一般質問6(地域活動の再開)
次に、地域活動の再開について伺います。
文化、芸術、人とのつながり、こうしたものは、豊かな街を作るために、特に、私が一方的にライバル視をしております港区に文京区が勝つというためには、必要な将来への投資であると私は考えております。
赤坂、六本木のきらきら、ぎらぎらはないけれども、文京区は文化の薫り、人の温かさというものがあると思います。
今の文京区の魅力に更に磨きを掛けるためには、地域活動であったり、文化活動、芸術活動に対する大胆な投資が必要です。
新型コロナウイルス感染症によって、約二年間、多くの地域活動、文化・芸術活動が休止、縮小を余儀なくされました。これを早急に再開させて、今まで以上の活気を取り戻す必要があります。
二年間も停滞したものを活性化させるのには、二〇一九年までと同じメニューや同じ予算規模でやっていたのでは間に合いません。今後数年間は、継続的に、今まで以上の予算を大胆に振り向ける必要があると思います。
そのためのまず初めの一歩、これをどう踏み出すかについて伺います。
地域のお祭り、社会活動、同窓会、趣味の集まり、小・中学校の謝恩会、運動会、文化祭、音楽会、展覧会、全てのイベント主催者が、開催する、若しくはしないという判断で、初めの一歩を踏み出す勇気が今なかなかありません。誰かが背中をぽんと押してあげる必要があります。
自分が先にやろうと言ったはいいけれど、ワイドショーで毎日毎日、変異種の不安なニュースがやっている、ゼロコロナを唱える論者から感染対策で過剰反応されるかもしれない、ネットで叩かれるかもしれない、そういった少しでも懸念があれば、じゃ、中止にしましょうとなってしまっているのが現状です。それほど皆さんのマインドが冷え切っていると感じます。
一般人は、一番槍になろう、一番最初に飛び込もうという勇気がなかなか湧いてこないのです。
そうした不安を払拭して、主催者の皆さんに安心してもらえる環境を整えるには、最大の権威である区役所が、積極的にお祭りや文化活動などのイベント開催を推奨し、自らも率先垂範してイベントを実行するべきというふうに考えますが、いかがでしょうか。
活動再開に一気にかじを切るのはもちろん難しいかもしれませんが、疲弊した地域活動を活性化するには、逆方向のショック療法が必要だと私は考えます。
慎重派の成澤区長にはなかなか厳しいお願いかもしれません。でも、私自身も大変勇気を持ってこういった質問をしております。誰かが一番最初に笛を吹いて踊り始めない限り、お祭りが始まりません。感染が再拡大したらどうするんだと、そのときはまた逆にかじを切ればいいだけのことです。
賛否両論ありますが、他自治体、例えば山形県鶴岡市は、市職員に地元での忘年会を推奨、新潟県見附市は、十人以上で開く忘年会、新年会の飲食代の一部を補助するなどの動きも既に始まっています。
このままずるずると、再開するのかしないのか、これが分からない中途半端な状態が続けば、地域社会、人と人とのつながりといったかけがえのない財産が破壊されかねない、もう戻ってきません。
是非、勇気を持った御答弁に期待をいたします。
次に、地域活動、文化・芸術活動に対する大胆な補助金について伺います。
町会活動や高齢者クラブ、文化・芸術活動、地域のボランティア活動、これらの活動は、新型コロナウイルス感染症以前ですら、かなりもうぎりぎりでやっているなという印象がありました。
六十五歳以上の方が永年青年部長を務めている町内会、特定の数人に負担がのし掛かって、やめるにやめられない、内心では面倒臭いなと思いながらも、使命感で細々と活動を続けてきた団体など、限界集落ならぬ、限界地域活動団体というのが数多く存在します。
大きな声では言わないけれど、二年間面倒なイベントもなくて、かえって楽だった、ほっとした、こういった本音も聞こえてこなくもありません。また、数年掛けて大切に準備してきた公演が、延期に次ぐ延期又は中止で、もう心が折れた、そんな声も聞こえてきます。
そういう人たちに、二年間の自粛を経て、また改めてお祭りをやるとかイベントを開催する、これには計り知れないエネルギーが必要であると私は感じております。
新型コロナウイルス感染症では、多くの中小企業に対して、超緩和的な融資メニューが用意されました。文京区でも、最大三十万円の事業継続支援補助金など、相当思い切った支援策が実行されました。これは良かったと思います。
地域の中小企業と同様、地域で活動する人々や、イベント、文化・芸術活動も、文京区の魅力を作る重要な要素であります。
そこで、中小企業支援と同等クラスの大胆な支援を、再開してくれた市民活動、文化・芸術活動に対しても、今後数年間、継続的に行う必要があると考えますが、いかがでしょうか。
例えば、町内会のお祭りを再開してくれれば今後五年間は毎年二十万円の補助金を出すとか、一旦中止になってしまった音楽イベントを再開してくれたら十万円の補助金を出すとか、区民会議室やホールの利用料は九五%割引にするとか、町内会のお祭りには地域活動センターから終日アルバイトの人手を出す、文京区に縁のある定期公演会では出演者のギャラの補助をする、そうした、今までの延長線上ではない大胆な方策を考えて打っていただきたいというふうに思うのです。
こういう際に、公平性とか平等性とか、そういう細かいことを言い出せば、できない理由、言い訳というのは幾らでもあると思います。しかし、この際、多少の不公平、不平等、制度の歪み、これは目をつむります。それよりもスピードが大切です。
是非、来年度予算にはそうした措置を検討いただきますように思いますが、いかがでしょうか。