【知 識】NECと東工大 博士後期課程学生の研究活動を支援する制度を設立
日本電気(以下 NEC)と東京工業大学(以下 東工大)は、博士後期課程学生の研究活動を支援する制度「NEC R&D Doctor's Pass」を設立する。
この制度は東工大の博士後期課程進学を目指す同大学の修士課程在籍者を対象に募集するもので、「NEC R&D Doctor's Pass」を取得した学生に対する博士号取得予定年でのNEC研究開発部門への入社内定や、研究インターンシップ(有給)の参加機会の提供、研究活動のアドバイス、上限540万円の奨学金返済支援など、博士後期課程進学における課題に対してさまざまなプログラムでサポートする。なお、2023年2月から書類審査や面接などによる選考を実施し、結果は2023年4月以降に本人に通知する。
NECは2025中期経営計画の実現を目指し、HR(Human Resources)方針として「挑戦する人の、NEC。」を掲げ、多様な人材が活躍する企業への変革に注力している。またデジタル化に伴い事業環境が急激に変化する中、最先端技術を理解すると共に、市場や顧客の視点から社会課題を捉え新たな社会価値を創造できる人材を産学連携で育成する取り組みを推進しており、「NEC R&D Doctor's Pass」を設立はその一環として実施される。
東工大は日本では先進諸国の中で博士後期課程に進学する学生が少なく、新産業の創出が長年停滞しているという大きな社会課題の解決を目指している。博士後期課程進学者を増やすため、大学院課程において現在3つの卓越大学院を設置し、キャリア教育の必修化、博士後期課程における奨学金の充実などの施策を行っている。しかし、まだ支援は充分でなく、博士号取得を希望する学生の一部は、経済的な課題、卒業後のキャリア不安に直面するにつれ、進学をあきらめてしまっている。大学と産業界がタッグを組み進学希望者を支援することも含めた支援体制の拡充が望まれている。
NECは今後「NEC R&D Doctor's Pass」の他大学への拡大も検討しており、これからも「人への投資」に注力することで、市場やお客さまのみならず、学生や働く人から選ばれ続ける会社になることを目指す。一方、東工大は今回の「NEC R&D Doctor's Pass」が学生の不安を一掃することが期待できる画期的なスキームであり、博士後期課程への進学希望者への益々の支援体制の充実へとつながるものと考えている。
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