Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

シナリオの海

虹の作り方

2023.01.09 15:31


※ご使用の際は必ず『利用規約』をお読みください。


※もし性別を変換して演じたい場合は1度ご相談ください


【登場人物⠀】

全員雨の妖精です

妖精なので年齢設定はご自由にどうぞ🌈


サク(男)·····いつも一番になりたいとネネをライバル視して張り合っている。早く一人前になりたい


ポポ(男)·····自分に自信が無く、自分を出来損ないだと思っている。直ぐに人と比べて落ち込んでしまう


ネネ(女)·····負けず嫌いでサクとよくケンカをする。師匠の事をとても尊敬している


ルル(女)·····天然。おっとり。喋り方も基本はゆっくり。本人はあまり自覚が無いが実は賢い



······································································

【本篇】

ここから台本です


サク

「おーい!はぁはあ。なんだ、みんなここにいたのか·····」


ネネ

「どうしたの?そんな必死に走ってきて」


サク

「いや、まー、ちょっとさ?

お前らが、何やってんのかなーって思って」


ルル

「いま~、私たちは~、虹をつくる練習してたよ~」


ポポ

「そう。でも、すごーく難しくて·····

こんなの僕なんかに出来るのかな?全然出来る気がしないんだけど·····」


ネネ

「まっ、頑張れば何とかなるって!努力は裏切らない!ほら、ローマの道も一歩からって言うじゃん?」


サク

「それ、もしかして、千里の道も一歩からって言いたい?」


ネネ

「あー、もう!ちょっと言い間違えただけじゃん!

ねえ、邪魔するなら帰ってくれる?」


ルル

「ま~ま~。ネネ落ち着いて?

ねえ、そんなに必死に走ってきたってことは、何か用事があったんじゃない?」


サク

「うん。あのさ、俺、虹を作りたいんだ!今すぐ!今日中に!ずっと一人でやってたんだけど、あと少し、何かが足りなくて·····」


ポポ 

「虹って、あの七色(なないろ)の?お師匠さん達だってめちゃめちゃ作るの難しいっていう、あの、虹?」

 

サク

「そう!その虹!俺、どうしても作りたいんだ!どうしても今日じゃなきゃダメなんだ!」


ネネ

「無理無理!あんたのレベルじゃ、絶対無理!!」 


サク

「なんだよ!やってみなきゃわかんないだろ?」


ネネ

「だって、私のお師匠さんだってマスターするのにめちゃめちゃ時間かかったんだよ?あんたじゃ絶対に無理!

まー私は、もうすぐマスターしちゃうけどねー」


サク

「は?お前俺より成績悪いじゃねぇか!

今どこまで出来てんだよ?俺は、正反対の性質を持った色は作れるぞ!」


ネネ

「えっ?あんたまだそのレベル?

私は、みんなが好きな色は、もうぜーんぶ作れるわよ?」


ルル

「ちょっと二人ともストップ~。

(ため息)

なんでいつもケンカしちゃうの~?

どんな色だって、私はステキだと思うよ?

ちなみに私は~·····

あれ?私どこまで作れるようになったんだっけ?」


ポポ

「みんなすごいなー。僕はまだ一色しか作れないや。もうきっとみんながとっくに作れる色だよなー。何色(なにいろ)を作ろうと思ってもさ、なんでかみんなその色になっちゃう·····僕にはもしかしたら一生、その色しか作れないんだきっと。だから僕には虹を作ることなんて、絶対出来ないんだ·····」


ルル

「あー、二人がケンカするから、ポポ落ち込んじゃった~」


サク

「ごめん」


ネネ

「ごめんね、ポポ」


■みんな一瞬の沈黙·····


ネネ

「そうだ。どうして今日なの?どうして今日じゃなきゃいけないの?」


サク

「ああ。ある女の子のお母さんの願いが最近ずーっと聞こえるんだ」


ルル

「願い?」


サク

「ああ。そのお母さんの子供は病気で入院してて、手術。ってものが必要らしい。それをしないと大変な事になるんだけど、その女の子はしたくないと言って、お母さんは困ってた。

その時に、たまたま虹が出てくる物語を読んだらしくて。もし手術をする前の日に虹が見れたら手術するって、その女の子が言い出したらしくてね。お母さんはその日からずっと、虹が出る様にって願ってる。自分が好きな物も我慢してずっと·····」


ネネ

「そう、だったんだ·····」


サク

「ああ。

だから、俺どうしても今日、虹を作りたいんだ!そのお母さんの願いを叶えたい!それに、その女の子、全く笑わないんだ。本物の虹を見て、笑顔を見せて欲しい!」


ネネ

「ふーん」


サク

「なんだよ?」

ネネ

「その子に惚れたの?笑」


サク

「ち、違うよ!」


ネネ

「照れない照れない笑」


サク

「照れてない!」


ルル

「虹って、本当にキレイだもんね~。見た人が~。みーんな笑顔になっちゃうすごいパワーを持ってるって·····

私も一度だけ、虹を作るのを見た事があってとーっても感動したな~。あれ?私なんかとっても大事な事知ってる気がするんだけど·····

なんだろう?」


ポポ

「サク、お師匠さんにはもう頼んだの?」


サク

「ああ。頼んで、断られた。自分でやってみろって」


ネネ

「冷たい師匠ね」


サク

「違う!きっと俺が成長出来るチャンスをくれたんだ!」


ネネ

「ただ教えるのが面倒なだけなんじゃないの?」


サク

「師匠の悪口言うなよ!俺の事は何言っても良いけど、師匠の悪口だけは絶対に許さない!!

