若冲を見に/出光美術館「江戸絵画の華」展
2023.01.14 05:15
伊藤若冲がたくさん見られるというのできた。
圧倒的な書き込みに驚く。
墨書きの若冲もまたすごい構図の緊張感。大胆さと緻密さのバランスがすごい。
墨の筆書きは書のようである。絵の感覚とは少し違うのか。描いているときの心持ちが気になる。
それにしても、そこに置かれている必然、そのレイアウト、緊張感。なんというか静的なのに動いているイメージだ。
若冲以外の作品も素晴らしかった。
屏風は大きさを生かした構図や色面、レイアウト とても緊迫感がある。
絵巻物は漫画みたいだ。画面中をよく見ると、あちらこちらにシーンがあってやりとりがある。屏風全体で構図がまとまっていながら、細かい部分それぞれにシーンになっている。
吉原の浮世絵が驚いた。同じように群衆を扱う屏風もそんな感じ。各所にシーンが。
でも絵巻や屏風の物語の進み方がわからない。漫画のように見る順番が決まってるんだろうか?
屏風は平たく置かれた時が正なのか折り起立した時が正なのか。どっちを意図して描いたんだろう。
額縁が気になる。巻物や掛け軸の画でない部分が気になる。とても存在感。
画だけよりも、雰囲気、宇宙、情景というか、そんなものを感じる。作家の意図があったりなかったりだろうか。とても大事な要素かも。
そういえば、群衆画の、雲や川の水の意匠的なあしらいに、そういうものを感じることも多い。
どこまで図なのか背景なのか、ただのニュアンスなのか。あるいは絵の構成要素なのか。