2019質問3
質問その3)
さて、続いて、教育環境の充実について伺います。
「さすが文京区!」こう言われるような教育環境を作っていくためには、一つの重要施策は、私は小学校の学校選択制であると思っております。
現在、教育委員会は、誠之小学校、柳町小学校、明化小学校の建て替えであるとか、学校快適化など、矢継ぎ早に子どもたちの教育環境の改善に手を打っています。これは大変ありがたいことであると思っております。
しかし、長期的な視野に立てば、今の学区域であるとか児童数、そして社会を取り巻く環境が、六十年とか八十年、これは学校の耐用年数ですけれども、にわたって同じわけがありません。
ですから、学校の改築に当たっては、通学区域であるとか、せいぜい七、八年先の児童数の予測といった小さな枠にとらわれず、社会の変化に対応できるような、可変的な計画にしていただきたいというのが私の主張です。教育長の御見解を伺います。
また、私は、そうした発想の足かせとなっているものが、硬直化し過ぎている通学区域であると考えています。
教育委員会は、どの学校であろうと、等しい学びの環境を用意しているとは言っておりますが、これは、私、率直に言って、詭弁であると思います。
現在の区立小学校の教育環境は、小学校ごとにかなり差異があります。これは、どこの学校がいい学校で、どこの学校が悪い環境である、こういった意味ではなくて、単純に個体差があるということを私は申し上げたいのです。
それは、各学校の特徴とも言えるもので、教育委員会も、その事実を素直に受け入れて、それぞれのお子さんの特性に合わせて、最適と思える学校を各御家庭に選んでいただく方策を考えることが必要だと思っております。
例えば、特別支援学級で学びたいのか、大人数の学校がいいのか、それとも少人数の学校がいいのか、新しい校舎がいいのか、それとも、趣と歴史のある校舎がいいのか、校庭が広い方がいいのか、プールは屋内なのか、屋外なのか、若しくは坂の上がいいのかとか、坂の下の方がいいのか、こういった要因全ては、御本人の特性とか特徴、そして希望に合わせて選べるようにする。そうすれば、現在議論されている多くの課題、問題は解決すると私は考えております。
小学校の通学区域をより柔軟に解釈して、行政が対応可能な限り、自由に御家庭に選んでいただける小学校自由選択制は、私の積年の主張であります。
若しくは、豊島区のように、区内を幾つかのエリアに分けて、その中で、大規模、中規模、小規模それぞれを、各御家庭に自由に選んでいただく、そして、キャパシティの問題でやむを得ず全員の御希望に沿えない場合は抽選を実施する、こういった方法でもいいと思います。
これらの可能性について、教育委員会の見解を伺います。
私の主張は、児童のことを最もよく考え理解している本人、そして保護者が行きたいという学校があるのであれば、可能な限り希望を優先してあげるべきではないかという、極めてシンプルな原理に基づいております。
私は、多くの区民と接していて、そうした切実なニーズを感じております。しかし、これまでの教育委員会の返答は、そうした声がない、ニーズがないといった主張があります。恐らく、私か教育委員会、どちらかが間違っていると思われます。
本当にニーズがあるのかないのか、これは、十年以上議論しても、禅問答のように定まりませんので、これに終止符を打つために、きちっとニーズ調査をしていただきたいと思います。
近隣の町会の役員でも、既に卒業してしまったPTAの関係者でもなく、最も利害関係のある、今後入学してくる未就学児を対象に、小学校の学校選択制の可否を問うニーズ調査の実施を求めますが、いかがでしょうか。
また、教育委員会は、学校選択制を頑なに拒む理由として、通学路の安全性、地域とのつながり、こういった、一見誰も反対できない理由を挙げております。
しかし、これは、他の区立の教育施設、例えば幼稚園、中学校が住所に関係なく選択できるという事実とつじつまが合いません。子どもの希望を抑え付けて、できないことの理由を探すのではなくて、何とかしてできるように叶えてあげるのが、親の、大人たちの役目ではないでしょうか。