本当に心から尊敬する人なんだ。質問してもまずは自分で考えろ。失敗しても良いから、まずは自分でやってみろって。俺を信じて挑戦させてくれるんだ。偉大で、賢くて、誰よりも優しい人なんだ!面倒臭がりなお前の師匠なんかと一緒にするなよ」


ネネ

「は?師匠をなんか呼ばわりするなんて許せない!あたしの師匠の凄さ、あんたにはどうせわかんないでしょうね?」


ポポ

「やめてよ!ケンカなんかしないでよ!誰が凄いとか、誰より凄いとか、僕そういうの違うと思う!!どうせ僕なんかに比べたら、この世に生きてる命全てがみんなすごいんだよ·····」


ルル

「あーポポがまた·····

もう!本当に二人ともケンカはやめて!

·····

あっ、思い出した!!!!」


サク

「!?

びっくりしたぁ

で、何を?」


ルル

「今のポポの言葉で思い出したの。

誰が凄いとか、誰より凄いとかそんな事無い!同じ様に、どの色が優れてるとか劣ってるとかそんな事ない!どの色だってそれぞれに魅力的で、それぞれにステキでしょ?でもね、一人で全部の色を混ぜたら真っ黒になって、雷雲(かみなりぐも)になっちゃうの」


ネネ

「私も思い出した!そうだ、私も虹を作るの見た事ある。確か、ルルと一緒に見たんだよね?」


ルル

「うん」


ネネ

「虹は、七色(なないろ)だけじゃない。

希望、夢、愛、友情、勇気、優しさ、努力の成分が無いと出来ない!」


ポポ

「僕も思い出した!たった一人じゃない!みんなで力をあわせないと、虹は出来ない!」


サク

「お互いを尊敬して、想いやって、初めて虹が出来る。

そうだよ。僕達四人で見たんだ。師匠が作ってくれた虹を·····

あの虹を見て俺ら、みんなで雨の妖精を目指したんだよな?」


ネネ

「そうだった。師匠の作り出す色がステキで、私は師匠の様になりたいって。人を感動させたいって、すぐに弟子入りしたんだった」


サク

「こんな大切な事、俺、なんで今まで忘れてたんだろう。いつの間にか自分が一番になるんだって。みんなより優れた妖精になるんだって。俺それしか考えてなかった」


ネネ

「私も。何の為に修行してるのかすっかり忘れてた」


ポポ

「あのさ。もしかしたら僕達が力を合わせたらさ、虹、作れるんじゃないかな?僕なんかが力になれるかはさ、わかんないけど·····」


サク

「ポポ。そんな悲しい事言うなよ·····

俺もさ、そんな気がしてきた!

なあ、みんな。力を貸してくれるか?」


ネネ

「当たり前でしょ!私を誰だと思ってんの?」


ルル

「もちろん。協力する」


ポポ

「僕に出来ることなら、頑張るよ·····」


サク

「みんなありがとう。

俺さ、偉そうな事言ってたけど、本当は、まだ二色しか作れないんだ。赤と青。持ってる要素は友情と夢」


ネネ

「なんだ。サクもか。私も。まだ2色しか作れないの。黄色と緑。持ってる要素は努力と優しさ」


ルル

「私は~。橙(だいだい)と藍色(あいいろ)。持ってる要素は~えっと~愛と勇気」


ポポ

「えっ?嘘?そんなことってあるの?僕、僕·····」


サク

「どうしたポポ」


ポポ

「僕ね、一つの色しか作れなくて、ずっと自分はダメな奴だって思ってた。出来損ないだって思ってた。何度やっても、何色(なにいろ)を作ろうとしても、それにしかならなくて·····

でも初めて僕、僕が僕で良かったって思った。僕が作れるのは紫。持っている要素は·····」


全員

「希望!!」


サク

「スゲェ!スゲェよポポ!お前がいなきゃ虹は作れなかった!それに紫と希望なんて、誰でも持てるものじゃない!!本当にお前は、俺たちの希望だ!ありがとうポポ!」


ネネ

「ポポは出来損ないなんかじゃないよ!」


ルル

「ポポ凄い!」


ポポ

「みんな·····ありがとう」


ルル

「みんなが違うからこそ、虹が出来る。違うから一つになるのはとっても大変だし、誰かさん達みたいに、ケンカもするけど。

みんなで力を合わせるとさ、見習いの私達でも、虹が作れるんだね~」


ネネ

「うん。全部なにもかも一人で完璧に出来ないといけないなんて。そんな事無いんだよね」


サク

「だな。違う色を作れて、違う要素を持った仲間が、お互いを想い合って、尊重して。心を一つにしないと出来ないのが虹。

みんなの想いがたくさん詰まってる。だから虹は、あんなにキレイなんだな」


ネネ

「あー。あんなとこに師匠達がみんないる。ブラボーってみんなで拍手してるし。恥ずかしいなーいつから見てたんだろ」


ルル

「ふふふ。ずっとヤキモキしながら見守ってくれてたんじゃない?」


サク

「よし!じゃあみんなで作るか!」


全員

「うん!!」


サク

「この虹を見た人が、ステキな友情を育み、叶えたくなる夢を見つけられる事を願って·····」


ネネ

「楽しみながら努力出来て、人への優しさと、自分への優しさを忘れず持てる事を願って·····」


ルル

「溢れる程の愛と勇気を持って、自分も、大切な人も守れる事を願って·····」


ポポ

「どんなに辛くても苦しくても。たとえ自分に自信が無くなって、もう立ち上がれないかもって思っても、必ず最後にはステキな希望が待っている事を願って·····」


サク

「大切な人を想い願うあなたに·····」


ポポ

「自分に自信が持てなくなったあなたに·····」


ネネ

「今生きている全ての命に·····」


ルル

「たくさんの、たくさんの願いを込めて·····」


サク

「せーの」


全員

「届けー!!!!」


終わり


『みなさんの心に虹🌈はかかりましたか?』