国立台湾博物館鉄道部園区。鉄道&歴史好きはGO!半日以上遊べる博物館!!③子供も大人も楽しい館内展示!
國立臺灣博物館 鐵道部園區は、日本統治時代の台湾総督府鉄道部の庁舎をはじめとした古跡の建物自体も非常に貴重かつ美しく、細部まで必見なのだが、もちろん、鉄道博物館として興味深くて楽しい展示がいくつもあり、何時間でも楽しく遊べる博物館だ。
最終回の今回は、前回に引き続いて鉄道博物館としての展示の見どころを紹介していこう。
本館では、台湾の鉄道の歴史や駅、車両の種類、周辺機器等についての展示を行う常設展示と、1年ごとくらいに更新される特別展が行われている。
ここでは常設展の私の好きな展示をいくつかご紹介しよう(展示順じゃないよ!)。
2022年の旧正月連休に参観した時、多分一番長くいたのが、こちらの実際の客車を展示してある部屋。
置いてあるのは、最近はほとんど見なくなった(もしかしてもうないかも?)な、急行列車「莒光號」の古い客車の車両。
車両の片側を横にぶった切って、そのまま部屋の中に置いてあるだけっぽく見えるのだけど、これがそれだけじゃないんですよ!
実際に走行してる雰囲気をすごいリアルに再現してるんですよ!!
車両が本物で椅子とか全部本物なのはもちろん、荷棚に乗客のボストンバッグが置いてあったりと、まず見た目がリアル。
で、BGMに列車の「ガタン、ゴトン……」って走行音だけじゃなく、発車・到着アナウンスが流れるの。
この車両は高雄行の莒光號なので、発車のアナウンスでは、「この列車は莒光號XX、台北駅をXX時XX分に出発後、途中、板橋駅………に停車します。……」という感じで停車駅の案内が流れ、しばらくするともうすぐ高雄に到着するていで「この列車は、間もなく高雄に到着します。……へお乗り換えの方は……」と案内が流れる。この放送が本物!
さらに、アナウンスと列車の走行音が流れているとき、なんとなく車両も走行音と共に揺れてて、窓は白いすりガラスっぽくなってて外は見えないけど、列車の走行に合わせて風景の影が後ろに流れていくんですよ!
台北に居ながらにして、マジでリアルな鉄道の旅気分を味わえるのですよ!!
しかもですね、昼間と夜の雰囲気に変わるんです。夜になると気分は夜行列車ですよ!!
あんまり楽しくて、あたくし、写真撮ったり動画撮ったり、ただただ座ってアナウンス聞きながら妄想の中で高雄に出かけたり、楽しく40分くらい座ってましたですよ!
どうすか、最高に楽しい展示じゃないですか!?(え、私だけ!?)
で、次はこちらの日本式木造駅舎のセット。
室内展示なので駅舎丸ごと再現とはいかず、待合室と改札周辺の雰囲気だけだけど、けっこうリアル。
上手に撮影すれば、本当の駅で写真撮影したみたいにできそう。
子供の参観者に人気だったのが、駅のアナウンスを設定できるコーナー。
路線と駅を選んでスタートキーを押すと、その駅のアナウンスが流れるのよ。
いろいろ組み合わせて、何回も遊びたくなること請け合い!
そして、こちらは台湾の鉄道の歴史を地形模型を合わせて年表みたいに紹介するコーナー。
全体像をつかむのにぴったり。
これも面白い。今では記念切符ぐらいでしか見られない、「硬券」とよばれる硬い切符の製造法と職人技術の技を紹介するドキュメンタリー映像。日本語字幕もあって、分かりやすい。
こちらは、トンネル型のスクリーンに台湾各地のトンネル(隧道)の映像を映し出す展示。
トンネルの坑口(ポータル)まわりのデザインの違い、トンネル上部の扁額の額縁デザインや書かれている文字の字体の違い、また中央の黒い部分に映し出される扁額の文字とその文字を書いた人物の役職と氏名および設置場所等を見比べると、大変興味深い。
時間があれば、これも最初から最後まで全部見てほしい。
観光用の遊歩道や自転車道になってるトンネルも多いので、鉄道ファンはこの展示を見て、次の旅の目的地を決めても楽しいと思います。
そして、こちらは、日本統治時代から戦後にかけて各地で活躍した産業鉄道の紹介。
産業鉄道の多くは一般の鉄道より機動の幅が狭い軽便鉄道だった。この展示では、糖業鉄道、塩業鉄道、林業鉄道、鉱山鉄道など、それぞれの産業鉄道をミニチュア模型と併せて紹介している。
こちらの糖業鉄道は、製糖工場のサトウキビや砂糖などを運搬していた。
日本統治時代、台湾各地に製糖工場が数多く建設された。現在も、一部の路線は観光列車として利用されている。
こちらは塩業鉄道。日本統治時代から戦後にかけて、台湾の西南海岸一帯には塩田が広がっていた。現在はほとんどこの鉄道の遺跡は残っていないようだ。
こちらは鉱山鉄道。新北市の瑞芳などに線路跡や施設跡が残っているのを見ることができる。
林業鉄道の模型の写真は撮影していないが、嘉義の阿里山鉄道が一番有名だろう。宜蘭の太平山でも一部路線が観光用に利用されている。
上記の展示が、私が特に時間をかけて見学したコーナーでした。
このほかにも、信号機や鉄橋列伝とか、色々捨て樹展示があるのだけど、全部写真撮ってたら大変なことになりますからね、これくらいで。
ひとつ一つの展示の説明文を読みながら展示を見ていくと、何時間もかかると思う。
私も毎回全部は見ていないけど、好きなところにずっといたりしてると、やっぱり3時間くらい平気で過ぎちゃうので、参観には最低でも1時間、ゆっくり見るなら短くても3時間は予定しておきたい。
館内で食事をしたい場合は、駅弁みたいな食事メニュー出してる食堂もあるので、1日いてもイイかも。
とにかく、とっても楽しい鉄道博物館です!
1度はぜひ、参観してみてね!!
國立臺灣博物館 鐵道部園區。鉄道&歴史好きはGO!半日以上遊べる博物館!!(完)
国立台湾博物館鉄道部園区
住所:台北市大同區延平北路一段2號
時間:9:30-17:00(最終入場16:30)、月曜休館(祝日・連休は開館)、旧暦大晦日と旧暦元旦休館
料金:おとな100元
※国立台湾博物館四館共通チケットもあり。前は窓口でたしか150元だったと思う。
ネットだともっと安いっぽい。