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周産期グリーフケア情報ステーション

次の妊娠・出産に関する参考資料

2023.01.12 23:54


 赤ちゃんをなくした家族にとって、「次子の妊娠・出産」はナイーブでかつ重要なテーマです。赤ちゃんをなくして間もない時期から、もう1度、元気な赤ちゃんをこの腕に抱きたいと願う親御さんは少なくありません。一方で、「また失うのではないか」という不安・恐怖が強くて、次に進めずにいる親御さんも多いと思います。中には、前回の経過から、次の妊娠、子どもを持つことを断念しなくてはならないご家族もいらっしゃいます。

 どの状況であっても、その状況に適応していくことはとても大変なことだと思います。身近で、同じような経験をした人がどのように考え、どのように取り組んだかを聞くことができればと思っても、日常の場ではそのような機会はなかなかありません。

 このテーマに関する悩みや葛藤、不安に対処するためには、当事者が集う自助グループに参加したり、SNSで「天使ママ」と繋がり交流することが助けになるかもしれません。また、同じ悩みをもった当事者の体験談や資料を読むと、自分の気持ちを整理する助けになると思います。

↑「陽だまりのなかへ」

 次の妊娠・出産をテーマにまとめられた冊子。SIDS家族の会が刊行している小冊子で、同会のウェブサイトから購入できます(1冊500円、家族の会に入会すると無料でいただけます)。


◆厚生科学研究費補助金(子ども家庭総合研究事業) 分担研究報告書  妊産褥婦および乳幼児のメンタルヘルスシステム作りに関する研究「周産期の死(死産・新生児死亡)を経験した母親のメンタルヘルスに関する研究」 竹内 徹

論文より一部抜粋)

死を医療の敗北と考え、退院をもってす べてが終了したとして対処することには、 大いに問題があることは明らかである。次 の妊娠について聞いた結果から、8割以上 が次の妊娠を考えており、実際にはその内 の64%が妊娠・出産を経験している。次の 妊娠・出産をどの時期に計画し実行するか によって、正常な悲嘆過程が抑圧されたり、 育児上の諸問題にまで発展する可能性のあ ることを考慮しても、少なくとも何時でも 連絡が取れる態勢にある病院のシステムづ くりが必要と考えられる。

◆死産体験後に、妊娠・出産する女性への看護支援に関する基礎的研究(H24年)

◆〈研究報告〉 周産期に子どもを亡くした経験をもつ母親の次子の育児の特徴

  ― 上子との育児の違いを通して ― 伊藤静香、蛎崎奈津子 

◆死産や新生児死亡で子どもを亡くした母親の次子妊娠における体験

谷崎 望、田淵 紀子

日本助産学会誌 J. Jpn. Acad. Midwif., Vol. 37, No. 1, 27-38, 2023