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第221話:カーリヤ蛇を懲らしめる(7):ものがたり『シュリーマド・バーガヴァタム』

2018.04.20 22:57

ヤムナー川のほとりへ道を急いでいると、

ヴラジャの住民たちは

池の中で、黒い蛇のとぐろに巻かれて動かなくなっている

クリシュナを遠くから見ることができました。


牛飼いの少年たちは卒倒し、

その周りを取り囲んだ動物たちが

クリシュナと

泣き叫んでいるのが見えました。


すべてを見て、

ヴリンダーヴァナの住民たちは

苦痛と混乱で押しつぶされんばかりでした。


心はいつも、

無限なる至上主クリシュナに夢中である

うら若きゴーピーたちは、

主が蛇のとぐろの中に

いるのを目の当たりにすると

主の愛に溢れた友情、

笑みを湛えた眼差し、

一緒に話したことを思い出しました。


痛ましい悲しみに燃え、

彼女たちは

宇宙の全てが虚しくなりました。


年長のゴーピーたちは

土砂降りの雨の様に

悲しみの涙を流しながら、

ただただ非常に心を痛めていたのですが、

クリシュナの母の元に

なんとか力づくで戻らねばなりませんでした。


彼女たちの意識は、

息子への愛着以外の何者でもありません。


魂が抜けたかの様に立ち尽くし、

瞳はただ主だけを見つめ、

ゴーピーたちはただ

ヴラジャの恋人のリーラーを互いに語り合うしかありませんでした。




…つづく

(10巻16章19-21節)