心を聞く虎と愚者
みんなが大きな階段で
陣を組んで走ったりしてる。
組体操をちょっとオシャレにしたようなどうも流行りに乗っかって
リア充っぽい感じがして苦手だった。
もともと、元いた場所に
嫌気がさして抜けてきたのに、
「また嫌なところに来てしまった。」と思った。
それが終わると最後に
綱渡りのようなものがあった。
階段の奥に
ネットが貼ってあり
綱の下にはネットが広がっている。
「初心者用にしてるが誰かしたいものはいないか。」と言われるが
最初は手をあげることができなかった。
最後にもう一組と言われると
ちょっと肌黒い上手そうな彼が
「俺もやっていいか!」と出てきたのにそれに続いて僕も前に出た。
縄は1本だが
横から見ると
トラのはりこがひっついている
自分の足元に虎がいて
バランスうまくとれると、
虎は起き上がり、虎の上に乗ってるようになるらしかった。
最初は左右に手を伸ばし、
現代的な身体つかいで、
歩みを進めるがうまく出来なかった。
目の前には原住民のような風貌の
先導者がぼそぼそと
アドバイスをくれた(中身は覚えていない)
大して役に立つアドバイスでもなかったので
思い切って
バランスを取ろうとせずに
全ての体重をつなわたりに預けた。
突然虎が首を起こして動き出した。
いいぞ心が読めていると先導者言う。
「心?」と思ったが、
なるほど、たしかに頭は使わず
身体を預けているし、
臆していない。
バランスを取ろうとすらしなくなり
紐を、虎を信用したのだった。
確かにいまの僕の心なら
虎に聞こえるかもしれない。
ぐっとさらに
身体の足に重さを預ける
後ろ向きに倒れそうになっていた肉体の残像がぐっと
表に引っ張られるのがわかった。
そして、
先導者はこうも言った。
「どうせ愚者であるなら、
愚者である事を自覚して
勇ましくかつ、
賢くしようとするな。
細い糸に肉体を預けよ。」と
上から目線ではなく。
ぼそぼそといった。