バス(在来→ユニットバス)リフォーム現場管理のポイント~着工、解体工事
現場に毎日行けない!だからこそ、行くタイミングが大切!
リフォーム現場管理はココがとっても重要!
戸建ての在来浴室は、湿気や水漏れによる木部の腐朽やシロアリ被害などで、建物の中でも特に傷みが進みやすい部位だ。また防水のために内側からも外側からもがっちりと固められているため、解体するまで問題点を把握できないこともある。施主はユニットバスにするワクワク感と同時に、何か問題が見つかったらどうしようという不安もあるはず。質問があればわかりやすく説明して、安心感を与えるように心がけたい。
《着工》
脱衣室側のチェックも忘れずに
大きな荷物を運ぶため、搬入経路の安全を確認して、各所の養生をします。洗面所の入り口ドアを資材搬入のため外す場合は、立てかける際に傷がつかないよう、クロスとの間にも養生を。付随する脱衣室側の施工範囲も図面と照らし合わせながらチェックします。
【ココが大事】
- 工事が始まる前に洗面所にある小物類を移動してもらうよう施主に伝える。
- 洗面脱衣室のリフォームを伴う工事では、再利用するものを廃棄しないよう注意。
- 養生のつなぎ目につまずきそうな箇所がないか確認する。
【施主はココが不安】
“洗面台の交換は無いけど、工事期間も使えるのかしら”
「洗面化粧台と洗濯機は工事期間中もご使用いただけますが、作業をしている時は危険な上に埃が舞うため、使えません。汚れがつかないよう簡単に取り外しできるシートで覆っておきます」
→ドリルで解体するなど、振動を伴うこともあるので、洗面化粧台に化粧瓶など置きっぱなしにすると、落ちて割れてしまう危険があります。また陶器製の洗面ボウルに瓶が落ちるとボウルにヒビが入ることも。使用後は何も置かないように伝えましょう
《解体工事》
見えなかった部分を確認する
浴室内解体の前に、電気配線を器具から取り外し、端を漏電防止テープで止めます。給水・給湯管は取り外し、止水キャップで仮止めを。窓ガラスの破損や給水・給湯管の傷つけに注意しながら浴室内の天井・壁・床の解体及び入り口ドアの撤去をします。壁は一部残すこともあるため、解体範囲に注意しましょう。懸念されている部分があれば早めに確認して対策を練ります。
【ココが大事】
- 既存の給水・給湯管の傷つけや窓ガラスの破損に注意。
- 柱や土台、下地や入り口の敷居などに腐食やシロアリ被害がないか確認を。
- 入り口ドア枠を撤去する際は、脱衣室側の壁を大きく傷つけないよう注意する。
【施主はココが不安】
“木部の状態によっては金額や工期が変わるって… こわいな~”
「浴室リフォームは家の状態を知る上でも大事な工事です。腐食などがあった場合に迅速に手配をかけられるよう、解体しましたら一緒にご確認いただけますか」
→提案段階で、万一不具合があった場合の補修方法を説明し、『この補修の場合はこの部分の材料費と施工費が追加でかかります』などと具体例を出すと、お客様もイメージを掴みやすいでしょう。工期については補修箇所の材料手配や大工・ユニットバス組み立て工事の手の確保などで工程を組みなおす必要があり、間をおかずに工事ができるとは限りません。それでも迅速に対応することで、お客様も必要以上に不安にならずに済むでしょう。
【くりっきーの体験談】窓を下げられず…
「お風呂の高窓に手が届きにくいので、新しい窓は今より下げてくれる?」というお客様がいました。確かに女性には開け閉めしにくい高さです。そこで「そうですね。10センチ下げれば使いやすくなりますね」と安易に答えてしまいました。
ところが解体してみると、ブロック基礎が高く積みあがっていて、窓の下には土台が。「こんな高さまで基礎があったなんて。窓を下げられないよ」と頭が真っ白になってしまいました。
すると大工さんが「ユニットバスの床が洗面所の床と同じ高さになるから、窓を下げなくても手が届くようになるよ」と一言。お客様も「確かに届きやすくなった」と納得で結果オーライの現場でしたが、あの時のドキドキ感は忘れられません。
リフォマガ2022年4月号掲載
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