は地球の唯一の衛星であり, もっとも近い星です.
そのため, 宇宙開発競争の時代(詳しくは前回の記事)アメリカなどがすでに調べていました.
「月は調べつくした」
そんな雰囲気が流れる中, 月を再探索したのがJAXA.
かぐやがもう一度月を調べたことにより, 新たな事実が得られました.
例えば月の表面からウランを発見. ウランは原子力発電の燃料なので, Moon-lifeへ一歩近づきますね.
もう一つ理由があります.
かぐやにはNHKのハイビジョンカメラが搭載されました.
月には大気がないので, 漆黒の宇宙に太陽光が反射した青々しい地球のコントラストを撮影することに成功しました.
JAXAが月に帰ったかぐや姫を連れて帰ってくるのも時間の問題ですね()
3 NASA
NASAは, アメリカの宇宙開発研究をしている政府機関です.
宇宙開発競争時に旧ソ連にリードを許してしまったアメリカは, 自国の宇宙研究開発の機関を統一し, それぞれに連携を持たせることで遅れを取り戻そうとしました.
統一前は, 陸軍 空軍 海軍でそれぞれ宇宙開発をしていたため非効率でした.
統一後, アポロ計画やスペースシャトルなど宇宙開発史に大きな偉業を成し遂げています.
4 NASAのイケてる人工衛星
NASAは世界トップレベルのリサーチ大学や大学院, 研究所の技術者を集めて日々様々なプロダクトを生産しています.
その中でも人目につきやすいのがロケットや人工衛星です.
ボイジャー
ボイジャーは1977年に打ち上げられました.
目的: 太陽系の遠くの惑星(木星より遠方)を撮影観測すること
推し:
読者の皆様が理科の教科書で見た木星の写真や天王星の写真はだいたいボイジャーが撮影しました. もし宇宙人が地球に生命体がいることを確信するとしたらそれはボイジャーという人工物でしょう. そのくらい遠くまで行きました. 宇宙は広く, 太陽系はその広大な宇宙に比べたらちっぽけな存在です. しかし, 人類にとって太陽系ほど身近で謎に包まれている系はないでしょう. ボイジャーが今からおおよそ40年前に打ち上げられたことを考えると, 当時の技術力の高さや正確丁寧な管制にもはやため息が出てしまいます.
COBE (コービー)
これは少しマニアックな人工衛星です.
「宇宙の始まりってどういう環境だったんだろう?」
という問いに立ち向かうために様々な理論が構築されました.
その中に, インフレーション理論という理論があるんですが, その理論をサポートする観測結果を出したのが, このCOBE.
少しインフレーション理論の説明を^^
みなさんはビッグバンという言葉を聞いたことはありますか?
(K-POPのグループじゃないですw)
宇宙はビッグバンという火の玉から始まったという理論です.
でも, どうやって火の玉ができたのか...
これを説明する理論の一つにインフレーション理論があります.
ものすごく短い時間に一気に宇宙空間が膨らんで, その膨張のために火の玉になった, という理論です.
インフレーション理論が合っていることを証明するためには, 宇宙の始めの時期がとても熱かったことが観測できることが必要です.
COBEは宇宙の遠くを観ることで, 宇宙の初期が熱かったことを観測しました.
非常に大きな観測材料となったCOBEのデータ.
宇宙論(Cosmology)を発展させ, 「宇宙の始まり」の謎の解明に近づきました.
今後, さらなる観測結果に期待です^^
5 まとめ
JAXAもNASAも複数の組織が合併してできました.
宇宙という広い空間を探るためには多角的に観察し謎を紐解いていく必要があり, 三組織が連携したことにより, 現在の宇宙研究開発まで発展しました.
さらに, それぞれの組織がこれまで打ち上げてきた人工衛星は, 私たちの生活を支える衛星だけでなく探査衛星など, 打ち上げからミッション終了までドラマがあります.
日米の宇宙開発は時代とともに変化し, 発展を遂げています.
今後の宇宙開発に注目です^^/
カセイジン
写真: JAXA デジタルアーカイブスより