日本の主要産業の最先端を知っておくこと
昨年11月になりますが、日本最大級の工作機械見本市、通称「JIMTOF(ジムトフ)」に行ってきました!
工作機械とは、部品を自動で切削加工する大型のマシンのこと。日本のモノづくりを支えてきた高い技術力で、“お家芸”といわれます。
そんな工作機械が一堂に介する展示会のJIMTOFは、業界の注目度も高く、2022年の来場者数は11万4,158人(うち海外からの来場者約1万1,241人)にのぼります。
モノづくりのまち浜松に拠点を置くライターであり、製造業のクライアントさまもいらっしゃる身として、工作機械の最先端を知っておくことは大事。ということで、今回クライアントから招待券をいただき行ってきました。
私が感じたJIMTOF2022のポイント
私が感じたJIMTOF2022のポイントは、2つだったかなと思います。
- ①脱炭素に貢献する工作機械の登場
- ②DXなマシン・サービスで製造現場のスマート化が進む
①脱炭素に貢献する工作機械の登場
工作機械単体で~約30%のCO2削減をできる製品が出ていることに驚きました。どれだけエネルギー効率化にしのぎを削っているのか、工作機械メーカーの本気度が伝わるようです。
浜松ではやっと、「脱炭素に向け、元請けメーカ-のレクチャーが始まったばかり」ですとか、「グリーンエネルギーに切り替えたら、客先に値上げを要請しなければいけない(自社努力が詰めきれていない)」といった、どこか他人事な議論の多い印象があります。
だからこそ、「もはやどのレンジのメーカー企業でもCO2削減は急務です」という、工作機械メーカーさんのプレゼンが印象的でした。
②DXなマシン・サービスで製造現場のスマート化が進む
FA、自動化、省人化......といった言葉はもはや古いのか?
機械加工に必要な一連の作業を、パソコン1台で完結できる工作機械の開発が進んでいました。
シミュレーションやロボットティーチングまで、パソコン上の仮想空間でできるイメージです。段取りもロボットが自動で行います。さらに、加工データはAIが分析して改善に繋げるとのこと。
「根っからの文系の私でも操作できますか?」と聞いたら、「慣れれば大丈夫ですよ」というお返事でした。女性でもご年配の方でも、将来的にはハンディキャップを持つ人だって誰でも、楽しくモノづくりに関われる未来が来ているかもしれません。
ちなみに「生産性」という言葉はあまり見聞きしなかったかも......というのも、脱炭素やDXをすることは、おのずと生産性向上に繋がるからだと思います。
JIMTOFでのそのほかの気付き
- ①「モノづくりのまち浜松から来ました!」がウケない衝撃
- ②学生来場枠が一定数あり、採用のチャンスにできる
- ③機能を売っている企業とソリューションを売っている企業
- ④ノベルティランキングとか作ったら面白いのにな
①「モノづくりのまち浜松から来ました!」がウケない衝撃
「モノづくりのまち浜松から来ました(ドヤ顔)!」とご挨拶して回ったんですが、「ふーん」という反応ばっかりでした......。
浜松に来たことないっていう企業さんも多かった。ミサキ、悔しい。
ちなみに浜松の企業さんでは、エンシュウさんやオーム電機さん、桜井製作所さん、浅沼技研さんなどが、けっこう大きくて目立つブースを出していました!
②学生来場枠が一定数あり、採用のチャンスにできる
来場券には学生枠があり、学生の案内係を置いている企業が実際にありました。院進を予定している大学4年生の方に話を聞くと、「このメーカーは見ておけと教授に言われたので来た」と言います。
理系の学生さんは、教授の意見が強く反映されますよね。一方、学生さん個々人を見ると、自分の将来を自ら決めようとする意志も強い印象。
だからこそ展示会にもちゃんと足を運んでいるのかもですね。
③機能を売っている企業とソリューションを売っている企業
速く加工できるとか、状況を監視できますとか、機能面を打ち出している企業。
加工の高速化で約12%の加工時間を短縮できますとか、状況監視機能により5~15%のサイクルタイムが短縮できます、とソリューションを売っている企業。
両方ありました。
お客さんにより響きやすいのは後者だと思いつつ、もしかしたら前者は現場の人に響きやすいかもしれませんね。展示会での顧客コミュニケーションって、「こういう工具を探してたんだよ!」という発見が起点になるのかも?
④ノベルティランキングとか作ったら面白いのにな
完全なるミーハーですが、各社が配るノベルティをよろこんでもらうタイプです。ボールペンやふせん、あとはパンフレットを入れるバッグなど。
ノベルティランキングを作ったら面白いのになぁ。
牧野フライスさんのバッグがかわいかった~(普段使いしていますw)。そして、瀬戸市の工作機械設計・修理メーカー「トリオエンジニアリング」さんでいただいたアンパンがおいしかった~。
ところがどっこい、JIMTOFはほぼ全ての展示が撮影禁止です。私もマナーに則り、写真はものづくり太郎さんにさせていただきました!
えっ、ものづくり太郎さんを知らないですって?
「日本を支えてきたモノづくりを、誰でも分かりやすく解説したい!」と、がんばっていらっしゃるYouTuberさんですよ!
太郎さんが企業のブースで15分プレゼンするだけで、人だかりができ商談が生まれていてビックリでした。私はものづくり花子になりたいくらいですw。
気になる方は、以下のURLからぜひチェックしてみてください。それでは、また。