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「宇田川源流」【大河ドラマ どうする家康】 徳川家康は「ウサギ年」であったというオチ

2023.01.17 22:00

「宇田川源流」【大河ドラマ どうする家康】 徳川家康は「ウサギ年」であったというオチ


 毎週水曜日は、大河ドラマ「どうする家康」について、まあ好き勝手に色々と書いている。さすがに、自分の解釈とは異なるということも少なくないのであるが、その辺は「ドラマである」から仕方がないとして、それでも違和感がある。その「違和感」を楽しめるようにならないと大河ドラマに関しては語れないのかもしれない。

さて、今回の徳川家康に関して、「さすがに軽すぎる」という声が大きい。実際に、徳川家康に関しては「狸おやじ」というようなことが言われるほど「老練で老獪」というイメージがある。もちろんそのイメージは関ケ原の戦いの前、そしてそこに勝利したのちに冊に訴えて難攻不落の大阪城を落とした手腕などのイメージが「狸」というように言われていたのである。特に大坂の陣で散った真田幸村などのまっすぐなイメージから、より一層「狸」のイメージがついていったのではないか。

しかし、その様に行ったところで、生まれたところから狸ではない。当然に子供であった時代から、徐々に成長してゆくということになるし、また、青年の時代には無謀な戦いをするなどの事も少なくなかったのではないか。

そのようなことを書くために「スタート地点をかなり下げた」ということはなんとなくよくわかる。そのようなイメージで、これからの徳川家康の成長がどのようになるのかという事が非常に「楽しみな」作品になっているのではないか。

その意味で「徳川家康」というのは、「虎の化身」であり、それは寅年生まれということに由来していた。戦国武将を動物に例えるというのは様々なところであるもので、武田信玄と上杉謙信を、それぞれ「甲斐の虎」「越後の龍」というように例え、川中島の戦いに関して「龍虎の決戦」というようなイメージで書かれている作品は少なくないのである。しかし、その「虎の化身」の割には、今回書かれた徳川家康は「弱すぎる」という気がする。今回その秘密を作品の中で書いているのである。

「どうする家康」元康が自害決意→覚醒!も…まさかの“干支詐称”ネット爆笑「オチが完璧」於大の方が提案

 嵐の松本潤(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)は15日、第2話が放送された。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどのヒット作を生み続ける古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河“初出演”にして初主演となる。

 第2話は「兎と狼」。今川義元(野村萬斎)がまさかの討ち死。織田軍に包囲され、松平元康(松本)は絶体絶命。しかし、織田信長(岡田准一)は突然、退却を始めた。元康は大高城を捨て、瀬名(有村架純)が待つ駿河・駿府に帰ろうとするが、家臣団は故郷・三河に戻りたいと猛反対。元康は渋々三河へ向かうが、敵の罠にハマり、重臣・鳥居忠吉(イッセー尾形)が大ケガを負うなど、松平軍は大混乱に陥る。何とか三河・岡崎の大樹寺に逃げ込むが…という展開。

 本多忠勝(山田裕貴)の“真の望み”を知り、信長に揉まれた少年時代の記憶がよみがえった元康は、自害を踏みとどまる。大樹寺の門を開き、騙し討ちに遭った松平昌久(東京03・角田晃広)に咆哮。威厳を示した。

 「松平蔵人佐元康である。我らこれより、本領岡崎へ入る。我が首欲しければ取ってみるがよい。かかってまいれ!ただし!ただし、岡崎で我が帰りを待つ千の兵たちが怒りの業火となって、貴殿の所領に攻め入るであろうからしかと覚悟せよ。また、いったんは敗れたる今川であれど、新当主・氏真様のお力で早晩立ち直るは必定!その今川と我らを一度に相手できるならばやってみよ!三河は我が父祖が切り取った国じゃ。必ずやこの元康がいま一度平定し、いかなる敵からも守ってみせる。織田からも武田からも守ってみせる!わしは(振り返り、家臣団に)寅の年、寅の日、寅の刻に生まれた武神の生まれ変わりじゃ!そなたたちのことは、このわしが守る!わしが守るんじゃ!」

