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書肆翠

贈答歌

2023.01.08 01:00

書作品を書こうかな、と思ったけど結局書かなかった歌。


贈歌

《紀女郎》

昼は咲き夜は恋ひ寝(ぬ)る合歓木(ねぶ)の花(はな)君のみ見めや戯奴(わけ)さへに見よ

 

(現代語訳)

昼に咲いて、夜は恋いつつ眠る合歓(ねむ)の木の花を、家のあるじだけが見ていていいものでしょうか、あなたも一緒に見ましょう。


答歌

《大伴家持》

我妹子(わぎもこ)が形見(かたみ)の合歓木(ねぶ)は花のみに咲きてけだしく実にならじかも


(現代語訳)

あなたが送ってきた形見の合歓の木は、花ばかり咲いて、たぶん実はならないのでしょうね。

あなたのお気持ちは口先だけで本気ではないのでしょう。 

出雲