2020質問集(デジタル投資+まとめ)
次に、デジタル化投資による生産性向上について伺います。
九月に、新しい内閣総理大臣に菅義偉氏が選出されました。先日の施政方針演説でも、行政手続を含む政府のデジタル化を強く進めるという方針が出され、私も大いに期待するところです。いよいよ、設備投資、技術革新による労働生産性の向上が見込まれるからです。
労働生産性の向上には二つのアプローチがあります。一つは、設備投資や技術開発によるもの、もう一つは、リストラです。
バスの運行に例えるならば、今まで運転手と車掌の二人で運行していたものを、自動料金箱を導入してワンマンバスにするのが設備投資、設備はそのままなのに、車掌を首にして、運転しながら現金で料金徴収までやらせる、これがリストラです。これでは、忙しくて安全運行もままなりません。
バブル後の日本経済を振り返ると、生産性が伸長した局面が二回だけありました。これは、一九九八年の消費税引上げ不況によるリストラ、二〇〇八年の世界金融危機によるリストラの二回です。残念ながら、いずれも猛烈な人員整理によって達成されたものです。それがデフレ不況を更に加速させ、IT投資も含む設備投資をする余力を奪い、結果として、我が国の労働生産性、経済成長も、他国に大いに遅れを取ることとなってしまいました。
文京区議会でも、ICT化を推進し、ペーパーレス化を図るため、今後の議会運営に係る懇談会でも議論が進んでいます。懇談会メンバーにおかれては、設備投資によらず、人間のど根性によってのみ生産性を高めようとすること、すなわちリストラは、完全な時代遅れであるという認識を持った上で議論を進めていただきたいと強く希望するところです。下手をすると、議会のICT化の遅れが区役所の仕事の足を引っ張りかねません。
さて、菅政権では、デジタル庁新設に向けた準備室が発足するなど、動きが加速しています。今後は、デジタル化社会推進に向けた具体的な政策メニューや予算が次々と打ち出されることは間違いなさそうです。
文京区も、それに対応し、急増するであろうデジタル化投資の機会をいかにスピーディかつ的確に実行するのか、その準備として、具体的にどんな対策を講じていくのか、区長の決意と対応方針をお伺いいたします。
そろそろ質問を終わりますが、ここは学問の街、文の京、文京区です。理性より空気を優先するワイドショーや、それにあおられた不安感情におもねるのではなく、その流れに一石を投じる新しい旅を、成澤区長とともに勇気を持って歩みたいと私は願っています。
いささか自己主張が多くなりましたが、明快なる御答弁を期待して、質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。