虚心坦懐(きょしんたんかい)
邪念を持たなければ、騒がしい世間でも気楽に過ごせる。
1 虚心坦懐
虚心坦懐とは、何の疑いやわだかまりが無い素直な心で人や物事に対すること。
つまり、素直な気持ちを云う。
それは、
【仏心】
〇邪念を抱かず、無心になり、徳を積む
【悌順(ていじゅん)】
〇他人と争わない誠実な振る舞い
にも通じる。
よって、【虚心坦懐】とは、
〇人を疑わず、誰とも仲良くし敵を作らない。
〇意地や見栄を捨てて、人と争わない。
と言うのが目的である。
2 論理的思考は人を追い詰める
・「何故(なぜ)?」
・「どうして?」
と責めるより、優しく見守る
・「きっと(大丈夫!)」
を使おう。
論理を押し進めても、やがて眉唾(まゆつば)になる。
理屈より情念が大事。(武士道精神)
(例)
「風が吹けば桶屋が儲かる。」(諺)
①風が吹けば、ホコリが舞う。
②ホコリが舞えば、目を悪くする人が出る。
③目を悪くする人が増えると、その中から三味線弾きが増える。
④三味線弾きが増えると、三味線が売れる。
⑤三味線が売れると、猫の皮を使うので街中から猫がいなくなる。
⑥猫がいなくなると、ネズミが増える。
⑦ネズミが増えると桶がかじられる。
⑧桶がかじられると、桶が売れ出す。
※よって、桶屋が儲かる。
しかし、風が吹いて桶屋が儲かる確率は、ごく僅か!
つまり、論理を2~3以上進めると眉唾になってしまう。
よって、素直な気持ち(虚心坦懐)で、
〇物事の先読みをせず
〇物事の裏読み(猜疑心)をせず
〇物事を額面どおりに受け止めること
が大切である。
3 結論(どうすればいいの?)
何度でも伝える!
【ABC理論】
A:当たり前の事を
B:バカになって
C:ちゃんとやる
※単純ですが、この高尚なABC理論【認知療法】が本当に有用です。
若い世代の人は、社会に出ると理想と現実の違いに気付きます。
差別を感ずる事も多く有ります。
世の中の正義が、道徳や法律を無視して「都合の良し悪し」に流されては秩序は乱れます。
自己主義やエゴイズムが蔓延しては、未来に希望を抱けなくなります。
・人が見ていなければ万引きも出来る。
・他の車がなければ信号無視が出来る。
その認知(B)は、「負の学習」なのです!
「正の学習」=(B):バカになる認知
とは、理屈(都合の良し悪し)ではなく、
〇そんな悪い事をすれば
・親が泣く
・先祖の顔に泥を塗る
・お天道様が見ている
という情念に基づく正しい精神です。
〇信号無視をすれば
・1トンの鉄の塊が人間の体を破壊する
と云うのが「正の学習」です。
法律に違反するからー
ではない!
※大切なのは必然ー
ゲーテ曰く
「法の力は強いが、必然の力はまだ強い。」
〇嘘を付いてはいけない
〇卑怯な事をしてはいけない
当たり前のこと程、法律規制を免れる。
しかし、当たり前の事は、
バカになって
ちゃんとやるのが
当たり前(必然)。
※嘘や卑怯な事はせずにー
必然こそが、
情念に基づく正しい精神。
古民家ギャラリー懐古庵の庭には、哲学者カントの石碑があります。
その強いメッセージが次の写真です。
正義がほろびるなら、人は、この世界に住む必要はない。
カント
虚心坦懐(きょしんたんかい)とは、
・人を疑わず、誰とも仲良くし敵を作らない。
・意地や見栄を捨てて、人と争わない。
それは、
【悌順(ていじゅん)】
〇他人と争わない誠実な振る舞い
【仏心】
〇邪念を抱かず、無心になり、徳を積む
に通じる正しい精神です。
懐古庵主