 岡崎に帰還した元康は「皆の者!案ずることはない。今川様は必ずよみがえる。そして、この元康は寅の化身じゃ!いかなる敵も、恐るるに足らず。織田信長など蹴散らしてくれようぞ!」と力強く民に呼び掛けた。

 時は元康誕生へ。母・於大の方(松嶋菜々子)は我が子を抱きながら「この子はきっと強い武者になりましょう。何せ、寅の年、寅の日、寅の刻に生まれましたゆえ、寅の化身のように逞しくなるに違いありません」と笑顔。父・松平広忠(飯田基祐)が「そうか、寅の化身。ん?於大よ、年が明けて、今年は兎(卯年)じゃ。となると、兎の…」と気づくと、於大の方は「しっ」と制し「寅です。数日早く生まれたことにすればよいのです。この子は寅の生まれ、寅の子です。兎などいけませぬ。狼に狩られてしまいます」――。

 信長は「生き延びよったか。いよいよ食らいに行くか、白兎よ」。襖を閉めた元康は「どうしよう、これから」。覚醒したかと思いきや、再び“頼りないプリンス”の顔に戻った。

 家康出生の“秘密”や“兎と狼”“寅の化身”の由来も判明。SNS上には「まさかの兎年生まれ」「干支詐称w」「まさかのサバ読み」「年齢詐称(笑)」「松平元康1度目の覚醒もワクワクしたな。虎ではなく兎だったの、笑った」「虎の化身として覚醒!かと思ったら、実はというオチ」「オチが完璧」「最後の最後で爆笑した。放送を1年、間違えて今年を寅年にしていたのかと思ったわ」などの声が続出。視聴者の驚きと笑いを誘い、反響を呼んだ。

1/15(日) 20:45配信 スポニチアネックス

https://news.yahoo.co.jp/articles/3d985c254b2ac46b4dd84c40497a27bb4eff2f29

 それにしても、まさか「徳川家康は、本当はウサギ年生まれ」というような落ちにするとは思わなかった。そしてそのことを於大の方に言わせるということは、なかなか面白い。そのような「オチ」をつけさせたら、真面目な中にひょうきんさを出せる松嶋菜々子さんが演じているので、これはこれでかなり映える。松嶋菜々子さんの演技は、突然に表情が変わるというような意味で、「シリアス」から「ひょうきん」の切り替えがうまい。その意味で「オチ」がうまく作られている。

要するに周囲からは「虎の化身」と思われていたし、徳川家康の母はそのように多くの人に宣言した。しかし、実際はそれは嘘で、「卯年生まれ」でありウサギ的な内面を持っていたということになる。まさに警戒心が強く弱く、そして逃げ足が速い。そのような人物が、虎に代わるということになるのである。そして、第一回の放送から見ていて違和感のある「頼りない、決断できない徳川家康」は、「ウサギ年だから」ということにしたのである。

さて、それ以上に私が注目したのは、藤岡弘、さんと岡田准一さんの演じる織田信秀と織田信長の「刀合わせ」であろう。人質にした徳川家康を殺すか殺さないかということで、意見が分かれるのであるが、何しろ本当の「格闘家」に近い二人が真剣に戦おうとするのであるから、迫力が異なった。松本潤さん演じる徳川家康が、情けなく頼りないというような状況になってしまっていることから、周辺の役者の演技が光る。もちろん徳川家康役の松本潤さんが下手というのではなく、それだけ違和感を感じさせているということではないか。

なんとなく家族思い、そして今川への忠誠心が高いというような徳川家康は多くの人のイメージとは全く異なる。しかし、その異なる内容こそが、「ドラマ」を感じさせ、そして現代の人々の心を打つのであろう。私がそれだけ年を取ったということなのであろう。そんなことを感じさせる大河ドラマであった。