★のこと
今日はコロナの死者数が一番増えた。私の同級生も後輩もコロナ病棟で今も戦っている。私が行ってる総合病院でも、家にも帰れないスタッフもいる。医師も看護師も医学・看護教育の中で、優先すべきは「患者の健康」と教えられる。
それは身体的にも心理的にも。医者や看護師、他の医療従事者も大量の勉強と実習経験を経て、命を預かる専門科になっているからだと私は思う。
今も、コロナと最前線で闘っている仲間には頭が下がる。同僚には親の死に会えないスタッフもいた、家族に移すまいと家に帰らないスタッフもいる。
話しは変わるが、開業してからグーグルでの自分の医院に★がつくことを知った。そして、その矛盾も知った。私が知る、あんなに優秀な先生なの★がとても低かったり、あんな適当な先生なのに★が5つだったり。
ある日、業者から電話が入った。「先生の★、過去の低評価のコメントを消せます。そしたら★5つにすることできます、料金は・・」
グーグル★の悪評だけ消せる会社もあるらしい。くだらない。更には、誰かにクリニックに悪評を書かせて、そして★改善に売り込む会社もあると聞いた。
レストランならまだしも、保健診療を真摯にやっている医療スタッフを何と思っているのか。(日本という国は生保も大臣も同じ医療が受けられる、素晴らしい医療制度がある)。医者はレストランやショップではない。いやレストランやショップだって実際に行ってみないとわからないはずだ。本当の感覚は現場でないとわからない。
現在、多くの人がSNSとグルナビの★の数で流れていくのだろう。それを大衆操作と群衆心理操作によって民主主義さえも崩壊させようという動きも出る。
医者と看護師は批判されても非難されても「命を守り、救う」ことだけを考えよと、医学教育で教え込まれているのだから、「どうでもよいと思って、★を気にしない、訂正しない先生」は真面目だと私は思う。
医者も人間、★一つが入ると、駄目だと落ち込む。私もそうだ。しかし、それには理由があるのだろうと、内省や反省の機会にしている。
コロナの前戦で戦う人達の動画は医者としてのマインドを持ち上げてくれる。コロナと闘う彼らは評判など見る時間すらなく、命を守っている。