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多摩水道事業の視察に行きました

2018.04.19 13:11

昨日は会派の公営企業部会のメンバーと、府中の藤井都議から自分にも声をかけていただきまして、初めて多摩エリアの水道事業の視察に伺いました。

現在工事中の府中市の幸町浄水所に始まり、稼働中の日野市の多摩平浄水所、また八王子市の鑓水小山給水所の三箇所をまわりました。


幸町浄水場は昭和32年築造で施設の老朽化と配水池の容量が不足していることから、全面改修工事を行なっているところでした。

完成後は配水池の容量が約5倍に増えるだけでなく、災害時に地域の住民の方々が水を汲みに来ることができる応急給水施設も新設されるということです。ここではまだ何もない状態で図面と現地を見ておりましたが、次の多摩平浄水所で具体的に施設の詳細を見ることができました。


多摩平浄水場にはハブ的な存在の巨大浄水場である東村山浄水場から7割と、地下の井戸水から3割が給水されているということです。もっとも大きな規模のハブ浄水場から、地域の浄水場に、そしてその先の給水所に、と私たちの使う水は毎日地下に網目状(職員の方は、「魚を焼く網のような網目状になっている」と説明してくれました)に張り巡らされている管渠を通って、適切に管理され、給水されているということです。

こちらが多摩平の浄水場の中です。

こちらは基本的に普段は無人で、中は全て遠隔操作でも管理を行えるようになっています。そしてセキュリティが非常に厳しく、昼間でもゲートを許可なく突破するとアラームが作動します。

多摩平浄水場にはまた、いま全浄水場に設置が進められているとはいえまだ普及率が100%ではないという、自家発電装置がありました。震災時などに、もしも電気の送電が止まった場合でも、灯油を原料として自家発電を三日間は行うことができる、というものです。初めて間近に装置を見ましたが、さすがに巨大でした。


この、電気使用量というのが一つの課題でもあるようで、今東京都内の全電力の1パーセントが水道事業にかかっているそうです。また、下水道事業にも1パーセント。ポンプで水を組み上げる、また浄水場や給水所の管理や水を遠い給水所へと送る作業などに使われる電力が多いということで、本来であれば水源からほど近いところに大規模なハブ浄水場をおき、そこから地域にある浄水場に自然流下で水を送っていくのがいいそうですが、例えば多摩川が水源かといえば実は多摩川水源の水は2割ほどで、利根川水系を水源とする水が多いというような話も伺いました。


そして、自然流下のお話がありましたが、これは水が高いところから低いところへと流れる性質を生かして、立地の高いところに浄水場を構え、そこから地域の給水所へはポンプを使わず自然に水を落として流していく、というやり方をしているようです。それが三ヶ所目に視察した八王子の槍水小山給水所です。



ビル18階ほどの高さにそびえる、これがその自然流下を促す給水所です。

中にぎっしりと水が詰まっているわけではなく、建物内部の内側の上部にだけ、水を貯めてあります。この場所自体が高台にあるので、ここから地域へと自然流下ができるということでした。



そして、自然流下でいくエリアが、地図にあらわされていました。

多摩市にも!


光ってしまっていますが、見えますでしょうか。

浄水所や給水所は不思議なもので、とある地点で大量に使用され、とある地点であまり使用されないような場合にも均等な水圧で水が給水されるように、網の目状の管渠をどう水が動いていくかはある意味、水に委ねられているようです。人間が管理して動かしているというよりも、その管渠の中を自然に水が動いていく仕組みになっているようでした。


電力の面ではせめて、今後新設される給水所などについては屋上部分に太陽光パネルを設置していただくことなどをお願いして行きたいところです。

ですが、総じて、本当に日本の公営企業のレベルは高いと感心させられてしまいました。世界で、水道をそのまま口にして飲めるという国は10数ヶ国しかないということですが、その中でも安定的に給水をする仕組みをこれまでに何十年もかけて作り上げてきた、水道局の皆様の働きに頭が下がります。


多摩地域で最も大きな東村山浄水場は、なんとそこの水が大田区にまで送られているということも伺いました。機会があれば、無人ではなく人が常駐して管理しているというその巨大な浄水場を見に行かせていただきたいとも思ってしまいました。職員の方から、今後大きな浄水所に機能を集約していくことが求められていくのでは、というお話も伺いました。

多摩ニュータウンエリアを中心として、浄水場や給水所も老朽化してきている施設は増えてきています。一気に改修時期が来るわけではありませんが、今後の安定供給のみならず運営していくための長距離給水などの無駄を省くためにも、会派内でも様々な議論を進めてゆきたいと思います。