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とある冒険者の手記

A.聖芒祭2022

2022.12.24 01:50

イシュガルドに建設された冒険者居住区、エンペレアム。

アリスはヘリオを連れて、聖芒祭のイルミネーションを見るために来ていた。

イシュガルド由来の聖芒祭。

去年は、ヘリオがオールド·シャーレアンにいた事もあり、一緒に来れなかった為、本場の飾り付けを今年は一緒に見に行きたいと提案したのだった。


「やっぱ、本場なだけあって、街の風景とマッチしてるなぁ」

「そうだな」


エンピレアムの入口から大きなツリーとイルミネーション。

三都市と比べるとシンプルなのに、風景と相まって凄く綺麗だった。

そして、居住区の中央広場へと向かうと、見知った人物を見かけ、アリスは固まった。

アリスは慌ててヘリオを連れて引き返そうとした。


「おや?アリスにヘリオじゃないか!お前達も来ていたんだね!」

「あはは…義姉さん、奇遇ですね」


その人物とは、義姉であるガウラとそのパートナーのヴァルだった。

かなり気まずそうに苦笑いをするアリス。

恐らく、守護天節の一件のせいであろう、ヴァルの顔色を伺っていた。


「そこまで怯えなくてもいいだろう。今回は偶然同じところに来ただけなんだ。オレもそこまで心は狭くない」

「そ、そうですか」


ヴァルの言葉に少し安堵の表情を見せるアリス。

気を取り直してアリスは口を開いた。


「ヴァルさんと義姉さんもイルミネーションを見に来たんですか?」

「あぁ、去年は色々と準備に奔走していたからな」


たしかに、去年はオールド·シャーレアン行きの事もあって、結構バタバタしていた。

アリス自身も、聖芒祭はハウスにガウラとナキが来ていなかったら、ご馳走さえ口にしていなかったかもしれない。


「…っくしゅ!」


色々思い返して納得していると、くしゃみが出た。

いくら寒さ対策をしていても、顔の部分は寒さを諸に受ける。


「おい、大丈夫かい?」

「寒さ対策はしっかりしてるんで、大丈夫で……くしゅんっ!!」


ガウラの心配を他所に、再びのくしゃみ。

アリスの隣には、明らかに心配そうな視線を向けているヘリオが、アリスの腕を掴んだ。


「帰るぞ」

「え?!大丈夫だって!!」

「症状が軽いうちに帰って休め。あんたは風邪を拗らせると、すぐ高熱出すだろ」

「う"っ……」


ハッキリと言われ、ぐうの音も出ないアリスは、ガウラとヴァルに軽く挨拶をしてヘリオと帰宅した。

そして、風邪はと言うと珍しく高熱は出なかったものの、微熱を出した。

だが、この微熱が厄介なことに、なかなか下がらず、完治するまでかなりの日数がかかったのだった。