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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

ベルエポック9-シュリーマンのトロイ発見

2023.01.09 09:31

1873年、ドイツ人のシュリーマンがホメロスのイーリアスに書かれたトロイア遺跡の発掘に成功した。以前の彼の伝記には、トロイア戦争はフィクションだと思われていた、と書かれているが、実際はトロイア遺跡は発掘されており、資金不足からストップしていただけである。

ビジネスで資金を蓄えていたシュリーマンは考古学者からの示唆で、ピサルルクを下まで発掘して「プリアモスの財宝」を発見する。そのとき妻にネックレスを掛けて「おまえはトロイのヘレナだ」と言ったそうだからフェチはフェチのようだ。この情熱が成功に導いたのは確かだろう。

しかし発掘のシロウトだった彼は、やみくもに掘ったために遺跡を荒らしてしまい、またオスマン政府の許可なく国外に持ち出し、ベルリン名誉市民の称号と引き換えにドイツに寄贈され、発足間もないドイツ帝国の威光に花を添え、彼は国民的英雄となった。

これを契機として、ドイツも考古学的発見に力を入れ、1899年からコルドウェイがイラクで、古代メソポタミア文明を発見、これはオスマンの許可を得て運ばれて、イシュタル門の威容はベルリンで見ることができる。しかしシュリーマンの発見物はソビエト時代モスクワに運ばれた。