ベルエポック13-ドイツ社会主義労働党
2023.01.21 11:06
恐慌を受けて1875年、ドイツではドイツ社会主義労働者党が生まれた。ドイツでは1862年にラッサールが主導する全ドイツ労働者協会が生まれ、ベーベルの主導するドイツ社会民主労働党ができて、両者が統一したのである。そして議会で議席を獲得することを目指した。
この党は大会を行った地で名付けた「ゴータ綱領」を採択したが、マルクスは「ゴータ綱領批判」を書いて批判した。一方のラッサール派は改良主義的で、国家権力に近づいて労働者の生活改善をしようとしていた。マルクスは、ゴータ綱領はラッサール派に近すぎると批判したのである。
マルクスの影響を受けたベーベルらアイゼナハ派は、労働者の団結によって国家権力と戦って、労働者の生活改善を勝ち取る考えで、最終的目標は労働者革命である。ラッサール派は、ドイツらしく国家によって労働者の解放を勝ち取ると考えていた。マルクスに言わせれば従来の国家は、ブルジョア階級の国家である。
新しい社会のプロセスを表明する必要のあったマルクスは、革命後は労働者権力によって、残ったブルジョア一党を抑圧しなければならないと考えた。そして労働者の国家では働きに応じた賃金が保証される。しかしこの思想は、現実的には強圧国家を生むこととなったのは皮肉である。