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夢二と台湾

「かわいい文化」とは?

2023.01.20 09:33

【ワンポイント夢二】
既に世界語になって久しい日本語「かわいい」。夢二が生み出したとされる「かわいい文化」。これに関する総まとめのような本がこれ。竹久夢二美術館学芸員の石川桂子編「竹久夢二 かわいい手帖」(河出書房新社)です。冒頭部分をご紹介します。「週報」にも連載中ですが、すぐに知りたい方はこの本をご購読ください。

<「竹久夢二 かわいい手帖」より>

海外でも高く注目される「Kawaii」ですが、大正ロマンを象徴する画家・竹久夢二は、自身がデザインした小物を大正時代(1912~1926)に「可愛い」という言葉で紹介し、暮らしや装いを彩るための仕事に才能を発揮。また、華奢(きゃしゃ)で可憐な姿形を描き表した少女像の<抒情画>を確立し、乙女たちが憧れる「かわいい」の世界観を、夢二は時代に先駆けて表現しました。おしゃれなデザイン画や素朴で微笑ましいカット絵、加えて愛らしい子供絵にも筆をとり、夢二は現代にも通じる「かわいい」を数多く残しました。

今も使われている「かわいい」とはどのような意味でしょう?『大辞林』第三版でしらべてみると次のようですが、あなたのイメージはいかが?

1 深い愛情をもって大切に扱ってやりたい気持である。

2 愛らしい魅力をもっている。主に、若い女性や子ども・小動物などに対して使う。

3 幼さが感じられてほほえましい。小さく愛らしい。

4 殊勝なところがあって、愛すべきである。

5 かわいそうだ。いたわしい。ふびんだ。

さて、これを踏まえて、次回から、夢二の生み出した「可愛い」を見ていくことにしましょう。

*写真:「竹久夢二 かわいい手帖」(石川桂子著)