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ArTU

HECP0357

2018.04.27 12:13

ホームエレクトロニクス・カフェ。

「蒲生三丁目の家」


「できすぎず、もてなさず。」がこのお家のコンセプト。


ホームエレクトロニクス・カフェは、高齢者や障がい者など社会的に排除された人々によるコンソーシアムとワークシェアリングで運営されていきます。

ホームエレクトロニクス・カフェは「お客様」という概念のない「主客一体」や「一座建立」の思想を持った心地いい空間です。この新しいフェスティバルでは「お客様」という概念はありません。「観客」と「演者」の境界をとりのぞき、「地区」が自己表現をするのを手助けし、「観客」も作品を作り上げる重要な役割を担います。

蒲生三丁目の片隅の小さな家カフェ。営業時間は日中からお客が切れるまで・・・。やる気なし、人見知りで開かずのカフェは電燈が灯っていたら営業しています。料金はシンプルな持ち込みシステムで、30分100円のテーブルチャージだけで過ごしていただくこともできます。そして、バリスタタコーヒーはフリードリンクです。(夜は1杯100円)

インターネット環境やフルHDプロジェクターなども完備しておりますのでプライベートなシアター空間、アトリエやワークショップとしてもご利用いただけます。


ホームエレクトロニクス・カフェ

コンスティテューション(入店法)


「蒲生三丁目の家」は、会員制でもなく、高級レストランでもない、一見さんお断りでもなく、もちろんドレスコードなどもない。古い廃屋の平屋をリノベーションしたプリミティブなインテリアの空間で普通にお酒や料理が楽しめる「家」です。一般の「訪問者」が、来訪時にチャイムを鳴らしてから部屋に向かうスタイルです。そう、これは普通にお宅を訪問する際の常識的なスタイルなのです。しかし、このお家を利用するには「入店法」を遵守しなければなりません。

この「家」には“JUSTICE”という、ユニークなサービスコンセプトがあります。お客様のマナーレベルに応じて公正にサービス。マナーレベルの高いスマートな「客層」をセグメントし、我が家と同じように自由にくつろいでもらいたいという考え方です。携帯電話の使用や大声での談笑などの他のお客や近隣住民ご迷惑になる行為は全て「オプションチャージ」を設けています。また、横柄な言葉遣いであったり、あまりにもマナーレベルの低い方に対しては今後のご利用を断る場合もありますが、その人柄やマナー以外ー年令・性別・国籍・業界・地位等による差別を受けることはありません。反対に、それらによる特典的サービスもありません。



HECP0357-『世界を変える家』


HECPという〝家〟は基本的には貸席業です。つまり、私的領域と公的領域の接合点で、自宅公共化ー「シェアリングコミュニティ」です。普段から食材を置いているわけではない。客が来ると、出来るものは作るが、料理は予約に応じて近隣のお店や住民から取り寄せるのが基本です。

主客一体「もてなさず」の面からも「一見さんお断り」のシステムが機能しています。言い換えればこのシステムは実質的には「会員制」の仕組みとも言えます。ただ、会員制と言っても明確な規約やルールが存在しているわけではありません。言わば目に見えない「会員制」。たとえ規約がないと言っても、そこを訪れる多くのお客が快適に過ごせるよう、「一座建立」の暗黙の約束事を理解し、良識のあるマナーをわきまえた人間でなければ、〝家〟には出入りすることはできません。

もちろん、これはお金持ちかどうかということは関係なく、高額な入会金や会費でもって顧客を選別する、いわゆる「富裕層」向けの会員制クラブとは趣旨が全く異なります。

また、HECPという“家”は単に貸席業というだけではなく、地区におけるあらゆるエンターテインメントのエージェント的な役割を果たしています。

このように「一見さんお断り」は、〝家〟に遊びに来るお客が気持ちよく楽しく過ごせるように本当のおもてなしをするためには必要なシステムと言えるです。かつそのシステムを経済合理的に維持できるようにしている仕組みなのです。〝家〟には食事だけではなくて、雑貨、美術やフォーラムといった様々な文化が息づくところであり、その文化を〝家〟という舞台で主客が一体となって作っています。

また、家にとっては家主のプライバシーと近隣との関係が極めて重要であり、その時間性や空間性の引き算がHECPの『家』におけるパブリックスペースだと言えるのです。