キッチン(I型→対面式)リフォーム現場管理のポイント~内装工事、設置工事・完了
現場に毎日行けない!だからこそ、行くタイミングが大切!
リフォーム現場管理はココがとっても重要!
壁付けのキッチンを対面式のキッチンにする工事は、施工範囲がダイニングやリビングにも及ぶため、照明やスイッチなどの位置の変更や、広範囲の内装も伴う工事だ。図面だけではわかりにくい箇所もあるため、現場での確認作業が重要となる。また口に出さなくても工事に不安を抱えている施主は多い。トラブルを生む前に先手のケアを意識しよう。
《内装工事》
壁撤去部分などの不陸に注意
CFシート、天井・壁クロスの下地を確認して、凹凸の目立つ部分や石膏ボードの補修部分にパテ塗りをして不陸調整をします。特に壁を撤去した部分に注意します。対面キッチンにすることで視界が広くなったり、クロスの色柄が変わることで、それまで気が付かなかった不陸が目につくこともあります。クロス職人だけではなく、複数の人の目で確認しましょう。
【ココが大事】
- パテの補修で不陸調整ができているか。
- クロスにしわやめくれなどがないか。また突き付け部分に隙間がないか。
- カウンターまわりのクロスやCFシート、ソフト巾木は丁寧に仕上げられているか。
【施主はココが不安】
“床に段差ができているけど、つまずかない?”
「キッチン側のCFシートの厚みとダイニング側のフローリングの厚みの差で1センチほどの段差ができてしまいますが、つまずかないように斜めの見切り材を入れますのでご安心ください」
→既存のキッチンの床材がダイニングと同じフローリングで仕上がっていたお宅では、キッチン側をCFシートにすることでダイニング側との間に段差ができることに不安を抱く方もいらっしゃいます。斜めの見切り材を実際に見ていただき、バリアフリー対応だと説明すると安心されるでしょう。
【くりっきーの体験談】「どこまで天井?」
マンション内装工事で、クロス屋さんから「どこまでが天井クロスですか?」と聞かれて困ったことがあります。天井と壁の境にある梁を天井用のクロスで張るのか、壁用のクロスで張るのか決まらないとクロスを発注できないということでした。LDKの室内は複雑に梁が入っています。既存のクロスは天井も壁も同じクロスなので、このような問題はなかったんだろうなあ…と思いつつ、お客様と急ぎ打ち合わせをしました。
クロスの色や柄(縦縞や大きな柄など)により、張り分けに違いがあるかと思いますが、このようなことが無いよう、マンションで天壁に違うクロスを選ぶ時には、張り分けの位置を事前に決めることを忘れずに。
《設置工事・完了》
保証書などを紛失しないように
キッチンパネルを施工範囲に取り付け、キッチンを施工要領を確認しながら設置。レンジフードは換気扇ダクトと接続します。壁と器具の隙間にコーキングを打ち、各所の確認をします。電気機器の試運転では異音にも注意を。給排水管の水漏れを入念に行います。保証書や取り扱い説明書などをとりまとめ、引き渡しの準備をします。床材にワックスを塗る場合は、乾くまでほこりが立たないように注意します(事前に床材がノンワックスの材料でないことを確認します)。
▲食器洗い洗浄機はアースの接続も忘れずに
【ココが大事】
- 外壁面に取り付ける防雨フードはしっかりビス留めされているか。また壁との隙間はシーリングで止水処理が施されているか。
- 電気器具はすべてのスイッチをオンにして、作動不良がないことを確かめる。
- 水漏れが無いか念入りにチェックする。
【施主はココが不安】
“キッチンの引き出しに取り扱い説明書がいっぱい入っているけど、勝手に取っていいのかしら”
「取り扱い説明書のほかに保証書なども入っていますので、引き渡し時にまとめてお渡しします」
→キッチン設置後、職人さんは添付されていた書類を紛失しないような安全な場所に格納してくれます。格納場所としてよく使われるのがキッチンの引き出し。書類は、取り扱い説明書のほかに保証書、施工説明書、食洗機用洗剤のサンプル、施工時に使用しなかった部品等とさまざまです。換気扇や食洗機、コンロの他にも、水栓金具、照明器具、キッチンパネル、床下収納庫、フローリング材などと量も多く、中には、お客様には必要がないものもあります。担当者は引き渡し前にこれらを整理しておく必要があります。わかりやすくファイリングするとお客様も喜ぶでしょう。
リフォマガ2022年3月号掲載
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