Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

酒場BETTAKO

BETTAKO -其の245-

2023.01.14 02:42

青くわいを頂いた。

くわいを漢字で書すれば慈姑と書く。

一つの株根に多くの子がつく事から、

子を慈しみつつ哺乳する母(姑)の如く

見える事から名付けられた名でもある。

水稲の代かき田に7月中旬に定植し、

師走上旬に収穫される、正月料理の副菜に

用いられる事が多い食材でもある。

1kg程頂いた慈姑を、ひと粒ひと粒…延々なる

作業は無心となり、六角に剥き終える。

仕込みは苦ではない。冬の大根や冬菜など、

冬の味覚に対し、下拵えを疎かにすれば副菜に

添える事ができなくなる。


ふた晩寝かせた出し汁、味醂と少々の吟醸酒で

ゆっくりと炊いてゆく。

27cmの鍋を覗けば、ゆらりゆらりと踊る慈姑。


どう…仕上げるか、それは食材という素材を

見なければ、頭の中のキャンバスに献立という

デザインを描く事はできない。


そんな私でもある。


感謝。