【諸乗法数】2-16
2023.01.17 09:20
【諸乗法数】2-16
我二 人我 法我
註 『成唯識論』や『摂大乗論』に見える説。人我は、衆生の妄執の中に存在する「人(迷いと言い換えても可能か)」、法我は、実体として存在する「法(佛果)」のこと。
忍二 安受 観察
註 安受は、正しくは安受苦忍。苦をも甘んじて受け入れ何事にも溺れぬ様にすること。観察は、正しくは諦察法忍。何事にも心を動かさぬこと。この二者は佛果に至る道であるとする。玄奘訳の『摂大乗論』の無性の訳に見える。本来は三忍であり、他に耐怨害忍もある。
疏 『摂大乗論』(しょうだいじょうろん)は、北インドの大乗仏教の僧侶・無著が5世紀頃に執筆した唯識の論書。無着までの大乗仏教の教義をまとめたもので、『大乗阿毘達磨経』『解深密経』『十地経』『般若経』が引用されている。中国ではこれを論拠として「摂論宗」が誕生した。