文藝部、月間部長賞はじまりはじまり。(ベズ柴崎)
2017年の9月、フェスボルタ文藝部が発足した。
発起人はジョンさんの弟子、みやボルタさん。
ライブ中心のフェスイベントであるフェスボルタから、別軸の新企画が動き出したことにとても感激した。
しかし、いざ始まってみると、どうあがいてもこれはオナニー大会にしかならないぞ、というような設計であることに落胆し、気付けば眺めることもしなくなり、放置していたというのが正直なところだ。
その後、副部長としてからすやまさんが就任したものの、なぜ彼が副部長に抜擢されたのか、それは文藝部に対してどのような変化をもたらすのか、そして今後、部長・副部長を中心にどのような企画立て、展開をしていくのかなどは、部員には一切の知らせもないまま、各々が気ままなペースで瓶に入れた手紙を大海に向かってただただ放流するかのような更新がつづいていた。
でも、それは、文藝部のブログを経由し発信しているだけで、もしかして個人がツイートをしていくつぶやきと何も変わらんのではないか。
前回のフェスボルタの時に「ZINE作りましょうよ。簡単な冊子でもいいから」と提案したが、それが作られることはついになかった。
文藝部が発足した意義は、いったいどこにあるのか。
手紙を放流する大海の比喩に掛けるわけではないが、文藝部の初動は、まるで海水のようにしょっぱいものに仕上がってしまってはいないだろうか。
フェスボルタはバンド、シンガー、アイドル、DJ、 現代音楽、芸人、落語家、漫画家、イラストレーター、元・AV女優など、その他にも多種多様なパフォーマーが自由な演目で100組以上出演する、素人が作ったフェスイベント。
文藝部はこれから月間部長賞が設立され、受賞者にはなんらかの特典も用意されるという。
始まるなら始まるで部員全員にちゃんと伝達してほしいし、月に一本も書かないひとは退部にするくらいはしていいと思う。
部員発掘のスカウトもしてほしい。
(ボルタに出たことある人全員に声かけていいと思う。)
紙媒体やweb方面に出自を持つフェスボルタ(いまだにちゃんと把握してないけど)が、サーキットフェスとして音楽でリアルタイムに聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚、身体のあらゆる部位を一日フル稼働させ、人間の脳の奥深くにある狩猟本能・原始的な領域に刺激と興奮を与えるのに対し、文藝部は言語や文字を覚えた人類がまるで声にもならずに外見にも現しきれないような、個人の内面世界に生じた小さなほころび、天使が通ったあとの静けさのように沈黙を余儀なくされたできごと、キャッチボールにはならない暴投の思いを掬いあげるグラブとして、片輪のボクサーの失われた右腕が鮮やかなアッパーカットの軌道を描くためのミットとして、人を殺めないための拳銃として、非合法ポルノとして、大麻として、覚醒剤として、どうか機能をしていきますように。
文藝部はフェスボルタの歴史、そして、文学、文藝の歴史、雑誌、アート、インターネットの歴史に揺さぶりをかけるようなものに育ってほしい。
僕も可能な限り、その花畑に糞尿をばら撒いていきたいと思う。