管楽器と呼吸
毎朝7:30にツイッターと「ラッパの吹き方 Facebook」で公開しています「 #今朝の一言_ラッパの吹き方 」。最近は呼吸に関するお話しが多めです。
比喩表現や、イメージ改革のために使われていることもあるので、一概に良くないとは言いませんが、子供の頃から僕も幾度となく管楽器を演奏する上で「深呼吸」「たくさん吸ってたくさん吐く」「空気はタダなんだからたくさん使ったほうが得」のような指導やアドバイスを受けてきました。
しかし管楽器における呼吸って実際のところなんなのでしょうか。僕はレッスンで「トランペットの奏法に関して考える際は、必ず『体内の空気圧』を主語にして考えましょう」と言います。呼吸の仕組みや音の出る原理などの知識が不明瞭なほど、呼吸という行為や空気に対するイメージが変化し、「音を遠くに飛ばすために楽器に空気をたくさん入れる」などと本末転倒な言葉が生まれてしまうわけです。
空気圧がある程度高まれば(音を出す準備が正しくできていれば)、音は必ず出ます。それはたくさん空気が体内に蓄積されているのとは全然違います。
だって、肺や気管支や口の中が真空になるなんてありえませんよね。
空気は常に存在しているのです。
じゃあ、呼吸って何のためにするのか。それは、
空気中の酸素が生きるために必要だからです。管楽器を演奏するためにしているのではありません。管楽器の演奏には空気圧は必要ですが、その中にあるものが酸素だろうが二酸化炭素だろうが関係ありません。
このあたりがごちゃごちゃになると、都市伝説が生まれてくるんですよね。
ちなみにたくさん吸うと長く吹けます。これだけです。でもたくさん吸いすぎると空気圧コントロールが難しくなります。
ということで、「 #今朝の一言_ラッパの吹き方 」毎朝更新していますのでぜひご覧ください。
呼吸や呼吸器系の正しい知識、演奏に必要な体の使い方などもレッスンしています。ご興味ありましたらツキイチレッスンなどにいらしてください。
荻原明(おぎわらあきら)