書籍紹介『風邪の効用』
野口整体の話をよくするので、おすすめ本を紹介してくださいと言われることがあります。そこで、まずお勧めするのは、この『風邪の効用』です。
野口整体を言葉で説明することは、できないです。
そもそも、上手く説明なんてしたくない!
この本を読むことで、そんな、野口整体の一部に、少し触れることができると思います。
それが野口整体を知る上での、確実な一歩になると思います。
読んだ後にきっと風邪がひきたくなる。そんな本です。
コロナ騒動の中、ぜひ読んで欲しいです。
「風邪は治すものではなく、経過するものである」
私が、野口整体について最初に読んだ本がこの本でした。
今となっては、「風邪は治すものではなく、経過するものである」という考えは、当たり前のものになっていますが、初めて読んだときは、心底感動し、救われた気持ちになりました。
私は、高校生の時、常に風邪薬の瓶を持っていました。
薬局で買える、CMでよく流れているような風邪薬です。
それこそ、風邪は治すものだと思っていましたので、頭が少し痛い、だるい、熱っぽい、喉が痛い、等など何かが少しあったら、ポイっと口に入れてました。
「症状が出たら早めに~」というのが、この風邪薬のキャッチコピーでもありました。
冬場など体調を崩しやすい時は、一か月で1瓶くらい飲んでいたような気がします。
常に体調が悪かったです。
子供のころから病弱だといわれていたのもあり、仕方がないと思っていました。
その後、19才で喘息になりました。この時期は精神的にもかなり厳しい時期で、今でいう、不安障害だったと思います。すべての事が不安で、家から出られなくなったこともありました。
だけど、喘息になったことが今思えば、よかったことでした。
それは精神症状からの治癒への一歩だったのだと思います。
喘息の薬をとることで、風邪薬を安易にとらなくなりました。
人との出会いにも恵まれたことにより、小康状態を保てるようになりました。
その後、普通の日常を送っていましたが、今から思うとまだ身体がきつく、横になる時間が多かったように思います。そして、心の奥底に不安感は残っていました。
23才の時、この本『風邪の効用』に出合いました。
風邪を経過するという言葉の意味は、すぐにはわかりませんでした。
ただ、自分に、風邪を経過せせる力があるんだと初めて知りました。
そもそも、風邪をひいているということが自分の治癒力によって行われていたのだと知り、
病気になったら、だれかに助けを求めないとと思っていたのに、
自分の中にその力があり、その力が実はずっと助けてくれていたのだという事実に心底ありがたく、心強くかんじました。
私は、風邪をひきやすい人でした。それは、病弱なのではなく、
自分の身体を守ろうとしていたからだったのです。
私はお医者さんに、頼らなくても一人でこの世界で生きていける力があったのです。
当たり前のことなのですが、当時はそれを知らなかったので、病気になったらどうしよう?と無意識下で常に不安な気持ちでいたのです。
私は、この本に出会い、自分への自信を取り戻しました。
成長につながる風邪
子供のかかる感染症は、身体を育てるということを言われますが、風邪もそうだと思います。体調不良を繰り返すことによって、人間は成長していきます。
そしてそれが、自分を信じるということにつながっていると思います。
なので、子育て中の方には特にこの本を読んで欲しいです。
そして、子供に風邪を経過させてあげてほしい。
その子自身の、成長につながるからです。
大人でも遅くありません。大人はいろいろ複雑で、子供のようにすんなり経過できないかもですが、ほんのちょっと、ホメオパシーのレメディに頼ったりしながら、風邪の経過を体験してみてください。